Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

honeypot link

胎向と胎位の異常

執筆者:

Julie S. Moldenhauer

, MD, Children's Hospital of Philadelphia

最終査読/改訂年月 2018年 6月
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
本ページのリソース

胎向とは、胎児が後ろ(母親の背中の方)を向いているか、前を向いているか(顔が上向きか)という胎児の向きのことです。

胎位とは、胎児の体のうち最初に産道を通る部分(先進部)を表します。通常、頭が先進しますが、ときに殿部や肩が下になることもあります。

最も一般的で安全な胎向と胎位の組合せは次のような状態です。

  • 頭が下になっている(頭位)

  • 胎児が後ろを向いている

  • 顔や体が右もしくは左に傾いている

  • 首を前に曲げている

  • 顎を引いている

  • 両腕が胸の前で組まれている

胎児がこのような胎向や胎位をとっていないと難産になりやすく、経腟分娩ができないことがあります。

胎向と胎位

妊娠の末期に胎児は分娩に備えて体の向きを変えます。正常な状態では、胎向は後ろ向き(母体の背中を向いた状態)で、顔と体が左右どちらかにやや傾き、首を前に曲げ、胎位は頭位(頭を下にした状態)になります。

胎向が前向きの場合や胎位が顔位、額位、骨盤位、肩甲位の場合は異常です。

胎向と胎位
胎向と胎位

胎位の異常

胎位異常にはいくつかのタイプがあります。

後方後頭位

後方後頭位(サニーサイドアップとも呼ばれる)は、胎児の頭が下にあるものの、前(母体のお腹側)を向いた状態です。これは最もよくみられる胎向または胎位の異常です。

骨盤位

胎児の殿部またはときに足が先に下降します。骨盤位は正期産の3~4%に生じます。2番目に多い胎位の異常です。

経腟分娩では、頭位と比べて骨盤位の場合、新生児が損傷を受けやすくなります。出生前、分娩中、出生後にこうした損傷が生じる可能性があり、死亡に至ることさえあります。陣痛や分娩前に骨盤位と分かった場合は、合併症の可能性が低くなります。

以下の状況において、骨盤位の可能性が高くなります。

陣痛が始まる前であれば、医師が母親の腹部を圧迫して胎位を頭位に直せることがあり、この処置は通常、妊娠37週以降に行います。しかし、陣痛開始時の胎児が骨盤位であると、問題が生じる可能性があります。

殿部よりも頭の方が大きいため、殿部の大きさにしか広がっていない産道は狭すぎて、頭(殿部より大きい)が通過できないことがあります。また、正常な分娩である頭位の分娩では頭が産道の形に合わせて変形しますが、頭が殿部の後に出てくる場合はこの変形がうまくいかないことがあります。したがって、胎児の体が出てきても、頭部だけ産道内に引っかかってしまうことがあります。頭部が引っかかると産道で臍帯が圧迫され、胎児に酸素がほとんど届けられなくなるおそれがあります。酸素欠乏による脳の損傷は、頭位で生まれた子どもよりも骨盤位で生まれた子どもに多くみられます。

初産婦では経産婦のように産道が広がっていないため、こうした問題が起こる頻度が高くなります。骨盤位の場合は胎児に障害や死亡が生じるおそれがあるため、医師が骨盤位の胎児の分娩において非常に多くの経験を積んでおり、技術をもっている場合を除き、帝王切開を行った方がよいでしょう。

その他の胎位

顔位は首が後ろに反っている状態であるため、顔が先進します。

額位は首がやや後ろに反った状態であるため、額が先進します。

胎児が顔位や額位のままでいることは多くありません。たいてい自然に胎位が直ります。胎児が自分で姿勢を直さない場合には、鉗子分娩、吸引分娩、あるいは帝王切開が行われることがあります。

横位では、胎児が産道に対して水平になっており、最初に肩が産道を下降します。娩出される胎児が双子の2番目である場合を除き、肩甲位では帝王切開を行います。2番目に娩出される双子が肩甲位の場合には、経腟分娩を行うために胎児の向きを変えることがあります。

肩甲難産

肩甲難産では胎児の片方の肩が母体の恥骨に引っかかり、胎児が産道で動けなくなります。

分娩時の胎位は正常(頭位)ですが、胎児の頭が出るときに片方の肩が母体の恥骨に引っかかった状態です。そのため、頭が引き戻されて強く腟口に押しつけられます。産道が胎児の胸部と臍帯を圧迫するため、胎児は呼吸できなくなります。その結果、胎児の血液中の酸素レベルが低下します。

肩甲難産はまれですが、以下のいずれかの状態がある場合に多くみられます。

プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
よく一緒に読まれているトピック
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS

おすすめコンテンツ

医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
医学事典MSDマニュアル モバイルアプリ版はこちら! ANDROID iOS
TOP