流産りゅうざん

流産りゅうざんとは、妊娠にんしん20週しゅうまでに赤あかちゃんを失うしなうことです。ほとんどの流産りゅうざんは、妊娠にんしんの初はじめの12週間しゅうかんに起おこります。

• 出血しゅっけつとけいれん性せいの痛いたみはよくある流産りゅうざんの徴候ちょうこうです。

• 妊娠にんしんしていてまだそれを知しらない場合ばあいは、流産りゅうざんが起おこっていてもそれがただの月経げっけいであると思おもうかもしれません。

• 流産りゅうざんしたかどうかを判断はんだんするために、医師いしは子宮頸部しきゅうけいぶ（子宮しきゅうの下側したがわの部分ぶぶん）を調しらべます。

• 医師いしは、超ちょう音波検査おんぱけんさ（子宮しきゅうの中なかを動画どうがで見みる検査けんさ）も行おこないます。

• 1回かい流産りゅうざんした女おんなの人ひとの多おおくは、また妊娠にんしんして元気げんきな赤あかちゃんを出産しゅっさんします。

• しかし、流産りゅうざんする可能性かのうせいは妊娠にんしんのたびに高たかくなります：つまり流産りゅうざんが多おおいほど、また流産りゅうざんする可能性かのうせいが高たかくなります。

• あなたが何回なんかいか流産りゅうざんした場合ばあいは、また妊娠にんしんしようとする前まえに医師いしの診察しんさつを受うけてもよいでしょう。

• 次つぎは妊娠にんしんがうまく進すすむように、医師いしはあなたを助たすけることができます。

流産りゅうざんの原因げんいんがいつも医師いしに分わかるとはかぎりません。悪わるい知しらせを受うけるなどの突然とつぜんの精神的せいしんてきなショックが原因げんいんで、流産りゅうざんが起おこることはありません。また、すべったり転ころんだりといった軽かるいけがは流産りゅうざんの原因げんいんにはなりません。しかし、ひどい自動車事故じどうしゃじこなどで起おこる大おおきなけがは流産りゅうざんを引ひき起おこすかもしれません。

妊娠にんしんの初はじめの時期じきの流産りゅうざんは、ふつうの月経げっけいのように思おもえるかもしれません。自分じぶんが妊娠にんしんしていることを知しらなければ、流産りゅうざんしているとおそらく思おもわないでしょう。

次つぎのような明あきらかな症状しょうじょうがあることもあります：

• 明あかるい赤色あかいろや暗くらい赤色あかいろの出血しゅっけつ

• けいれん性せいの痛いたみ

• 大おおきな血ちのかたまりと組織そしきのかけらが出でてくる

最初さいしょは、月経げっけいのときに似にている出血しゅっけつが少すこしあるだけということがあります。流産りゅうざんが進すすむにつれ、ふつうは出血しゅっけつがひどくなります。血ちの色いろは明あかるい赤色あかいろや暗くらい赤色あかいろです。血ちのかたまりも出でてくることがあります。子宮しきゅうが組織そしきのかけらなどを押おし出だすときのけいれん性せいの痛いたみがあり、それが強つよくなっていくことがあります。

妊娠中にんしんちゅうに出血しゅっけつが少すこしでもあった場合ばあいは、すぐに医師いしに連絡れんらくしてください。妊娠中にんしんちゅうに出血しゅっけつしたからといって、あなたが必かならず流産りゅうざんするわけではありません。出血しゅっけつしたときのおよそ半分はんぶんは、妊娠にんしんは問題もんだいなく続つづきます。しかし、医師いしは流産りゅうざんが起おこったかどうかを確認かくにんする必要ひつようがあります。大おおきな血ちのかたまりや組織そしきのかけらが出でてきた場合ばあいは、それらを容器ようきに入いれるかタオルに包つつんで、医師いしに見みてもらってください。

妊娠にんしんの初はじめの20週間しゅうかんにあなたに出血しゅっけつやけいれん性せいの痛いたみがあれば、医師いしは次つぎのことを行おこないます：

• 内診ないしん：子宮頸部しきゅうけいぶ（子宮しきゅうの下側したがわで、赤あかちゃんが出でてくる部分ぶぶん）を調しらべるために腟ちつ（産道さんどう）の中なかを見みます。子宮頸部しきゅうけいぶが開ひらいていると、流産りゅうざんの可能性かのうせいが高たかいです。

• 超ちょう音波検査おんぱけんさ：この検査けんさでは、音波おんぱを利用りようして子宮しきゅうの中なかの動画どうがを作つくり出だします。この検査けんさで赤あかちゃんがまだ生いきているかどうかが分わかります。

• 血液検査けつえきけんさ：医師いしがあなたの妊娠にんしんホルモンのhCGの量りょうを確認かくにんします。

あなたの体からだの中なかに胎児たいじと胎盤たいばん（おなかにいる赤あかちゃんに栄養えいようを届とどける器官きかん）がもうない場合ばあいには、治療ちりょうは必要ひつようありません。出血しゅっけつやけいれん性せいの痛いたみはすぐに止とまります。

組織そしきのかけらなどがまだあなたの体からだに残のこっていれば、医師いしは次つぎのことをすることがあります：

• あなたが発熱はつねつしておらず、具合ぐあいが悪わるくなければ、子宮しきゅうが自然しぜんに空からになるか待まってみる

• 残のこっている組織そしきのかけらなどを取とり除のぞく処置しょちをする

医師いしが子宮しきゅうから組織そしきのかけらなどを取とり除のぞく必要ひつようがある場合ばあいは、あなたが眠ねむくなる薬くすりを使つかいます。あなたが受うける処置しょちは、妊娠にんしんしていた期間きかんによって異ことなります：

• 妊娠にんしん12週しゅうまで：腟ちつから子宮しきゅうの中なかに吸引器きゅういんきを入いれ、残のこっている組織そしきなどを取とり除のぞきます。

• 妊娠にんしん12～20週しゅう：腟ちつから子宮しきゅうの中なかに入いれた手術器具しゅじゅつきぐを使つかって、残のこっている組織そしきなどを取とり除のぞきます。

• 妊娠にんしん20週しゅうに近ちかかったとき：残のこっている組織そしきのかけらなどが出でてくるように、陣痛じんつうが始はじまる薬くすりを使つかうことがあります。

流産りゅうざんは防ふせぐことができないものです。妊娠にんしん20週しゅうまでに出血しゅっけつやけいれん性せいの痛いたみがあれば、医師いしは運動うんどうしすぎず、横よこになっているように伝つたえるでしょう。しかし、これらが役立やくだつという証拠しょうこはありません。

流産りゅうざんの後あとに悲かなしみや怒いかり、罪悪感ざいあくかんを覚おぼえるのはあたりまえのことです。

• 悲かなしみを感かんじ、赤あかちゃんがいなくなってしまったことに心こころが痛いたむなら、誰だれかと話はなすことを考かんがえてみてください。

• あなたが流産りゅうざんの原因げんいんになるようなことをした可能性かのうせいはとても低ひくいことを思おもい出だしましょう。

• また流産りゅうざんすることが心配しんぱいなら、医師いしに相談そうだんし、受うけることができる検査けんさについて話はなしてもらいましょう。

• 流産りゅうざんした多おおくの女おんなの人ひとがまた妊娠にんしんし、元気げんきな赤あかちゃんを出産しゅっさんしていることを忘わすれないでください。