補完・代替医療は大きく5つの領域に分類することができます。
この分類名は代替医療の内容を部分的に表しているに過ぎません。これらの治療法は、現代科学の概念で理解できるものもありますが、理解不能なものもあります。多くのタイプが他の治療法と部分的に重なっています。
(統合、補完、代替医療の概要も参照のこと。)
全医療系
心身医学
生物学に基づく療法
マニピュレーションや身体をベースにした実践
マニピュレーション療法や身体ベースの治療法では、体に手技を施すことを通じて様々な状態を治療します。このような療法には以下のものがあります。
オステオパシー・マニピュレーション
リフレクソロジー
カッサ(コイニング、スクレイピング、スプーニングなど)
これらの療法は、身体には自らを調節して治す力が備わっており、身体の各部位は相互依存の関係にあるという考え方に基づくものです。鍼治療もときにマニピュレーション療法の1つとみなされることがあります。
これらの療法の一部(カッピング、カッサ、灸療法)では病変が生じ、外傷や虐待の徴候と間違われることがあります。これらの療法は、体のエネルギーを刺激し、毒素を体外に排出できると考えられています。しかし、その有効性を測った質の高い研究はほとんどありません。
エネルギー療法
エネルギー療法は、体の内外に存在するとされるバイオフィールド(生体電場)というエネルギー領域に着目した治療法です。エネルギー療法には、健康と治癒に影響する電磁場と呼ばれる外部のエネルギー源の利用も含まれます。エネルギー療法は、普遍的な生命力が存在し、体の内側と外側には微弱なエネルギーが存在するという信念に基づいています(生気論)。こうした普遍的な生命力は本質的に測定が困難であり、その存在を裏付ける科学的根拠は限られています。
エネルギー療法には次のようなものが含まれます。
気功および太極拳―中国伝統医学の構成要素であり、緩やかな姿勢、意識的な動き、呼吸を用いて患者のエネルギーのバランスを改善する
エネルギー療法の施術者は、体の上または近くに両手をかざし、自分自身のエネルギーを使って相手のエネルギー領域に影響を与えます。