鼻前庭炎
鼻の開口部に軽い感染(鼻前庭炎)が起こると、鼻毛の根元に吹き出物ができたり(毛包炎)、ときに鼻孔の周辺にかさぶたができたりすることがあります。多くの場合、ブドウ球菌属 Staphylococcusの細菌が原因です。感染は鼻ほじりや鼻のかみすぎで起こることがあり、煩わしいかさぶたができ、そのかさぶたが剥がれると出血します。
鼻前庭炎は通常、バシトラシンやムピロシンの軟膏で治癒します。軟膏は何週間も使わなければならない場合があります。
鼻せつ
感染症が重篤化すると、鼻の前庭部におでき(鼻せつ)ができます。鼻せつが進行すると、鼻の先端の皮下組織に感染が広がることがあります(蜂窩織炎)。顔面のこの部分の静脈は脳へとつながっているため、医師はこの部分の感染を警戒します。これらの静脈を通って細菌が脳に広がると、 海綿静脈洞血栓症 海綿静脈洞血栓症 海綿静脈洞血栓症は、血液のかたまり(血栓)で海綿静脈洞(頭蓋骨底部にある太い静脈)が閉塞されてしまう非常にまれな病気です。 海綿静脈洞血栓症は通常、顔と眼窩(鼻の皮膚を含む)、眼窩、または副鼻腔の感染症から細菌が広がることにより起こります。 症状には、頭痛、顔面の痛み、視覚障害、突然現れる眼球の突出、高熱などがあります。 診断は、症状とMRI(磁気共鳴画像)検査またはCT(コンピュータ断層撮影)検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む という生命を脅かす病気が起こることがあります。
鼻せつの患者は通常、抗菌薬を内服し、ムピロシン軟膏を塗って患部を蒸しタオルで温めることを1日3回、約15~20分ずつ行います。おできが大きい場合や抗菌薬による治療に反応しない場合は、手術で中身を出さなければならないこともあります。