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腸回転異常症

(腸管の回転異常)

執筆者:

William J. Cochran

, MD, Geisinger Clinic

レビュー/改訂 2021年 4月
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やさしくわかる病気事典
  • この異常の原因は不明です。

  • 典型的な症状としては、嘔吐、下痢、腹痛、腹部の膨満などがあります。

  • 診断は様々なX線検査の結果に基づいて下されます。

  • 腸のねじれ(腸捻転)を伴った腸回転異常症は、手術を必要とする緊急事態です。

回転異常があると、腸の中の流れが止まってしまう可能性があります。小腸が本来のように周囲につなぎ止められていないため、ねじれてしまい(捻転)、腸への血流が遮断されることがあります。腹腔内で腸が正しい場所に移動しない理由は不明です。

腸回転異常症の乳児には、ほかにも生まれつきの異常がよくあります。回転異常は乳児でみられますが、幼児期や成人期にもみられます。回転異常は別の問題を調べているときに偶然発見されることもあります。

腸回転異常症の症状

腸回転異常症の乳児では、嘔吐、下痢、腹痛、腹部の膨満が突如として現れ、これらの症状が消長を繰り返すことがあります。

腸の中央部への血流が捻転のために完全に遮断されると、突然ひどい痛みと嘔吐に襲われます。

肝臓でつくられる胆汁が吐き出され、黄色や緑色、さび色の嘔吐がみられます。やがて腹部が腫れてきます。

腸回転異常症の診断

  • 胸部X線検査

  • バリウムX線検査

乳児が胆汁を嘔吐している場合、医師は腹部のX線検査を行って、閉塞の有無を確認します。

腸回転異常症の治療

  • 緊急手術

腸捻転を伴った腸回転異常症は、直ちに手術を行う必要がある緊急事態です。静脈から水分を補給する(輸液)とともに、緊急手術を数時間以内に開始します。直ちに治療しないと、腸の組織が失われたり、乳児が死亡したりします。

無症状の人で回転異常が偶然発見された場合については、外科的な修復を選択する医師もいますが、これについては議論があります。

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