ダプトマイシンという 抗菌薬 抗菌薬の概要 抗菌薬は 細菌感染症の治療で使用される薬です。ウイルス感染症や他のほとんどの感染症には効果がありません。抗菌薬は細菌を殺すか、その増殖を止めることによって、人体に 自然に備わっている防御機構が微生物を排除するのを助けます。 医師は抗菌薬を特定の細菌感染症に対して使用しようとしますが、ときには... さらに読む は、 グラム陽性細菌 グラム陽性細菌の概要 グラム陽性細菌という分類は、グラム染色と呼ばれる化学的処理の適用後に細菌が何色に染色されるに基づくものです。グラム陽性細菌はこの手法により青く染まります。赤色に染まる細菌は、グラム陰性細菌といいます。グラム陽性細菌とグラム陰性細菌は、その細胞壁の違いから異なる色で染色されます。それらの菌の種類によって、引き起こされる感染症の種類が異なり、... さらに読む によるものなど、多くの重篤な細菌感染症(他の多くの抗菌薬に耐性をもつものも含みます)の治療に使用されます。
ダプトマイシンは、細菌の細胞膜を阻害することによって作用し、迅速に細菌を死滅させます。
ダプトマイシン
一般的な用途 | 起こりうる主な副作用 | 備考 |
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合併症を起こした皮膚感染症、血流感染症、特定の心臓弁の感染症(心内膜炎 感染性心内膜炎 感染性心内膜炎は、心臓の内側を覆っている組織(心内膜)に生じる感染症で、通常は心臓弁にも感染が及びます。 感染性心内膜炎は、血流に入った細菌が損傷のある心臓弁に到達して、そこに付着することで発生します。 急性細菌性心内膜炎では通常、高熱、頻脈(心拍数の上昇)、疲労、そして広範囲にわたる急激な心臓弁の損傷が突然もたらされます。... さらに読む )で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(MRSA メチシリン耐性黄色ブドウ球菌( Staphylococcus aureus )(MRSA) 黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は多くの一般的なブドウ球菌の中で最も危険とされています。この グラム陽性の球状細菌(球菌)(図「 細菌の形状」を参照)は、しばしば皮膚感染症を引き起こしますが、肺炎、心臓弁の感染症、骨の感染症を引き起こすこともあります。 これらの細菌は、感染者と直接接触したり、汚染された物を使用したり、くしゃみやせきによって飛び散った飛沫を吸引することで感染します。... さらに読む )、バンコマイシン耐性腸球菌などの感受性がある細菌によるもの | 肺での白血球数の増加(好酸球性肺炎 好酸球性肺炎 好酸球性肺炎は、肺の中に多数の好酸球(白血球の一種)が認められる肺疾患の総称で、通常は血液中にも好酸球が現れます。 肺への好酸球の集積は、特定の病気、薬物、化学物質、真菌、寄生虫などが原因で起こります。 せき、喘鳴、息切れなどの症状がみられ、一部の患者は呼吸不全になる場合もあります。 病気の発見と原因の特定のため、X線検査と臨床検査が行われますが、寄生虫が原因として疑われる場合は、これらの検査が特に有用です。... さらに読む ) 胃腸障害 筋肉痛と脱力 | ダプトマイシンはサーファクタント(正常な肺で生産される物質)によって不活化されるため、感染が肺で起きている場合には使用されない |
(抗菌薬の概要 抗菌薬の概要 抗菌薬は 細菌感染症の治療で使用される薬です。ウイルス感染症や他のほとんどの感染症には効果がありません。抗菌薬は細菌を殺すか、その増殖を止めることによって、人体に 自然に備わっている防御機構が微生物を排除するのを助けます。 医師は抗菌薬を特定の細菌感染症に対して使用しようとしますが、ときには... さらに読む も参照のこと。)
妊娠中や授乳期間中のダプトマイシンの使用
妊娠中にダプトマイシンを使用するのは、治療による効果がリスクを上回る場合だけに限定するべきです。(妊娠中の薬の使用 妊娠中の薬の使用 妊婦の50%以上が、妊娠中に処方薬や市販薬(処方なしで購入できる薬剤)を服用したり、社会的薬物(タバコやアルコール)または違法薬物を使用しており、妊娠中の薬の使用は増えてきています。一般に、薬の多くは胎児に害を及ぼす可能性があるため、妊娠中は、必要な場合を除いて、薬剤を使用すべきではありません。病気や症状の治療に使用された薬剤が原因で発生... さらに読む も参照のこと。)