心臓発作しんぞうほっさ

心臓発作しんぞうほっさは、心臓しんぞうの一部いちぶへの血液けつえきの流ながれが突然とつぜんさえぎられ、心臓しんぞうの筋肉きんにくの一部いちぶが死しんでしまうことで起おこります。医師いしは、心臓発作しんぞうほっさを指さして、心筋梗塞しんきんこうそくという言葉ことばを使つかいます。心筋しんきんは心臓しんぞうの筋肉きんにくを表あらわす言葉ことばで、梗塞こうそくとは、血液けつえきの流ながれがさえぎられて体からだの組織そしきが傷きずついたり死しんでしまうことを意味いみします。つまり、心筋梗塞しんきんこうそくとは心臓発作しんぞうほっさのことです。

• 心臓発作しんぞうほっさが起おきたと思おもったら、緊急きんきゅうで病院びょういんに行いって、アスピリンの錠剤じょうざいをかんでください。

• 心臓しんぞうに問題もんだいがある場合ばあい、胸むねの圧迫感あっぱくかんや息切いきぎれ、疲つかれた感かんじがすることがあります。

• ときには、心臓発作しんぞうほっさが起おきても軽かるい症状しょうじょうしか現あらわれないことや、症状しょうじょうがまったく起おこらないこともあります（サイレント心臓発作しんぞうほっさ）。

• 心臓発作しんぞうほっさの症状しょうじょうがある場合ばあい、医師いしは血液検査けつえきけんさと心電図検査しんでんずけんさをします。

• 医師いしは薬くすりを使つかうとともに、心臓しんぞうの問題もんだいがある部分ぶぶんに、より多おおくの血液けつえきが届とどくようにする処置しょちを行おこないます。

心臓しんぞうは、血液けつえきを全身ぜんしんに送おくり出だしている、筋肉きんにくでできた臓器ぞうきです。すべての筋肉きんにくと同おなじように、心臓しんぞうもまた、血液けつえきがたえず供給きょうきゅうされていないと、働はたらくことができません。心臓しんぞうを通とおって送おくり出だされる血液けつえきでは、心臓しんぞうの筋肉きんにくに栄養えいようを送おくり届とどけることができません。そのかわりに、心臓しんぞうの筋肉きんにくには、別べつの動脈どうみゃくから栄養えいようが送おくられています。それらの動脈どうみゃくを冠動脈かんどうみゃくといいます。

ほとんどの心臓発作しんぞうほっさは、冠動脈かんどうみゃくの1つが血栓けっせんで突然とつぜんふさがれることによって起おこります。

冠動脈かんどうみゃくの血栓けっせんはふつう、動脈硬化どうみゃくこうかがある場合ばあいに起おこります：

• 動脈硬化どうみゃくこうかは、動脈どうみゃくが硬かたくなる現象げんしょうとしてよく知しられています。

• 動脈硬化どうみゃくこうかは、コレステロールなど、脂肪しぼうをふくむ物質ぶっしつが動脈どうみゃくの中なかにゆっくりたまって起おこります。

• このたまったものをアテロームやプラークといいます。

• プラークは突然とつぜんやぶれることがあり、動脈どうみゃくをふさぐ血栓けっせんの原因げんいんになります。

ふさがれた動脈どうみゃくは、心臓しんぞうの筋肉きんにくの一部いちぶに血液けつえきを送おくれなくなります。血液けつえきの流ながれが数かず分以上ふんいじょう止とめられると、その部分ぶぶんの心臓しんぞうの筋肉きんにくが死しんでしまいます。死しんだ筋肉きんにくは血液けつえきを送おくり出だすことができないので、心臓しんぞうは弱よわくなります。心拍しんぱくのリズムに影響えいきょうがおよぶこともあり、拍動はくどうが速はやすぎになったり遅おそすぎになったりします。ときには、心臓しんぞうが完全かんぜんに止とまって（心停止しんていし）、死しんでしまうこともあります。

心臓発作しんぞうほっさ

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心臓しんぞうの筋肉きんにくの一部いちぶが死しぬと、元もとに戻もどりません。死しんだ筋肉きんにくは、瘢痕組織はんこんそしきに置おき替かわります。

心臓発作しんぞうほっさの症状しょうじょうは狭心症きょうしんしょうと似にていますが、痛いたみはふつうもっと強つよくて、長ながく続つづき、休やすむことではよくなりません。

