血液凝固障害の概要

執筆者:Joel L. Moake, MD, Baylor College of Medicine
レビュー/改訂 2021年 9月
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血液凝固障害は、血栓の形成を制御する身体機能の障害です。これらの機能障害は、以下を引き起こす可能性があります。

  • 血液の凝固が不十分な場合は、異常出血(出血)が生じる

  • 血液の凝固が過剰な場合は、血栓(血栓症)が発生する

異常な出血とは、あざや出血が起こりやすい状態を意味します(あざと出血および血栓についても参照)。異常な出血の原因には以下のものがあります。

血液凝固障害は、血液の凝固を助け、出血を止めるために必要なタンパク質を十分に作ることができない場合に生じます。このようなタンパク質は凝固因子と呼ばれています。凝固因子はすべて肝臓でつくられます。肝臓はいくつかの凝固因子をつくるためにビタミンKを必要とします。

ときに、血液凝固の異常により血栓のリスクが高まることがあります(凝固亢進状態または血栓形成傾向)。

血液凝固障害には以下のものがあります。

  • 遺伝性のもの

  • ほかの病気によるもの

最も一般的な遺伝性の血液凝固障害は、以下のものです。

他の病気の結果として発生する血液凝固障害の主な原因は以下の通りです。

血液凝固の検査

出血を止める身体の機能に影響を及ぼす一般的な検査指標の1つが血小板の数です。頻度は低いものの、血小板の機能を検査で調べる場合もあります。また他の検査で、正常な血液凝固に必要な様々なタンパク質(凝固因子)の協調的な機能全般を調べることができます。これらの検査で最もよく行われるのは、プロトロンビン時間(PT)と部分トロンボプラスチン時間(PTT)の検査です。個々の凝固因子の血中濃度を測定することもあります。

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