医師は、排卵に関与するホルモンの濃度を測定する血液検査や、卵胞(卵子が入っている液体で満たされた小さな袋)の数を調べるための卵巣の超音波検査を行います。
治療は女性の状況や年齢によって異なり、別の女性の卵子を使用することもあります (特に女性が42歳以上の場合)。
(不妊症の概要 不妊症の概要 不妊症とは通常、避妊をせずに定期的に性交をしていても1年以上妊娠できずにいる状態と定義されます。 避妊をせず頻回に性交を行えば、通常は以下の割合で妊娠します。 3カ月以内にカップルの50% 6カ月以内にカップルの75% 1年以内にカップルの90% さらに読む も参照のこと。)
卵子 卵巣にある卵子の数 の数と質(卵巣予備能)は、30歳またはさらに早くから低下し始めることがあります。40歳を過ぎると急速に低下します。しかし、年齢だけが卵子の数と質の低下の原因というわけではありません。卵巣の異常によっても、このような低下が起こります。
原発性卵巣機能不全(ときに 早発閉経 早発閉経 早発閉経とは、40歳前に月経の永久的な停止が起こることです。卵巣が卵子を定期的に放出(排卵)しなくなり、ホルモンを分泌する能力が衰えるために起こります。 妊娠できないこと以外に症状がない女性もいれば、自然に起こる閉経と同じ症状(ホットフラッシュや寝汗など)がみられる女性もいます。 血液検査で診断が確定でき、原因を特定するため他の検査を行います。 エストロゲン(一般に閉経が生じる平均年齢である51歳頃まで使用)を含む様々な対策によって、症... さらに読む または早発卵巣不全と呼ばれます)では、卵巣にある卵細胞の数が早くから少なくなります。原発性卵巣機能不全が月経不順または無月経の原因になっている女性が少数います。
卵子の問題の診断
特定のホルモンを測定する血液検査
超音波検査
以下のような女性に対しては、卵子に問題がないか評価する場合があります。
35歳以上の女性
卵巣の手術を受けたことのある女性
月経周期の特定の時期に卵胞刺激ホルモンとエストロゲンの血中濃度を測定することがあります。(卵胞刺激ホルモンは、排卵と呼ばれる卵子の放出を刺激します。)月経周期の早期の卵胞刺激ホルモンの濃度の上昇と、エストロゲン濃度の低下は、卵子の問題を示唆します。
卵子の問題を診断するのに最も信頼できるのは以下の検査です。
血液検査:卵胞(卵巣内にある液体で満たされた袋で卵子が入っている)から分泌される、抗ミュラー管ホルモンを測定する
抗ミュラー管ホルモンの測定値が低いことは、卵胞の数が少ないことを示唆します。卵胞の数が少ないと(超音波検査中に観察し、数を数えた結果)、体外受精での妊娠の可能性は低くなります。
しかし、検査結果が異常な場合でも、妊娠が可能な場合もあります。
卵子の問題の治療
女性の状況や年齢に基づいた治療
妊娠の可能性があるため、医師は個々の女性の状況と年齢により様々な治療法を提案します。治療には、クロミフェン、レトロゾール、ヒトゴナドトロピンなど 排卵の問題の治療 治療 女性において通常は 月経周期内に起こる卵巣からの排卵が毎月起こらない場合、不妊症である可能性があります。 排卵の問題は、排卵をコントロールしている脳の一部や内分泌腺の機能障害、あるいは卵巣の機能障害や多嚢胞性卵巣症候群によって起こります。 体温測定や排卵検査薬を用いることで、排卵の有無を調べ、排卵の時期を予測することができます。 超音波検査、血液検査、尿検査を行って排卵の問題を評価します。... さらに読む に使用されるものも含まれる場合があります。
女性が42歳以上の場合や、卵子の数または質が低下している場合には、可能であれば別の女性(ドナー)から卵子提供を受けることが、妊娠する唯一の方法となることもあります。