脊髄せきずい

脊髄せきずいは、神経しんけいでできている長ながい管くだで、脳のうから出でて、脊椎せきついの中心ちゅうしんにある空洞くうどうを通とおって、背中せなかを下したの方ほうにのびています。

• 脊髄せきずいは、脳のうと体からだのほかの部分ぶぶんを行いき来きする信号しんごうが伝つたわる、電気でんきケーブルのようなものです。

• 脳のうが頭蓋骨ずがいこつによって守まもられているのと同おなじように、とても傷きずつきやすい脊髄せきずいは脊椎せきついによって守まもられています。

• 脊髄せきずいは、腕うでや脚あしを動うごかすなど、脳のうから体からだに何なにをするか命令めいれいする信号しんごうを伝つたえます。

• 脊髄せきずいはまた、その人ひとが何なににさわっているかや、どこに痛いたみがあるかなど、体からだの各部かくぶから脳のうに向むかう信号しんごうも伝つたえます。

• 反射はんしゃ（熱あついストーブにさわって手てを引ひっこめるなど）は、脳のうが関かかわることなく脊髄せきずいで起おこります。

• 脊髄せきずいが傷きずつくと、ふつうは体からだの一部いちぶを動うごかせなくなったり、体からだの一部いちぶの感覚かんかくがなくなったりします。

脊椎の解剖学的構造

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脳のうの神経細胞しんけいさいぼうは、下したにある脊髄せきずいに向むかって信号しんごうを送おくります。脊髄せきずいにあるほかの神経しんけいがこの信号しんごうを受うけ取とり、脊髄せきずいの神経しんけいを通とおしてそれを全身ぜんしんに送おくります。

脊髄せきずいの神経細胞しんけいさいぼうには、全身ぜんしんにはりめぐらされていて、感覚受容器かんかくじゅようきにつながっている神経線維しんけいせんいがあります。たとえば皮膚ひふには、何なにかにふれている感覚かんかくや痛いたみを感かんじ取とる感覚受容器かんかくじゅようきがあります。針はりでつつかれるなど、そうした受容器じゅようきを作動さどうさせる出来事できごとがあると、信号しんごうが神経線維しんけいせんいを通とおって脊髄せきずいに送おくられます。その信号しんごうを脊髄せきずいにあるほかの神経細胞しんけいさいぼうが脳のうに伝つたえ、そこで初はじめて、あなたは痛いたみを感かんじます。

脊髄せきずいは、次つぎのような多おおくの問題もんだいによって影響えいきょうを受うけます：

• けが

• 脊椎せきついに広ひろがったがんが脊髄せきずいを圧迫あっぱくして傷きずつけることがある

• 多発性硬化症たはつせいこうかしょうや血液けつえきの流ながれが止とまるなど、病気びょうきによって脊髄せきずいの神経細胞しんけいさいぼうが減へってしまう

脳のうや脊髄せきずいの神経細胞しんけいさいぼうが死しんでしまうと、ふたたび増ふえることができません。そのため、脊髄せきずいの傷きずはいつまでも治なおらないのがふつうです。

脊髄せきずいが傷きずついている場合ばあい、現あらわれる症状しょうじょうは、脊髄せきずいの傷きずついている場所ばしょによって変かわります。たとえば、腰こしの位置いちで脊髄せきずいが傷きずつくと、脚あしが動うごかせなくなったり、脚あしの感覚かんかくがなくなったりすることがありますが、その場合ばあい、腕うではふつうに使つかえます。しかし、首くびの位置いちで脊髄せきずいが傷きずつくと、腕うでと脚あしの両方りょうほうに異常いじょうが起おきることがあります。首くびの高たかい位置いちで脊髄せきずいが傷きずつくと、呼吸こきゅうができなくなることがあります。脊髄せきずいのどの部分ぶぶんが傷きずついたかに関係かんけいなく、排尿はいにょうや排便はいべんをがまんできなくなったり、性的せいてきな機能きのうが失うしなわれたりすることがあります。