乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょう

乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうでは、赤あかちゃんに授乳じゅにゅうをしていないときに、お乳ちちがつくられます。男性だんせいも女性じょせいも乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうになることがあります。

• 乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうはふつう、下垂体かすいたいにできた腫瘍しゅようによって引ひき起おこされます。

• 乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうを引ひき起おこす問題もんだいの中なかには、男性だんせい、女性じょせいの両方りょうほうに不妊症ふにんしょうを引ひき起おこすものもあります。

• 検査けんさには、下垂体かすいたいのCT検査けんさや脳のうのMRI検査けんさ、下垂体かすいたいホルモンのプロラクチンの測定そくていなどがあります。

• 医師いしは乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうを薬くすりや、場合ばあいによっては手術しゅじゅつで治療ちりょうします。

下垂体かすいたいは、脳のうの底そこにあるホルモンをつくるエンドウマメくらいの大おおきさの小ちいさな組織そしき（腺せん）です。ホルモンは、ほかの細胞さいぼうや組織そしきを刺激しげきして働はたらかせる化学物質かがくぶっしつです。

プロラクチンは、下垂体かすいたいから出でるホルモンで、乳房にゅうぼうにお乳ちちをつくらせます。プロラクチンはふつう、赤あかちゃんを産うんだばかりの女性じょせいで増ふえるため、赤あかちゃんにお乳ちちをあげることができます。プロラクチンが多おおすぎると、おなかに赤あかちゃんがいなくても乳房にゅうぼうからお乳ちちが出でます。プロラクチンは、男性だんせいの乳房にゅうぼうでもお乳ちちをつくらせることができます。

男性だんせいと女性じょせいで、乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうの最もっとも多おおい原因げんいんは：

• 下垂体かすいたいに腫瘍しゅようができ、それによってプロラクチンがつくられすぎることです。

プロラクチンが多おおくなりすぎるその他たの原因げんいんには次つぎのようなものがあります：

• 特定とくていの薬くすり（一部いちぶの高血圧こうけつあつの薬くすりや経口避妊薬けいこうひにんやく）

• 甲状腺こうじょうせんの働はたらきが悪わるくなった状態じょうたい（甲状腺機能低下症こうじょうせんきのうていかしょう）

• 慢性腎臓病まんせいじんぞうびょう

• 肝臓かんぞうの病気びょうき

• 特定とくていの肺はいがん

プロラクチンが多おおすぎると男性だんせいでも女性じょせいでも、性機能せいきのうと妊にんよう性せいにも影響えいきょうがでる可能性かのうせいがあります。

女性じょせいの場合ばあい：

• 出でるはずのないお乳ちちが乳房にゅうぼうから出でるようになる

• 月経げっけいがなくなったり少すくなくなったりする

• エストロゲンの濃度のうどが低下ていかして腟ちつが乾燥かんそうする

• ときに毛深けぶかくなる（男性型多毛症だんせいがたたもうしょう）

男性だんせいの場合ばあい：

• 乳房にゅうぼうからお乳ちちが出でるようになる

• 性交せいこうへの関心かんしんが少すくなくなる

• 勃起障害ぼっきしょうがい

女性じょせいでも男性だんせいでも、大おおきな腫瘍しゅようが脳のうの神経しんけいを圧迫あっぱくして、頭痛ずつうが起おこったり、部分的ぶぶんてきに目めが見みえなくなったりすることがあります。

乳房にゅうぼうで理由りゆうもなくお乳ちちがつくられるため、医師いしには乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうだと分わかります。乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうの原因げんいんを知しるために、次つぎのような検査けんさをします：

• プロラクチンの濃度のうどを測はかるための血液検査けつえきけんさ

• 脳のうのCT検査けんさまたはMRI検査けんさ

医師いしは次つぎのような方法ほうほうで乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうを治療ちりょうします：

• 薬くすりで下垂体かすいたいがプロラクチンをつくるのを止とめる

• 腫瘍しゅようがあって薬くすりが効きかなければ、手術しゅじゅつで取とり除のぞく

• 薬くすりも手術しゅじゅつもうまくいかないときは、放射線療法ほうしゃせんりょうほうを行おこなう

症状しょうじょうが軽かるくて気きにならなければ、医師いしは乳汁漏出症にゅうじゅうろうしゅつしょうを治療ちりょうしないことがあります。エストロゲン濃度のうどの低下ていかに対たいしてはエストロゲンを補充ほじゅうし、下垂体かすいたいの腫瘍しゅようが大おおきくなっていないことを確認かくにんするために、医師いしは毎年まいとし、フォローアップのためのCT検査けんさやMRI検査けんさを行おこないます。