急性気管支炎きゅうせいきかんしえん

肺はいの中なかに空気くうきを送おくりこむ管くだのことを気管支きかんしといいます。気管支炎きかんしえんとは、その気管支きかんしが腫はれて炎症えんしょうを起おこした状態じょうたいです。

急性気管支炎きゅうせいきかんしえんは急きゅうに（通常つうじょうは数日すうじつの間あいだに）始はじまります。急性気管支炎きゅうせいきかんしえんは慢性気管支炎まんせいきかんしえんとは異ことなります。慢性気管支炎まんせいきかんしえんでは、何年なんねんもの間あいだ、気道きどうに炎症えんしょう（腫はれ）が起おこっています。慢性気管支炎まんせいきかんしえんは、COPDや嚢胞性線維症のうほうせいせんいしょうなど肺はいの問題もんだいがある人ひとに起おこります。

• 急性気管支炎きゅうせいきかんしえんはかぜなどの感染症かんせんしょうによって起おこります。

• 気道きどうが腫はれて粘液ねんえきがつくられるため、せきが多おおく出でます。

• せきが数週間すうしゅうかん続つづくことがあります。

• 冬ふゆに急性気管支炎きゅうせいきかんしえんにかかりやすくなります。

もしあなたが肺はいに病気びょうきのない健康けんこうな人ひとであれば、急性気管支炎きゅうせいきかんしえんは危険きけんではありません。もし肺はいに病気びょうきがあると、急性気管支炎きゅうせいきかんしえんがあなたの肺はいの症状しょうじょうを悪化あっかさせることがあります。たとえば、喘息ぜんそくがある場合ばあい、喘鳴ぜんめいが始はじまることがあります。

肺はいと気道きどうの内部ないぶ

気管支炎きかんしえんについて理解りかいしよう

急性気管支炎きゅうせいきかんしえんは、ほとんどの場合ばあい、かぜやインフルエンザウイルスなどのウイルスによって起おこります。ある種しゅの細菌さいきんによって引ひき起おこされることもあります。

もしあなたが急性気管支炎きゅうせいきかんしえんの場合ばあい、症状しょうじょうは数日すうじつから数週間すうしゅうかんまたはそれ以上いじょう続つづきます。

初はじめは、次つぎのようなかぜやインフルエンザの症状しょうじょうがあるかもしれません。

• 鼻水はなみず

• のどの痛いたみ

• 疲つかれた感かんじ、寒気さむけ、筋肉痛きんにくつう

• 37.5～38度どの熱ねつ

これらの症状しょうじょうはふつう3～5日か続つづきます。

その後ご、せきが出でます。せきは：

• ふつう、初はじめは粘液ねんえきは出でません。

• 後あとから、透明とうめい、黄色きいろ、緑色みどりいろ、または血ちが混まじった粘液ねんえきが出でることがあります。

• せきや深ふかく息いきをすると、胸むねが痛いたくなることがあります。

• 2～3週間しゅうかん続つづくことがよくあり、それより長ながく続つづくこともあります。

喘息ぜんそくではない場合ばあいでも、喘鳴ぜんめいが起おこることがあります。

医師いしはふつう、あなたの症状しょうじょうについてたずねて肺はいを調しらべるだけで、急性気管支炎きゅうせいきかんしえんかどうか分わかります。しかし、急性気管支炎きゅうせいきかんしえんの症状しょうじょうは軽度けいどの肺炎はいえんに似にていることがあります。肺炎はいえんは肺はい組織そしきの感染症かんせんしょうで、気管支炎きかんしえんよりも危険きけんです。医師いしはもしあなたが以下いかの場合ばあいに、胸部きょうぶX線検査せんけんさを行おこなって肺炎はいえんがないか調しらべることがあります。

• 高齢こうれいである

• とても具合ぐあいが悪わるい

• 高熱こうねつがあり呼吸こきゅうが速はやい

• 慢性まんせいの肺はいの病気びょうきがある

医師いしは以下いかによってあなたの症状しょうじょうを治療ちりょうします。

• もしあなたに発熱はつねつや、せきによる胸むねの痛いたみがある場合ばあいは、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの市販薬しはんやくを飲のむことができます。

• もしあなたに喘鳴ぜんめいがある場合ばあい、医師いしは吸入器きゅうにゅうき（吸入きゅうにゅうする薬くすりが入はいった小ちいさなスプレーボトル）を処方しょほうすることがあります。

せき止どめ薬やくを使用しようしても気分きぶんがよくなることはほとんどありませんが、もしあなたが、せきが原因げんいんで眠ねむれない場合ばあいは、夜間やかんに少すこしだけ助たすけになる薬くすりもあります。

医師いしは以前いぜん、粘液ねんえきのねばり気けが強つよくて黄色きいろの場合ばあいは、抗菌薬こうきんやくが役立やくだつと考かんがえていました。現在げんざいでは、細菌さいきんが原因げんいんのめずらしい場合ばあいを除のぞいて、急性気管支炎きゅうせいきかんしえんでは抗菌薬こうきんやくが効きかないことがわかっています。