自己免疫疾患とは何ですか?
免疫系 免疫系の大まかな説明 免疫系は、体を守るための仕組みです。体を病気 さらに読む は、体を守るための仕組みです。病気や感染から体を守るのに役立っています。免疫系はふつう、入りこんできた細菌やウイルス、そしてがん細胞を攻撃します。自己免疫疾患では、免疫系があなた自身の組織を攻撃してしまいます。
自己免疫疾患にはいろいろな種類があります。
症状は、どの種類の自己免疫疾患にかかっているかや、体のどの部分が影響を受けているかよって異なります。
医師は血液検査をして、自己免疫疾患がないかを調べます。
医師は自己免疫疾患を、免疫系を抑える薬で治療します。
自己免疫疾患では、体のほぼすべての場所が攻撃される可能性があります:
皮膚(全身性エリテマトーデス、 水疱性類天疱瘡 水疱性類天疱瘡 水疱性類天疱瘡(すいほうせいるいてんぽうそう)は、皮膚に水疱ができる自己免疫疾患です。 水疱性類天疱瘡は、免疫系が皮膚を攻撃することで発生し、その攻撃によって水疱が生じる自己免疫疾患です。 皮膚の炎症とともに、かゆみを伴う大きな水疱ができます。 診断は、皮膚のサンプルを顕微鏡で調べ、特定の抗体の沈着を確認することで下されます。 治療は、コルチコステロイドや免疫の働きを抑える薬(免疫抑制薬)により行います。 さらに読む 、 尋常性天疱瘡 尋常性天疱瘡 尋常性天疱瘡(じんじょうせいてんぽうそう)は、様々な大きさの水疱が皮膚、口の粘膜、その他の粘膜に急に多数発生する、まれな重度の自己免疫疾患です。 尋常性天疱瘡は、免疫系が皮膚の上層に含まれるタンパク質を誤って攻撃することで発生します。 口の中や他の部位に重度の水疱が生じ、ときには広い範囲の皮膚が剥がれ落ちることもあります。 尋常性天疱瘡の診断は、皮膚のサンプルを顕微鏡で調べることによって下されます。... さらに読む )
自己免疫疾患の原因は何ですか?
免疫系が健康な組織を攻撃します。次のような仕組みで起こります:
ふつう、免疫系は危険な物質や健康によくない物質(細菌やウイルスなど)を攻撃することで、体を病気から守ります。
自己免疫疾患では、免疫系が誤って体の健康な部分を攻撃する物質とみなします。
免疫系は健康な細胞や組織を、それらがまるで病気を引き起こす物質であるかのように攻撃します。
これによって、自己免疫疾患の症状が引き起こされます。
自己免疫疾患は、なりやすい体質が家族の中で受けつがれるため、一部の人では自己免疫疾患にかかる可能性が高くなります。
女の人の方が男の人より自己免疫疾患にかかる可能性が高いです。
自己免疫疾患にはどのような症状がありますか?
症状は、どの種類の自己免疫疾患にかかっているかや、体のどの部分が影響を受けているかよって異なります。しかし一般に、自己免疫疾患は腫れや組織の損傷を引き起こします。次のような症状が、ときには組合せでみられるでしょう:
関節の痛み
関節の腫れや赤み
かゆみ
呼吸困難や 黄疸 大人の黄疸 黄疸とは、皮膚や白目の部分が黄色くなることです。... さらに読む (皮膚や目が黄色くなる)、力が入らなくなったり混乱したりするなどの症状を引き起こす自己免疫疾患もあります。 腎不全 慢性腎臓病 腎臓は、ソラマメのような形をした、2つある臓器で、尿がつくられるところです。その大きさは、にぎりこぶしと同じくらいで、腹部 さらに読む を発症することもあります。
自己免疫疾患によって死んでしまうこともあります。
医師はどのようにして、私が自己免疫疾患かどうかを判断しますか?
あなたが自己免疫疾患ではないかと疑われる場合、医師は症状について質問し、診察をして、血液検査を行います。
医師は自己免疫疾患をどのように治療しますか?
医師はふつう、次のことを行います:
免疫系とその体への攻撃を抑える薬を与える
最もよく医師が使用する薬は、プレドニゾン(日本ではプレドニゾロン)などのコルチコステロイドという薬です。免疫系を抑えるために、医師はさらに強い薬を使うこともあります。
このような薬のマイナスの面は、体が感染症と戦って退治することも難しくしてしまう点です。がんになる危険性も高くなる薬があります。医師は、あなたが別の病気にかかるのを防ぐために、注意深く見守るでしょう。
自己免疫疾患のほとんどは長期的なもので、多くの場合、生涯にわたって薬を飲む必要があります。