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かぜ(感冒)

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

最終査読/改訂年月 2021年 3月
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本ページのリソース
  • 様々なウイルスがかぜの原因となります。

  • 通常、かぜは感染者の鼻の分泌物に手が触れることでうつります。

  • 初期にのどのいがらっぽさや痛み、または鼻の不快感が生じることが多く、続いてくしゃみや鼻水、せき、全身のだるさが生じます。

  • 診断は症状に基づいて下されます。

  • かぜを予防する一番よい方法は、よく手洗いをするなどのしっかりした衛生管理を行うことです。

  • 安静、鼻閉改善薬、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID[イブプロフェンなど])によって症状を和らげることができます。

かぜは最もよくみられる病気の1つです。様々な種類のウイルス(ライノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、ヒトメタニューモウイルス)がかぜの原因となりますが、ほとんどのかぜはライノウイルス(ライノウイルスには100以上の亜型があります)によるものです。ライノウイルスによるかぜは春と秋に多くみられます。その他のウイルスは、これら以外の季節にかぜに似た病気を引き起こします。

かぜは、主に感染者の鼻の分泌物に手が触れることでうつります。この分泌物には、かぜの原因となるウイルスが含まれています。分泌物が付着した手で、口、鼻、眼などを触ると、ウイルスが体内に侵入して、かぜを引き起こします。それほど多くはありませんが、感染者のせきやくしゃみで飛散した飛沫を吸い込むことでかぜがうつる場合もあります。かぜの感染力が最も強いのは、症状が出てから最初の1~2日間です。

以下の要因によって、かぜを引きやすくなることはありません。

  • 体が冷える

  • 健康状態や食生活

  • 鼻またはのどの異常(扁桃やアデノイドの肥大など)

知っていますか?

  • 体が冷えたからといって、かぜをひいたり、ひきやすくなったりすることはありません。

症状

かぜの症状は感染後1~3日で現れます。最初に現れる症状は多くの場合、のどのいがらっぽさや痛み、または鼻の不快感です。その後くしゃみが出始め、鼻水が出て、少し体調が悪いと感じます。発熱がみられることはあまりありませんが、かぜのひき始めに軽度の発熱がみられることもあります。鼻からの分泌物は初めのうちは透明で水っぽく、煩わしいほどたくさん出ることもありますが、やがて粘液状になって、黄緑色に濁り、出る量も減ってきます。軽いせきもよくみられます。症状は通常4~10日で治まりますが、せきは2週目に入っても続くことがよくあります。

合併症が起こると、病気が長引く場合があります。喘息 喘息 喘息は、気道が何らかの刺激に反応して狭くなる(通常は可逆性)病態です。 症状としては、特定の誘因に反応して生じる、せき、喘鳴(ぜんめい)、息切れなどが最もよくみられます。 医師は、呼吸の検査(肺機能検査)を行って喘息の診断を確定します。 喘息発作を防ぐためには、誘因となる物質を吸い込まないようにするとともに、気道の開口を保つ薬を服用する必... さらに読む 喘息 患者の場合、ライノウイルス感染でしばしば喘息発作が誘発されます。また、細菌感染症が中耳(中耳炎 急性中耳炎 急性中耳炎は、ウイルスや細菌の感染により中耳が炎症を起こした状態です。 急性中耳炎は、かぜやアレルギーの患者によく起こります。 感染した耳には痛みが出ます。 医師は、鼓膜を診察して診断を下します。 通常行われる特定の小児予防接種によって、急性中耳炎のリスクを低減することができます。 さらに読む 急性中耳炎 )や副鼻腔(副鼻腔炎 副鼻腔炎 副鼻腔炎は副鼻腔の炎症で、多くはウイルスや細菌の感染またはアレルギーが原因です。 最もよくみられる症状は痛み、圧痛、鼻づまり、頭痛などです。 診断は症状に基づいて下されますが、ときにCT検査などの画像検査が必要になることもあります。 原因となっている細菌感染症は抗菌薬で根治させることができます。 副鼻腔炎は最も多い病気の1つです。副鼻腔炎は、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとうどう)、蝶形骨洞(ちょうけいこつ... さらに読む )に起こることもあります。これらの部位の感染症は、正常な場合であれば排出される分泌物が、鼻が詰まることでせき止められ、たまった分泌物の中で細菌が増殖するために発生します。

知っていますか?

