男性の性機能および性機能障害の概要

完全なレビュー: 2024年 9月 執筆者:Masaya Jimbo, MD, PhD, Thomas Jefferson University Hospital | 査読者Leonard G. Gomella, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University
最終更新日: 2025年 2月
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男性の場合、性機能障害とは、性交を行うことが困難な状態のことを意味します。性機能障害には、以下のものに影響する様々な障害が含まれます。

  • 性欲

  • 勃起するまたはそれを維持する能力(勃起障害またはインポテンツ)

  • 射精する能力

  • 陰茎の変形なしに勃起する能力

  • オルガズムに達する能力

性機能障害は身体的要因に起因することも心理的要因に起因することもあります。肉体的問題が精神的な問題(不安、恐れ、ストレスなど)を引き起こし、それが肉体的問題をさらに悪化させます。男性はときに、性行為を巧みに行わなければならないというプレッシャーを自分にかけたりパートナーから感じたりして、それがうまくいかない場合に悩むことがあります(パフォーマンス不安)。パフォーマンス不安は厄介になることがあり、また男性が性的関係を楽しめる可能性を低下させます。

射精障害は、男性の性機能障害の中で最も多くみられます。障害には以下のものがあります。

勃起障害は中年および高齢者によくみられます。性欲減退も一部の男性に生じることがあります。

  • パートナーに対する怒り

  • 不安

  • うつ病

  • パートナーとの不和、けん怠期

  • 妊娠、他者への依存、自制心の喪失などに対する恐れ

  • 性行為またはパートナーからの孤立感

  • 罪悪感

  • 性行動に対する抑圧、無知

  • 性的能力不安(性交中の能力に対する不安)

  • 過去の性体験によるトラウマ(レイプ、近親相姦、性的虐待、過去の性的不能など)

正常な性機能

正常な性機能は、心(思考、記憶、感情)と体の両方が関与する複雑な反応です。神経系、循環系、内分泌系(ホルモン系)のすべてが心と相互作用することで、性的反応が起こります。神経系全体の繊細でバランスの取れた相互作用が、男性の性的反応をコントロールします。

性欲(性衝動、性的欲求)は、性行為をしたいという願望です。性欲は思考、言葉、視覚、におい、触感により誘発されます。性欲は、性的反応サイクルの第1段階である興奮に進みます。

興奮(性的興奮)が続いて起こります。興奮が起こっている間、脳からの神経シグナルが脊髄を下って陰茎に伝わります。勃起組織(陰茎海綿体と尿道海綿体)に血液を送る動脈がそれに反応して広がります(弛緩と拡張)。動脈が広がるとこれらの組織への血流量が劇的に増加して、海綿体は充血、膨張します。この膨張によって、正常時に陰茎から血液を排出する静脈を圧迫する圧力がかかり、血液の流出を遅くして陰茎内の血圧を上昇させます。上昇した陰茎の圧力により硬直と勃起が起こります。また、全身の筋肉が緊張します。

プラトー期(持続段階)では、興奮と筋肉の緊張が強くなります。

オルガズムは性的興奮のピークまたは頂点です。オルガズムでは、全身の筋肉の緊張がさらに高まって骨盤筋が収縮し、それに射精が続きます。

射精は、神経によって男性生殖器(精嚢、前立腺、精巣上体管、精管)の筋肉の収縮が刺激されると起こります。この収縮により精液が尿道に押し出されます。尿道周辺の筋肉が収縮すると、精液はさらに先へ送られて陰茎外に放出されます。その際、膀胱の頸部も収縮し、精液が膀胱内に逆流するのを防ぎます。

男性生殖器だんせいせいしょくき

射精とオルガズムはほぼ同時に起こりますが、この2つは別の現象です。まれに、オルガズムに達しないで射精することがあります。オルガズムはさらに、射精を伴わずに起こったり(特に思春期前の男性)、抗うつ薬など特定の薬の副作用として起こったり、結腸や前立腺の切除などの手術後に起こることがあります。オルガズムは、正常な場合は強い快感を伴います。

消退期には、体は興奮していない状態に戻ります。射精またはオルガズムが起こると、陰茎の動脈が収縮し、陰茎海綿体と尿道海綿体の平滑筋も収縮し、血液の流入量が減って流出量が増え、陰茎は柔らかくなります(萎縮)。オルガズムに達した後はしばらく勃起できず(不応期)、この時間は若い男性では多くの場合20分以下ですが、年齢が上がるほど長くなります。再び勃起できるようになるまでの間隔は、加齢とともに長くなるのが普通です。

性行為と心臓病

性行為は、中程度から激しい強度の運動に比べれば体への負担は少ないので、心臓病の男性でも、たいていは安全に性行為を行うことができます。性行為中は安静時よりは心臓発作のリスクが高くなりますが、そのリスクもかなり低いものです。

とはいえ、心臓や心血管系の病気(狭心症、高血圧、心不全、不整脈、大動脈弁狭窄症など)がある性的に活発な男性は、医師に相談する必要があります。通常、病気が軽度の人で症状がほとんどなく、血圧も正常なら、性行為は安全です。病気が中等度の場合、または心臓発作の可能性を高める他の要因がある場合は、性行為がどの程度安全かを調べる検査が必要になることがあります。病気が重度の場合、または左心室から出ていく血流が阻害される心拡大(閉塞性心筋症)がある場合は、治療を受けて症状が軽くなるまでは性行為を控えるべきです。

心臓発作を起こした後どれほど早い時期に性行為を再開すればよいかを医師に尋ねるべきです。米国心臓協会は、軽度から中程度の身体活動で胸痛も息切れも起こらなければ、心臓発作を起こした後早くて1週間で性行為を再開してよいとアドバイスしています。

ニトログリセリンを服用している男性は、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルを使用すると危険であるため、これらの薬を使用してはいけません。

性行為の安全性を調べるのに最もよく行われている検査は、トレッドミルで運動中の心臓の状態をモニタリングし、血流不足の徴候を調べる方法です。運動中の血流量が十分ならば、性行為中に心臓発作を起こす可能性はきわめて低いと考えられます。

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