一般に乳児は1日に15~20回排尿します。尿の色は透明に近いものから、濃い黄色まで様々です。
一方、便はその頻度、色、粘度において、個々の乳児の性質と食事の内容によってかなり幅があります。乳児の排便回数は、1日おきから、1日に6~8回とかなり開きがあります。便の粘度は、硬いものから、軟らかくて流れやすいものまで様々です。色はからし色から暗褐色まであります。 母乳で育てられている乳児 母乳哺育 新生児にとって母乳は理想的な栄養源です。乳児には母乳と人工乳のどちらを与えてもよいですが、世界保健機関(WHO)と米国小児科学会(AAP)は、およそ6カ月間は授乳のみとし、それから固形食を開始する方針を推奨しています。ほかにも、授乳を続けながら生後4カ月から6カ月の間に 固形食を開始する方針を推奨している組織もあります。現在では、生後4カ月から6カ月の間に固形食を開始することが一部の食物アレルギーの発症予防につながる可能性を示唆した科学... さらに読む の便は、 人工乳で育てられている乳児 人工乳による授乳 病院では、一般に新生児には出生後すぐに授乳を行い、その後は、欲しがったときに授乳するのが理想的です。生後最初の1週間は、1回の授乳で約15~60ミリリットル飲みますが、その後は徐々に量が増えて、2週目までには1回に約90~120ミリリットルを、1日に6~8回飲むようになります。新生児には、毎回一定量を飲みきるよう無理強いせず、おなかがすいて欲しがったときに好きなだけ与えるようにします。成長するにしたがって乳児が飲む量は増え、3~4カ月頃... さらに読む のそれと比べると、軟らく色が明るい傾向があります。
おむつを頻繁に取り換えて、皮膚を乾いた状態に保たなくてはなりません。湿っている皮膚は、乾いている皮膚に比べてすりむけやすく、 おむつ皮膚炎 おむつ皮膚炎(おむつかぶれ) 発疹とは、皮膚の性状や色の異常な変化のことです。 発疹の原因としては、炎症、アレルギー、薬剤や、細菌、真菌、ウイルスの感染などがあります。 発疹としては、発赤、白色または黄色の鱗屑、真珠のような質感の丘疹、隆起、嚢腫などがみられます。 発疹はかゆみを伴うこともあれば、刺激感や痛みを伴うことも、無症状のこともあります。 発疹の治療には、刺激の少ない洗浄剤、保湿軟膏、抗菌薬やコルチコステロイドの軟膏、かゆみ止めなどが役に立ちます。 さらに読む が起こりやすくなります。吸収力に優れた新しいタイプの使い捨ておむつは、内部に液体を吸収するゲルの層があり濡れた部分が皮膚に触れないようになっているため、尿が少量から中程度の量の場合、このような使い捨ておむつの方が、布おむつよりも皮膚を乾いた状態に保つことができます。しかし、どのタイプのおむつでも、湿ったらすぐに取り換えるようにします。通常、便の中にいる細菌は、尿中の物質である尿素を分解してアルカリ性にします。これは皮膚を刺激するため、便が出ていないか頻繁にチェックし、便が出ていたらすぐにおむつを取り換える必要があります。
ベビーパウダーは、乳児が汗を少しかいた程度のときは皮膚を乾いた状態に保ってくれますが、尿や便に対しては皮膚を乾いた状態に保つ効果はありませんし、必ず使わなくてはならないものでもありません。タルカムパウダーは、乳児が吸い込んでしまうと肺に問題を引き起こすことがあるため、ベビーパウダーを買う場合はコーンスターチで作られたものにすべきです。