• 胸むねの中央ちゅうおうが痛いたくなることがあります。

• 痛いたみが背中せなかやあご、左腕さわんに広ひろがることがあります。

• あまり多おおくはないですが、痛いたみが右腕うわんに広ひろがることもあります。

• 痛いたみがこれらの場所ばしょの1カ所しょまたは複数ふくすうの場所ばしょに起おこっても、胸むねの痛いたみはまったくない場合ばあいもあります。

• 汗あせをかいたり、緊張きんちょうしたりすることもあります。

• 唇くちびるや手て、足あしが少すこし青あおくなることもあります。

医師いしは次つぎのような検査けんさをします：

• 心電図検査しんでんずけんさ：心臓しんぞうの電気的でんきてきな活動かつどうを測定そくていする検査けんさ

• 心臓しんぞうに問題もんだいがあることを意味いみする特定とくていの物質ぶっしつがないか調しらべるための血液検査けつえきけんさ

あなたは入院にゅういんすることになります。医師いしは次つぎのことを試ためします：

• 心臓しんぞうの筋肉きんにくをできるだけたくさん救すくうために、ふさがった動脈どうみゃくを開通かいつうさせる

• 心臓発作しんぞうほっさを引ひき起おこした問題もんだいを治療ちりょうする

次つぎのこともします：

• 心臓しんぞうのリズムと血圧けつあつをコントロールする

• 血栓けっせんができるのを予防よぼうするための薬くすりを出だす

• 心臓しんぞうの負担ふたんを軽かるくするための薬くすりを出だす

ふさがれた動脈どうみゃくを開通かいつうさせる

冠動脈かんどうみゃくのふさがった場所ばしょに応おうじて、医師いしは次つぎのことをします：

• 血栓けっせんを溶とかす薬くすりを静脈じょうみゃくから投与とうよする

• 血管形成術けっかんけいせいじゅつをする

• バイパス術じゅつをする

血栓けっせんをとかす薬くすりを静脈じょうみゃくから投与とうよ（点滴てんてき）することで、ふさがった冠動脈かんどうみゃくを開通かいつうさせることができます。しかし、その薬くすりは心臓発作しんぞうほっさが始はじまってから数時間すうじかん以内いないに使用しようする場合ばあいにしか効ききません。また、血栓けっせんをとかす薬くすりはだれにでも使つかえる薬くすりではありません。脳卒中のうそっちゅうになったり、大おおきな手術しゅじゅつを受うけたりしたばかりの人ひとや、血圧けつあつがとても高たかい人ひとには、安全あんぜんでない場合ばあいがあります。

血管形成術けっかんけいせいじゅつで使つか...

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血管形成術けっかんけいせいじゅつでは：

• 医師いしが細ほそくてやわらかいチューブ（カテーテル）を、ふともも（鼠径部そけいぶ）か手首てくびにある動脈どうみゃくから入いれます。

• このカテーテルを心臓しんぞうまで通とおして、冠動脈かんどうみゃくの1つまで進すすめます。

• カテーテルの先さきに付ついている小ちいさな風船ふうせんをふくらませます。

• この風船ふうせんによって、つまっていた部分ぶぶんが押おし広ひろげられます。

• 医師いしはそこで、針金はりがねのあみでできたチューブ（ステント）を、カテーテルの先さきからつまっていた部分ぶぶんまでずらし、それから外はずします。

• この針金はりがねのあみでできたチューブのおかげで、つまっていた部分ぶぶんが開ひらいた状態じょうたいに保たもたれます。

冠動脈かんどうみゃくバイパス術じゅつ（C...

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冠動脈かんどうみゃくバイパス術じゅつでは：

• 医師いしが体からだのほかの部分ぶぶんから、健康けんこうな動脈どうみゃくや静脈じょうみゃくをとり出だします。

• その動脈どうみゃくや静脈じょうみゃくの片方かたほうの端はしを、大動脈だいどうみゃく（心臓しんぞうから全身ぜんしんに血液けつえきを送おくり出だしている太ふとい動脈どうみゃく）に縫ぬい合あわせます。

• もう一方いっぽうの端はしを、ふさがっている動脈どうみゃくの、ふさがったところより先さきの部分ぶぶんに縫ぬい合あわせます。

• すると血液けつえきが、ふさがった部分ぶぶんではなく、この新あたらしい道みちすじを流ながれるようになります。