胎盤とは何ですか?
胎盤は、妊娠すると子宮の中の上のほうにできる器官です。
胎盤にはたくさんの太い血管があり、あなたから赤ちゃんへ酸素と栄養を運んでいます。
胎盤の血管は、胎盤と赤ちゃんをつなぐへその緒を作っています。
赤ちゃんが生まれてからおよそ15分後に、胎盤が子宮からはがれて腟から出てきます。
それが「後産」ともいわれる理由です。
前置胎盤とは何ですか?
前置胎盤とは、胎盤が子宮頸部に重なっているかその近くにくっついていて、その位置が子宮の中で低すぎる状態です。
子宮頸部は子宮の下側の部分です。ここには出口があって、妊娠中はふつう閉じています。赤ちゃんが生まれてくる準備ができると子宮頸部が開き(開大)、赤ちゃんが出てきます。前置胎盤の場合、胎盤がそのじゃまになります。
前置胎盤はたいてい、出産前に自然に治ります。
もし出産前に治らなければ、赤ちゃんが子宮頸部から産道(腟)へと動いていくときに胎盤がさけ、とてもひどい出血が起こることがあります。
前置胎盤がある場合は、赤ちゃんが生まれるまで性交をしないようにします―前置胎盤があるときに性交すると、出血を起こすかもしれません。
胎盤の問題
胎盤は、正常では子宮の上のほうにあり、赤ちゃんが生まれるまでしっかりと子宮の壁にくっついています。胎盤はお母さんから赤ちゃんへ酸素と栄養を届けます。 常位胎盤早期剥離になると、赤ちゃんがまだ子宮の中にいるうちに胎盤が子宮の壁からはがれて子宮から出血が起こり、赤ちゃんに届く酸素と栄養の量が少なくなります。この合併症が起きた女の人は入院し、赤ちゃんを早く出産させることがあります。 前置胎盤では胎盤が子宮下部に位置し、子宮頸部を覆うように形成されたり、子宮頸部に形成されます。前置胎盤があると、妊娠20週目以降に痛みを伴わない出血が突然生じることがあります。出血は大量になることがあります。ふつう、帝王切開で赤ちゃんを出産します。 |
前置胎盤にはどのような症状がありますか?
妊娠の後期に突然、痛みがない、大量の出血が起こることがあります。
妊娠中で性器出血があった場合は、すぐに医師に連絡してください。あなたの命と赤ちゃんの命が危険にさらされているかもしれません。
医師はどのようにして、私が前置胎盤かどうかを判断しますか?
妊娠20週より後に性器出血が始まった場合、医師は前置胎盤を疑います。
はっきりと確認するために、 超音波検査 超音波検査 超音波検査は、音波を使って体の中の動画を作 さらに読む をします―この検査では音波を利用して子宮の中の動画を作り出します。
超音波検査のときに、胎盤が早い時期に子宮からはがれてしまっていないことも確かめます(常位胎盤早期剥離 常位胎盤早期剥離 胎盤は、妊娠すると子宮の中の上のほうにできる器官です。 胎盤にはたくさんの... さらに読む )。
医師は前置胎盤をどのように治療しますか?
あなたの赤ちゃんの肺が安全に出産できるくらい十分に発達していると医師が考える場合(ふつうは妊娠36週より後)、医師は:
帝王切開 帝王切開 帝王切開とは、腹部と子宮を切ってそこから赤ちゃんを出産 さらに読む という、赤ちゃんが産まれるようにするための手術をします。
医師は陣痛が始まる前に、帝王切開をしようとします。陣痛が始まると出血が引き起こされることがあります。
あなたが妊娠36週より前に出血している場合には:
医師はあなたを入院させて静かに休ませ、出血が止まるかどうかをみてみます。
医師は赤ちゃんの心拍数をモニタリングします。
出血が止まれば家に帰れるかもしれませんが、また出血が始まったらすぐに病院に戻れるようにしておかなければなりません。
出血が止まらなかったり、赤ちゃんの心拍数が異常であれば、帝王切開をします。
早く出産する必要があると医師が考える場合、赤ちゃんのまわりにある液体(羊水)のサンプルを取ることがあります。医師は羊水の検査をして、出産できるくらい十分に赤ちゃんの肺が大きくなっているかどうかを確かめることができます。