腹膜透析の主な合併症

合併症

原因

低血圧

透析中の水分および塩分の過剰な除去

出血

カテーテル留置中に偶発的に発生した内臓の穿孔

体内からのカテーテル除去

腹膜(腹壁の内側を覆う膜)またはカテーテル挿入部位の周辺組織(腹壁とカテーテルが密着していない場合)の刺激感や炎症

感染症

清潔でない手順による透析

アルブミン(タンパク質の一種)の血中濃度の低下

食事中のタンパク質不足に加え、透析で除去される体液中へのタンパク質流出

腹膜の瘢痕化*

炎症や感染症

透析液中の電解質

特定の薬剤の使用

血糖値(グルコース濃度)の上昇

グルコース濃度が高い腹膜透析液の使用(透析中に水分やナトリウムを除去するために使用)

腹部または鼠径部(そけいぶ)のヘルニア

大量の液体にさらされる状態が続くことで生じる腹部内の圧力上昇(通常は臓器などの組織構造が動きすぎないように防いでいる壁が弱くなる)

便秘

食物繊維の摂取不足、または高リン血症を治療するためのカルシウム塩の使用による腸の拡張(腹部への透析液の出し入れを妨げる可能性がある)

*腹膜透析では腹膜がフィルターの役割を果たします。腹膜が瘢痕化すると、水分や老廃物が腹膜を容易に透過できなくなり、それらの除去が難しくなります。