アレルギーや喘息がある人では、鼻茸が比較的よくみられます。
鼻茸による症状には鼻づまりなどがあります。
診断は通常、鼻茸の特徴的な外観に基づいて下されます。
鼻茸はコルチコステロイドにより小さくしたりなくしたりできますが、ときには手術による切除が必要な場合もあります。
鼻茸はよくみられ、涙のしずくのような形の増殖性病変で、副鼻腔の開口部付近にできます。成熟した鼻茸は、皮をむいた種なしブドウに似ています。大腸や膀胱のポリープと異なり、鼻茸は腫瘍ではなく、がんのリスクが高まることはありません。鼻茸は炎症を反映しているに過ぎませんが、患者の家族に鼻茸の病歴があることもあります。
鼻茸は、鼻または副鼻腔の感染症に伴って生じることがあり、感染が治まれば消失する場合と、徐々にできていき消えない場合があります。鼻内に異物が存在する場合も鼻茸が生じることがあります。アスピリンや他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAID 非ステロイド系抗炎症薬 基礎疾患を治療することで、痛みを解消したり最小限に抑えたりできるケースがあります。例えば、骨折をギプスで固定することや、感染を起こした関節に抗菌薬を投与することは、鎮痛に役立ちます。しかし、痛みの基礎疾患が治療可能な場合でも、痛みに速やかに対処するために痛み止め(鎮痛薬)が必要になる場合もあります。 ( 痛みの概要も参照のこと。) 医師が鎮痛薬を選択する際、痛みのタイプと持続期間、それぞれの鎮痛薬の便益とリスクを考慮します。ほとんどの鎮... さらに読む )に対してアレルギーがある人の一部では、喘息、慢性の鼻と副鼻腔の詰まり、鼻茸が組み合わさって現れることがあります。鼻茸とアレルギーや気道の他の症状にどの程度関連があるかは、明らかではありません。副鼻腔からの分泌物の排出が鼻茸により妨げられると、副鼻腔に感染が起こることがあります。まれですが、リノスポリジウム症(出血性の鼻茸を特徴とする鼻の感染症)が発生し、これによって 慢性鼻炎 慢性鼻炎 鼻炎は鼻の粘膜が炎症を起こして腫れた状態で、鼻水と鼻づまりを特徴とし、通常は かぜ(感冒)または 季節性アレルギーが原因で起こります。 鼻炎の最も多い原因はかぜとアレルギーです。 症状は、鼻水、くしゃみ、鼻づまりなどです。 一般的に、診断は症状に基づいて下されます。 鼻炎には様々なタイプがあるため、治療法も様々で、例えば抗菌薬、抗ヒスタミン薬、手術、脱感作療法の注射、刺激物を避けることなどがあります。 さらに読む が起こることがあります。
症状
多くの人は鼻茸に気づきませんが、以下の事象がみられることがあります。
くしゃみ
鼻づまり
閉塞
鼻水がのどに回る(後鼻漏)
顔面の痛み
鼻からの過剰な分泌物
嗅覚の消失(嗅覚脱失)
嗅覚の減退(嗅覚低下)
眼の周囲のかゆみ
副鼻腔の慢性感染症
診断
医師による評価
ときに生検
診断は通常、鼻茸の特徴的な外観に基づいて下されます。
がんでないことを確認するために、鼻茸の生検を行うこともあります。
治療
コルチコステロイド
ときに手術
鼻茸は、コルチコステロイドの鼻腔スプレーか錠剤により、小さくなったり消失したりします。鼻茸によって気道がふさがれていたり、副鼻腔に感染が頻発したりする場合は、手術による切除が必要です。
原因となる刺激を避けられない場合や、アレルギーや感染を抑えられない場合には、鼻茸は再度増殖する傾向があります。コルチコステロイドのエアロゾルスプレーは、再発を遅らせることがあります。問題が長引くまたは繰り返す患者は、評価と治療のために、定期的に鼻の内視鏡検査(硬いまたは柔軟な観察用の細い管状の機器で鼻腔内を観察する検査)を受けなければならないことがあります。繰り返す鼻茸による重度の症状がある場合は、副鼻腔の一部を切除または矯正しなければならないことがあります。ほとんどの術式は、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を用いて行われます。
鼻茸によって副鼻腔炎が繰り返し起こる場合は、モノクローナル抗体(生きた細胞から実験室で産生される抗体)であるデュピルマブで、これを軽減できます。デュピルマブは、鼻茸を小さくすることで治療に役に立つ可能性があります。