爪の腫瘍

執筆者:Chris G. Adigun, MD, Dermatology & Laser Center of Chapel Hill
レビュー/改訂 2021年 12月
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    良性および悪性の腫瘍が爪に影響を及ぼして、爪の質感や色の変化(異栄養症)を引き起こすことがあります。それらの多くは、爪ではなく爪周囲の組織に発生する腫瘍です。

    良性腫瘍としては、粘液様嚢胞(液体で満たされた袋状の良性病変)、化膿性肉芽腫、グロムス腫瘍などがあります。

    悪性腫瘍としては、ボーエン病(早期の皮膚がん)、有棘細胞がん悪性黒色腫などがあります。がんが疑われる場合は、生検を行い、腫瘍をできるだけ早期に完全に切除することが推奨されます。

    爪に現れた黒っぽい線は、爪の悪性黒色腫の最初の徴候である可能性があります。爪が作られている組織(爪母といいます)の色素細胞が悪性化して、黒色腫に変化することがあります。注意すべき徴候としてハッチンソン徴候があります。ハッチンソン徴候とは、黒色、褐色、または灰色に変色した領域が爪上皮や爪郭(爪と皮膚が隣り合う爪甲の両脇にある堅い皮膚のひだ)など爪周囲の部位まで伸びている状態です。この徴候は、爪床(爪甲の下にあって爪を指に接着している軟部組織)に黒色腫があることを意味している場合があります。この徴候がみられる場合は、爪床の異常を調べるために生検を行います。ハッチンソン徴候を伴わずに黒色腫が発生する場合もあります。

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