コメンタリー:湿疹についての説明—保護者からのよくある質問への答え
コラム01年1月1日 Mercedes E. Gonzalez, MD, Clinical Assistant Professor of Dermatology, University of Miami Miller School of Medicine; Medical Director, Pediatric Dermatology of Miami

é “赤ちゃんのお尻のように柔らかい”という昔ながらの決まり文句がありますが、これは必ずしも真実ではありません。子どもの5人に1人が湿疹の一種であるアトピー性皮膚炎に罹患しており、かゆみや赤み、鱗屑、ザラザラした乾燥肌に悩まされています。湿疹は乳幼児や幼児に最も多くみられますが、あらゆる年齢の人に影響を及ぼす可能性があります。

また、よくあることですが、湿疹は不快で、より年長の子どもや大人にとって恥ずかしい思いをすることもあります。これは時に、別の病態の警告サインであり、注意を払う必要があります。多くの保護者が湿疹の原因と最適な治療法について疑問を抱いています。ここでは、保護者から寄せられる湿疹に関するよくある質問と、症状を抑えるために知ってきたいことについてまとめます。

子どものかぶれが湿疹かどうか、どうすればわかりますか?

湿疹の明確な徴候は3つあります。

  • 部位:2歳未満の乳幼児では、湿疹は顔面、手足の伸筋表面によく現れます。より年長の子どもや大人の場合、肘の内側や膝の裏、手に最もよく現れます。
  • かゆみ: 湿疹は、乾癬などの他の皮膚疾患よりもかゆい傾向があります。
  • 再燃(フレアアップ): 湿疹は慢性的であり、時間とともに再燃を繰り返します。

湿疹はアレルギーですか?

湿疹は、特定の食品や物質に対するアレルギー反応ではありません。例えば、ほとんどの場合、粉ミルクや乳製品などの食品を単に取り除いただけでは、湿疹は消えません。

しかし、皮膚の状態とアレルギーの間には密接な関連性があります。アトピー性皮膚炎の子どもは後に、食物アレルギーを発症する可能性が高くなります。さらに、小児期には喘息 、思春期になると季節性アレルギーを発症する可能性が高くなります。より重度の湿疹では、この関連性がさらに強くなります。保護者や小児科医は、“アトピーマーチ”と呼ばれるこの進行に細心の注意を払う必要があります。これは、これらの問題を早期に特定するチャンスであり、保護者は小児科医に何に気をつけるべきか相談する必要があります。

湿疹は遺伝によるものですか?

湿疹自体は厳密には、鎌状赤血球症や嚢胞性線維症などの純粋な遺伝性疾患と同じような遺伝性ではありません。しかし、湿疹には遺伝的要素があります。親または兄弟姉妹に湿疹がある子どもは、湿疹が生じる可能性がはるかに高くなります。また、喘息や花粉症(鼻水、くしゃみ、鼻づまりを伴うアレルギー性鼻炎)などのアレルギー症状の家族歴は、湿疹の主な危険因子です。

湿疹が再燃する原因は何ですか?

最も一般的な環境要因は、汗と熱です。その他の要因は個人によって異なりますが、以下のようなものがあります。

  • ウールやカーペットなどの粗い布地との接触
  • チリダニ
  • 動物のフケ
  • 強い香り
  • ストレス

頻繁に入浴時間が長いのも、皮膚を乾燥させます。多くの場合、浴槽で遊ぶ時間を減らし、入浴は10分までにし、お湯はぬるま湯にすることにより、湿疹症状を軽減することができます。

子どもの湿疹はどのように治療するべきですか?

湿疹は慢性であるため、再燃が起こります。保護者は、再燃と再燃の間の時間を延ばすことに重点を置く必要があります。誘因になる物質を避けるのに加え、保護者ができることは以下の3つです。

  • 肌をいたわる:入浴は1日1回だけにして、(刺激のある石鹸ではなく)低刺激の洗浄剤や(熱くない)ぬるま湯を使ってください。
  • 皮膚治療薬を塗布する:入浴後、保湿剤を塗布してください。小児科医は通常、1日1~2回使用するステロイド軟膏やクリームを処方します。湿疹の徴候が完全に消失するまで、これらの治療薬を使用します。保護者はしばしば、改善の徴候があり、かゆみがなくなると、治療を中止してしまうことがあります。しかし、治療を中止するのが早すぎると、再燃が起こる可能性があります。  
  • 再燃の初期徴候を観察する:多くの場合、斑点が出る前に皮膚がかゆくなります。子どもが引っ搔いたり、症状を訴える部位を観察してください。これらの再燃を早期に治療することで、必要な薬の量を最小限に抑えることができます。

ステロイド薬は危険ですか?

ステロイド薬は、多くの湿疹治療戦略の重要な要素です。ただし特に乳幼児の場合、長期間にわたり皮膚に大量のステロイドを使用すると、副作用が生じることがあります。しかし、適切な用量を適切な期間使用すれば、副作用の可能性はごく少なくなります。また保護者は、数多くの湿疹治療の新しい選択肢が現時点で研究・開発されていることも知っておいてください。子どもの小児科医や専門医と定期的に話す機会を持つことが重要です。新しい治療選択肢や年齢が上がるにつれ子どもの湿疹がどのように変化するかについては、主治医に相談してください。

詳細を知りたい方や、受診の準備をする方は、本マニュアルの湿疹のページ ’を参照してください。