閉経 閉経 閉経とは、月経が永久に停止し、妊よう性がなくなることです。 閉経前後の数年間は、エストロゲン濃度が大きく変動して月経が不規則になり、ホットフラッシュ(ほてり)などの症状が起こります。 閉経後は骨密度が低下します。 女性に1年間月経がなければ閉経と診断されますが、確認するため血液検査を行うこともあります。... さらに読む が近づいてくると、女性生殖器に急速な変化がみられるようになります。(閉経は最後の月経から丸1年経過した状態と定義されます。) 月経周期 月経周期 月経(生理とも呼ばれます)は、子宮の内側を覆っている膜(子宮内膜)が剥がれ落ち、それに伴い出血が起きる現象です。月経は約1カ月の周期で起こり、妊娠中を除けば生殖可能な期間の全体を通してみられます。月経は 思春期に始まり(初潮または初経)、 閉経以降は生涯みられなくなります。(閉経は最後の月経周期から1年経過した状態と定義されます。) 定義として、月経周期は出血が始まった日を開始日として、この日を1日目と数えます。そして、次の月経が始まる... さらに読む が止まり、卵巣からのエストロゲンの分泌も止まります。
閉経後には、小陰唇(腟と尿道の開口部を囲んでいる組織)、陰核、腟、尿道の組織が薄くなります(萎縮)。これに伴い、腟の慢性的な刺激感、乾燥が生じることもあります。おりもの(帯下)が出たり尿路感染症が起こる可能性が高くなります。閉経後には子宮、卵管、卵巣も小さくなります。
年齢を重ねていくと、筋肉や結合組織の量が減少していきますが、膀胱、子宮、腟、直腸などの臓器を支えている筋肉、靱帯、その他の組織も減少します。その結果、支えられなくなった臓器が下垂することがあり(臓器脱 骨盤臓器脱(POP) 骨盤臓器脱では、靱帯、結合組織、および骨盤の筋肉が弛緩したり弱くなったりし、膀胱、尿道、小腸、直腸、子宮が腟内にはみ出します。 患者は腟から何かが下がってくるような、またはボールの上に座っているような圧迫感を覚えたり、骨盤内の充満感を覚えたり、排尿や排便に問題が起こったりする場合があります。... さらに読む )、ときに骨盤内の圧迫感または充満感を引き起こします。腟口から突き出た状態になることがあり、排尿困難または排尿や排便をコントロールできなくなる状態(失禁)になります。出産経験のある女性では、このような異常が起きる可能性が高くなりますが、どの女性にも起こる可能性があります。
乳管を刺激するエストロゲンの分泌量が減少するため、乳房は小さくなります。さらに、乳房を支えている結合組織も減少します。支えがなくなることは乳房の形が変化する一因となります。また、乳房の線維組織が脂肪に置き換わるため、乳房の張りが失われます。
加齢に伴う生殖器の変化によって閉経後の性行為や性的な快感が妨げられることはありません。しかしながら、閉経後の腟の乾燥は性行為中の痛みを引き起こすことがあり、性欲の低下を感じる女性もいます。