破傷風はしょうふう

破傷風はしょうふうは、破傷風菌はしょうふうきん（Clostridium tetani）という細菌さいきんによって引ひき起おこされる、命いのちにかかわる病気びょうきです。

• 破傷風菌はしょうふうきんは、神経しんけいや脳のうに影響えいきょうを与あたえる毒どくを作つくり出だします。

• 破傷風はしょうふうは、切きり傷きず、刺さし傷きず、やけどなど、皮膚ひふから微生物びせいぶつが入はいってしまうけがの後あとに起おこります。

• 最初さいしょの症状しょうじょうは強つよい筋肉きんにくのけいれんで、けがをしてから1～2週間後しゅうかんごに始はじまります。

• もの飲のみ込こみづらくなり、呼吸こきゅうが苦くるしくなることがあり、それによって死しんでしまうこともあります。

• 破傷風はしょうふうワクチンを受うけることが、破傷風はしょうふうの予防よぼうに役立やくだちます。

自分じぶんが破傷風はしょうふうかもしれないと思おもったときや、刺さし傷きず、深ふかい切きり傷きず、またはしっかり洗あらうのが難むずかしい傷きずがあるときは、すぐに病院びょういんに行いってください。

破傷風はしょうふうを引ひき起おこす細菌さいきんは、土つちの中なかや動物どうぶつのふんの中なかにいます。もしあなたに次つぎのものがあるなら、この細菌さいきんが体からだの中なかに入はいってくる可能性かのうせいがあります：

• 切きり傷きずや刺さし傷きず、特とくに深ふかいものや、土つちが中なかに入はいっているもの

• よごれた針はり（タトゥー用ようの針はりや違法いほう薬物やくぶつの注射ちゅうしゃに使つかう針はりなど）による刺さし傷きず

• やけどや凍傷とうしょうなどの皮膚ひふの傷きず

低所得ていしょとく～中所得ちゅうしょとくの国くにでは、へそのおを切きったところに土つちが入はいって、赤あかちゃんが破傷風はしょうふうになることがあります。

症状しょうじょうは、けがをしてから5～10日かくらい後あとに始はじまりますが、遅おそい場合ばあいは50日にちたってから始はじまることもあります。次つぎのような症状しょうじょうがあります：

• 痛いたみを伴ともなった筋肉きんにくのけいれんが起おき、筋肉きんにくが張はって、硬かたくなる

筋肉きんにくのけいれんはふつう、あごから始はじまります。あごを開ひらくことができなくなり、そのため、破傷風はしょうふうは「開口障害かいこうしょうがい」と呼よばれることもあります。筋肉きんにくのけいれんは、のどや呼吸こきゅうに影響えいきょうを与あたえたり、後あとになって首くび、肩かた、顔かお、腕うで、脚あし、背中せなか、おなかに現あらわれたりすることもあります。破傷風はしょうふうの人ひとは、まゆがつり上あがった笑わらったような表情ひょうじょうで、顔かおの筋肉きんにくが固かたまることがあります。また、背中せなかが曲まがって、排尿はいにょうや排便はいべんが難むずかしくなることもあります。

ほかにも次つぎのような症状しょうじょうがあります：

• 心拍しんぱくが速はやくなる

• 熱ねつが出でて、汗あせをかく

医師いしは、あなたの症状しょうじょうと最近さいきんあったけがについて質問しつもんすることによって、あなたが破傷風はしょうふうかどうかを判断はんだんします。医師いしは、けがをした部分ぶぶんの組織そしきを少すこしだけ取とって、細菌さいきんがいないか調しらべることがあります。

破傷風はしょうふうになった人ひとは、入院にゅういんして治療ちりょうを受うけます。医師いしは切きり傷きずなどの傷きずをきれいにして、死しんでしまった皮膚ひふの組織そしきを取とり除のぞきます。医師いしは次つぎの方法ほうほうで破傷風はしょうふうを治療ちりょうします：

• 点滴てんてきをして抗菌薬こうきんやくを静脈じょうみゃくから体からだに入いれる

• 筋肉きんにくのけいれんを軽かるくするための薬くすりを注射ちゅうしゃする

• あなたが一度いちどもワクチン接種せっしゅを受うけたことがないか、過去かこ10年間ねんかんに追加ついかの接種せっしゅを受うけていない場合ばあい、破傷風はしょうふうワクチン

• 痛いたみや不安ふあんに対たいする薬くすり

呼吸こきゅうができない場合ばあいは、医師いしがのどに呼吸こきゅう用ようのチューブを入いれて、人工呼吸器じんこうこきゅうきをつけます。あなたがものを飲のみ込こめない場合ばあいは、医師いしはあなたの静脈じょうみゃくから栄養えいようや水分すいぶんを注入ちゅうにゅうします。

破傷風はしょうふうは、破傷風はしょうふうワクチンの接種せっしゅ（予防接種よぼうせっしゅ）を受うけることで予防よぼうできます。小ちいさな子こどもには、破傷風はしょうふうワクチンはジフテリアと百日ひゃくにちぜきのワクチンといっしょに注射ちゅうしゃします。小ちいさな子こどもは、少すくなくとも3回かいの注射ちゅうしゃを受うけます。大人おとなはその後ご、10年ねんに1回かい、追加ついかの注射ちゅうしゃを受うけるべきです。

切きり傷きずなどのけがをしたときは必かならず、すぐに傷口きずぐちを石せっけんと水みずで洗あらってください。その後ご、病院びょういんに電話でんわをするか、診察しんさつを受うけに行いって、破傷風はしょうふうの注射ちゅうしゃが必要ひつようかどうかを確たしかめてください。もしあなたが一度いちども破傷風はしょうふうの注射ちゅうしゃを受うけたことがないか、過去かこ10年間ねんかんに追加ついかの注射ちゅうしゃを受うけていないなら、あなたには注射ちゅうしゃが必要ひつようです。