  • かぜの治療に抗菌薬は効きません。

診断

  • 医師による評価

通常、かぜは典型的な症状から診断できます。高熱、重度の頭痛、発疹、呼吸困難、胸痛などがみられる場合は、その感染症が単なるかぜではないことが示唆されます。

通常、かぜの診断に臨床検査は不要ですが、合併症が疑われる場合は、血液検査やX線検査を行うことがあります。

予防

かぜを引き起こすウイルスには多くの種類があり、さらにそれぞれが時が経つにつれ少しずつ変化するため、いまだに効果的なワクチンは開発されていません。

最善の予防策は、衛生管理をしっかり行うことです。かぜの原因ウイルスの多くは感染者の分泌物に触れることで広がるため、以下の対策が予防の助けになります。

  • かぜの症状が出ている人とその家族、職場の同僚などは、頻繁に手を洗うようにします。

  • くしゃみやせきをするときはティッシュで口を覆い、済んだらきちんと捨てます。

  • 症状がある人は、できれば他の人とは別の部屋で寝るようにします。

  • せきやくしゃみが出る場合は、他の人にうつさないよう、学校や仕事を休むことも必要です。

  • 共同で使っているものや室内の手で触れる部分を消毒薬で清掃することも、かぜのウイルスの感染拡大を抑える助けになります。

エキナセアやビタミンCを大量に摂取することや(1日2000ミリグラムまで)柑橘類を食べることでは、かぜを予防できません。

治療

  • 他の人にうつさないよう、自宅で安静にする

  • たくさんの果物を食べ、蒸気を吸い込む

  • 必要な場合は、症状を和らげるために市販薬を使用する

かぜをひいたら暖かく快適な状態を保ち、安静にします。外出を控え、他の人にかぜをうつさないようにします。水分をとったり、加湿器による蒸気や霧を吸入したりすれば、分泌物がゆるくなって排出しやすくなると長い間考えられてきましたが、この方法はおそらくほとんど役に立ちません。

現在利用可能な抗ウイルス薬はかぜには効きません。抗菌薬は、鼻水やせきで色の付いた濃い粘液が出ていても、かぜには効きません。

エキナセア エキナセア エキナセアは多年生ハーブで、エキナコシドをはじめとするいくつかの活性物質を含有しています。エキナセアの様々な部分が薬用として用いられています。 (薬用ハーブと機能性食品の概要も参照のこと。) エキナセアは、かぜなどの上気道ウイルス感染症の予防や治療を目的として使用される場合がほとんどです。エキナセアをクリームや軟膏として塗布し、皮膚病や傷口の治癒の促進に用いる場合もあります。... さらに読む 亜鉛製剤 亜鉛 ミネラルの一種である亜鉛は、多くの代謝過程でごく少量だけ必要とされます。食物では、カキ、牛肉、栄養強化シリアルなどに含まれています。 (薬用ハーブと機能性食品の概要も参照のこと。) 亜鉛はしばしば、かぜの症状の持続期間を短縮するためにトローチ剤として摂取されます。科学的研究では一貫性のある結果が得られていませんが、亜鉛が有効だとしてもその効果はわずかで、かぜの症状が現れた直後に摂取した場合に限られます。... さらに読む ビタミンC ビタミンC ビタミンC(アスコルビン酸)は、骨や皮膚、結合組織(腱、靱帯、血管など、異なる組織や臓器をつなぐ組織)の形成、成長、修復に必要不可欠です。また、血管の正常な機能にも必要不可欠です。ビタミンCは歯と歯ぐきの健康維持に役立ちます。赤血球の形成に必要な鉄の吸収を助けます。またビタミンCは熱傷や傷の治癒を助けます。 (ビタミンの概要も参照のこと。) 柑橘類、トマト、ジャガイモ、ブロッコリー、イチゴ、ピーマンなどには、ビタミンCが豊富に含まれてい... さらに読む は、かぜに対する治療効果が示唆されてきました。小規模な研究では有効と無効、どちらの結果も出ていますが、しっかりと計画された大規模な臨床研究で有効性が証明されたことはありません。確かにいくつかの研究では有益な効果が示されましたが、その効果はわずかなものでした。例えば、亜鉛でかぜの症状が続く期間が短縮しましたが、短くなるのは1日未満でした。このため、ほとんどの専門家はこのようなサプリメントを治療薬として推奨していません。

いくつかの非処方薬(市販薬)は、かぜの症状を緩和するものとしてよく用いられています。しかし、そのような薬によってかぜが治るわけではなく、かぜは試した治療に関係なく通常は1週間ほどで自然に治るため、薬を使用するかどうかは、本人がどれくらいつらく感じているかで決めればよいと医師は考えます。使用される薬には、以下のようにいくつかの種類があります。

  • 鼻閉改善薬。鼻の通りをよくするのに役立ちます。

  • 抗ヒスタミン薬。鼻水を抑えるのに役立つ場合があります。

  • 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)またはアセトアミノフェン。うずきや痛みを緩和し、発熱を抑えます。

  • せき止めシロップ。粘液を薄めたんをゆるくすることでせきを出しやすくしたり(去たん薬)、せき自体を抑えたりします(せき止め薬)。

これらの薬は混合薬として市販されていることがほとんどですが、個別に入手することもできます。

鼻閉改善薬の吸入剤は、口から飲むものより鼻づまりの軽減に役立ちます。ただし、吸入剤を3~5日以上使用した後に使用を中止すると、鼻づまりが元よりも悪くなる場合があります。処方薬でのみ利用できる鼻腔スプレーであるイプラトロピウムは、鼻水を抑えるのを助けます。

クロルフェニラミンなどの旧世代の抗ヒスタミン薬は眠気を引き起こすことがあります。ロラタジンなどの新世代の抗ヒスタミン薬は、眠気はそれほど生じませんが、かぜの治療には効きません。

鼻閉改善薬と抗ヒスタミン薬は4歳未満の小児には投与すべきではありません。

せき止め薬については、ウイルス感染症の発症中はせきが気道から分泌物や異物を効果的に除去する仕組みとして働きますので、通常は推奨されません。ただし、ひどいせきで睡眠が妨げられたり不快感が強く出たりする場合は、せき止め薬を使用してもよいでしょう。

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