一人暮らしの高齢者

執筆者:Daniel B. Kaplan, PhD, LICSW, Adelphi University School of Social Work
Reviewed ByMichael R. Wasserman, MD, California Association of Long Term Care Medicine (CALTCM)
レビュー/改訂 2025年 1月 | 修正済み 2025年 4月
v8946121_ja
プロフェッショナル版を見る

2023年、米国では、地域社会に暮らす6000万人の高齢者のうち、ほぼ30%が一人暮らしで(これは介護施設などの施設に暮らす高齢者とは対照的です)、この割合は年齢とともに上昇しています。地域社会に暮らす75歳以上の高齢者のうち、約40%が一人暮らしです。男性は妻よりも先に死亡する可能性が高く、妻を亡くした男性または離婚した男性は、夫を亡くした女性または離婚した女性よりも再婚する可能性が高い傾向があります。その結果、寡夫(290万人)よりも3倍も高く寡婦(900万人)がいます。それでも2023年には、65歳以上の地域社会に暮らす成人の半数以上が配偶者またはパートナーとともに生活していました。

一人暮らしには、多くの課題がありえます。

  • 一人暮らしの人は貧しい状態にある場合が多く、一人暮らしの期間が長いほど貧困になる傾向が高まります。

  • 多くの一人暮らしの高齢者は、孤独や孤立を感じると述べています。

  • ほとんどの人にとって食事は社会的な活動であるため、一人暮らしの高齢者では、十分にバランスのとれた食事を準備しないケースがあります。また、食欲、摂食、または消化を妨げる医学的または歯科的問題がみられる高齢者もいます。このため、低栄養が懸念されます。

  • 健康上の問題または視力もしくは聴力の障害を抱える人は、新しい病気または症状の悪化が見逃されることがよくあります。

  • 一人暮らしの高齢者の多くは、何らかの支障があって治療の指示を守ることができません。

これらの課題や問題があるにもかかわらず、一人暮らしの高齢者のほとんどが、自立を維持したいという強い思いを口にします。多くの人は他者に依存しすぎることをおそれ、困難に直面していても一人暮らしを続けたいと願っています。定期的に体を動かし頭を働かせる機会をもち、他者とのつながりを保つことは、一人暮らしの高齢者が自立を維持する助けになります。

退院して自宅に戻った人は、手術後であればなおさら、必要な追加サービスについてソーシャルワーカーや医療従事者と話し合うのが有益でしょう。ホームヘルパーまたは訪問看護師などによるこのようなサービスは、自立した生活を再開する助けになります。

COVID-19パンデミックが発生して以来(対面でのコミュニケーションが難しくなり)、地域に根ざした多くの精神医療や社会的ケアの提供者は、テクノロジーを利用して遠隔でサービスを提供する能力を高めています。

つながりを保つ

社会との関わりを欠く(社会的に孤立している)高齢者は、社会的に孤立していない高齢者よりも多くの健康上の問題を抱えている傾向があることが、研究により示されています。一人暮らしの高齢者は、社会的に孤立した状態を避けるよう努めなければならないことがあります。

多くの高齢者は、ボランティア活動が技術や人生経験を活用して社会に貢献するよい方法であると考えています。米国全体で数百の団体が、高齢者の技術を歓迎しています。例えば、全国・地域サービス連邦公社(Corporation for National and Community Service)のプログラムであるシニアコーがあります。シニアコーのプログラムには、養祖父母プログラム、高齢者コンパニオンプログラム(Senior Companion Program)、退職者・高齢者ボランティアプログラムなどがあります。

また、講座を受講することは、頭脳の働きを維持し、地域社会の他の人とつながるよい方法と考えている高齢者もいます。多くの地域社会、学区、大学はすべての人を対象にした生涯教育のクラスと、高齢者を念頭に置いたいくつかのクラスを提供しています。

趣味と社会的グループも、高齢者が社会的なつながりや体力を維持する助けになることがあります。余暇が仕事と家族のことで占められていた時期には棚上げになっていた趣味を再発見する高齢者もいます。新しい趣味を探したいと考える高齢者もいます。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. 全国・地域サービス連邦公社(CNCS)―アメリコーシニア(The Corporation for National and Community Service (CNCS)—AmeriCorps Seniors):このウェブサイトでは、55歳以上の人を対象としたボランティアの機会に関する情報を提供しています。2024年11月26日アクセス。

  2. 米国における介護2020(Caregiving in the United States 2020):このウェブサイトでは、全米介護連盟(National Alliance for Caregiving:NAC)と全米退職者協会(American Association of Retired Person:AARP)が、介護者が行う介護の種類や、個人的ケアを含む日常生活の支援、様々な医療専門職から受ける医療の調整における支援、医療および看護的手技の手助け(注射や経管栄養)など、米国における介護に関する情報を提供しています。2024年11月26日アクセス。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS