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肺炎球菌ワクチン

執筆者:

Margot L. Savoy

, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University

レビュー/改訂 2023年 1月
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肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌 Streptococcus pneumoniae(肺炎双球菌)によって引き起こされる細菌感染症の予防に役立ちます。 肺炎球菌感染症 肺炎球菌感染症 肺炎球菌感染症は、肺炎レンサ球菌(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌)という グラム陽性の球状細菌(球菌)(図「 細菌の形状」を参照)によって引き起こされます。この細菌は一般的に、肺炎、髄膜炎、副鼻腔炎、中耳に感染症を引き起こします。 肺炎球菌は、感染者がせきやくしゃみをすると空気中に撒き散らされます。 肺炎球菌感染症により、通常は発熱と全身のけん怠感や、感染部位に応じた他の症状が現れます。... さらに読む としては、 耳の感染症 急性中耳炎 急性中耳炎は、ウイルスや細菌の感染により中耳が炎症を起こした状態です。 急性中耳炎は、かぜやアレルギーの患者によく起こります。 感染した耳には痛みが出ます。 医師は鼓膜を診察して診断を下します。 特定の小児定期予防接種によって、急性中耳炎のリスクを低減することができます。 さらに読む 急性中耳炎 副鼻腔炎 副鼻腔炎 副鼻腔炎は、副鼻腔に炎症が起きた状態で、その大半はウイルスまたは細菌の感染かアレルギーによって引き起こされます。 最もよくみられる症状は痛み、圧痛、鼻づまり、頭痛などです。 診断は症状に基づいて下されますが、ときにCT検査などの画像検査が必要になることもあります。 原因となっている細菌感染症は抗菌薬で根治させることができます。 副鼻腔炎は最も多い病気の1つです。副鼻腔炎は、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、前頭洞(ぜんとう... さらに読む 肺炎 肺炎の概要 肺炎は、肺にある小さな空気の袋(肺胞)やその周辺組織に起きる感染症です。 肺炎は、世界で最も一般的な死因の1つです。 重篤な慢性の病気がほかにある患者において、肺炎はしばしば最終的な死因となります。 肺炎の種類によっては、ワクチンの接種によって予防できます。 米国では、毎年約400~500万人が肺炎を発症し(... さらに読む 肺炎の概要 血流感染症 菌血症 菌血症とは、血流の中に細菌が存在する状態のことです。 菌血症は、日常的な行為(激しい歯磨きなど)、歯科的または医学的処置、もしくは感染症( 肺炎や 尿路感染症)が原因で起きることがあります。 人工関節や人工心臓弁を使用している人や心臓弁に異常がある人では、菌血症が長引くリスクや菌血症で症状が生じるリスクが高まります。 菌血症では通常、症状はみられませんが、ときに特定の組織や臓器の中で細菌が増殖して、重篤な感染症を引き起こすことがあります... さらに読む 髄膜炎 急性細菌性髄膜炎 急性細菌性髄膜炎とは、急速に進行する髄膜(脳と脊髄を覆う組織層)とくも膜下腔(髄膜と髄膜の間の空間)の炎症のうち、細菌が原因であるものをいいます。 年長の小児や成人では、あごを胸につけるのが難しくなる症状(項部硬直といいます)が現れ、また通常は発熱や頭痛もみられます。 乳児では、項部硬直がみられないことがあり、体調が悪そうに見えたり、体温が高くまたは低くなったり、哺乳が少なくなったり、眠そうにむずかったりするだけのことがあります。... さらに読む などがあります。

詳細については、CDCによる肺炎球菌結合型(PCV13)ワクチン説明書(Pneumococcal Conjugate (PCV13) vaccine information statement)とCDCによる肺炎球菌多糖体ワクチン説明書(Pneumococcal Polysaccharide vaccine information statement)を参照してください。

肺炎球菌には90を超える種類があります。ワクチンは、重篤な病気を引き起こす可能性が非常に高い種類の多くを対象としています。肺炎球菌ワクチンには2種類があります:結合型ワクチンと多糖体ワクチンです。

  • 結合型ワクチンのPCV13は、13種類の肺炎球菌に効果があります。

  • 結合型ワクチンのPCV15は、15種類の肺炎球菌に効果があります。

  • 結合型ワクチンのPCV20は、20種類の肺炎球菌に効果があります。

  • 多糖体ワクチンのPPSV23は、23種類の肺炎球菌に効果があります。

肺炎球菌ワクチンの接種

肺炎球菌ワクチンはすべて、筋肉内に注射します。推奨や接種するワクチンは、その人の年齢やその他の要因によって異なります。

以下のいずれかに該当する19〜64歳の人は、肺炎球菌ワクチンの接種を受けるべきです。

対象者が一時的に病気にかかっている場合、ワクチンの接種はその病気が治まるまで待つのが通常です(CDC:ワクチン接種を受けるべきでない人[CDC: Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?]も参照)。

肺炎球菌ワクチンの副反応

注射部位に痛みが生じ、赤くなることがあります。他の副反応としては、発熱、易刺激性、眠気、食欲減退、嘔吐などがあります。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いませんのでご了承ください。

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