Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

honeypot link

スキーン腺嚢胞

執筆者:

Charlie Kilpatrick

, MD, MEd, Baylor College of Medicine

レビュー/改訂 2021年 3月
プロフェッショナル版を見る
本ページのリソース

スキーン腺に通じる管が詰まると、尿道口付近でスキーン腺嚢胞が発生します。

  • スキーン腺嚢胞は非常にまれです。

  • スキーン腺嚢胞の患者の多くでは、症状がまったくないか、軽度の刺激感しかありません。

  • 嚢胞が大きくなると、性交時やときに排尿時に痛みを感じることがあります。

  • 通常は内診の際に嚢胞を診断できますが、ときに診断を確定するために超音波検査または膀胱鏡検査を行います。

  • スキーン腺嚢胞が症状を引き起こしていれば、切除することが可能です。

  • 非常にまれですが、膿瘍ができた場合は抗菌薬で治療してから、嚢胞を切除するか、嚢胞に永久的な開口部を作ります。

スキーン腺は尿道周囲腺または傍尿道腺とも呼ばれ、尿道口付近にあります。スキーン腺の周囲の組織には、陰核の一部が含まれています。

スキーン腺嚢胞はまれです。スキーン腺に通じる管が詰まると嚢胞が発生しますが、通常は感染によるものです。主に成人に発症します。

スキーン腺嚢胞の症状

ほとんどのスキーン腺嚢胞は大きさ直径約1センチメートル未満で、症状はありません。嚢胞が大きくなると、性交時に痛みを引き起こすようになります。ときに嚢胞が排尿時の痛みを引き起こします。嚢胞が大きいと、尿道を通る尿の流れを遮ってしまうこともあります。こうした場合の初期症状には、なかなか尿が出ない、排尿が終わるときに尿がポタポタと滴る、尿が出なくなるなどがあります。尿路感染症が生じると、切迫した尿意が頻繁にみられたり、排尿時に痛みを感じたりすることがあります。

非常にまれに、スキーン腺嚢胞に感染が起こり、膿瘍ができることがあります。膿瘍ができると、腫れが生じ、圧痛と痛みを伴います。スキーン腺がある部分の皮膚は赤くなります。発熱はほとんどみられません。

スキーン腺嚢胞の診断

  • 内診

  • ときに超音波検査または膀胱鏡検査

嚢胞や膿瘍が大きくなって症状が現れるようになると、通常、 内診 内診 婦人科の診療では、性生活、避妊、妊娠、更年期に関する問題などのデリケートな事柄を扱うため、こうした内容について気兼ねなく相談できる専門家を選んでおくべきです。米国では、医師、助産師、ナースプラクティショナー、医師助手などが受診先となっています。 婦人科の評価には 婦人科の病歴聴取および婦人科の診察が含まれます。 婦人科の診察とは具体的には女性の生殖器系の診察を指します。乳房の診察も含まれます。内診は女性の状況や希望に応じて行われます。た... さらに読む の際にスキーン腺嚢胞に触れることができます。ただし、診断を確定するために、 超音波検査 超音波検査 医師は、 スクリーニング検査を勧めることがあります。スクリーニング検査とは、症状がない人に対して病気の有無を調べるために行われる検査です。女性に生殖器系に関連する症状(婦人科疾患の症状)がある場合、症状を引き起こしている病気を特定するための検査( 診断目的の検査)が必要になることがあります。 婦人科領域では以下の2つのスクリーニング検査が重要です。 子宮頸がん(子宮の下部のがん)の有無を調べるためのパパニコロウ検査などの細胞診またはヒト... さらに読む 超音波検査 膀胱鏡検査 膀胱鏡検査 膀胱および尿道の病気(例えば、 膀胱腫瘍、 膀胱結石、 前立腺肥大症)の中には、観察用の柔軟な管状の機器(膀胱鏡という内視鏡の一種)による観察で診断できるものもあります。膀胱鏡は鉛筆ほどの太さをした内視鏡で、実際に尿道と膀胱の内部に挿入されるのは15~30センチメートルほどの部分です。膀胱鏡の多くはライトと小さなカメラが内蔵されているファイバースコープで、それにより膀胱と尿道の内部を観察することができます。先端部に物をはさむための器具が... さらに読む (観察用の柔軟な管状の機器で膀胱を観察する検査)を行うこともあります。

スキーン腺嚢胞の治療

  • 嚢胞の切除

  • 膿瘍には抗菌薬を投与し、その後嚢胞を切除するか、永久的な開口部を作る

症状を引き起こしている嚢胞があれば、切除します(通常は診療所の外来または手術室で行います)。診療所の外来で切除を行う場合は、通常は局所麻酔を用います。

膿瘍ができている場合は、抗菌薬を経口で7~10日間投与し、その後に切除を行います。また、嚢胞を小さく切開して、切開創の縁を外陰部の表面に縫い合わせ(造袋術)、嚢胞内の液が排出できるようにすることもあります。

プロフェッショナル版を見る
プロフェッショナル版を見る
quiz link

医学知識 クイズにチャレンジ

Take a Quiz! 
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS
TOP