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まれな遺伝性の血液凝固障害

執筆者:

Joel L. Moake

, MD, Baylor College of Medicine

レビュー/改訂 2021年 9月
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血友病 血友病 血友病は、第VIII因子と第IX因子という2つの血液凝固因子のうち、いずれかが欠乏しているために起こる遺伝性の出血性疾患です。 異なった遺伝子異常がいくつかあると、この病気を発症することがあります。 不意に出血したり、わずかな傷で出血したりする可能性があります。 診断には血液検査が必要です。 輸血を行って、欠けている凝固因子を補充します。 さらに読む は、最も一般的な遺伝性の血液凝固障害です(血液凝固障害の概要 血液凝固障害の概要 血液凝固障害は、血栓の形成を制御する身体機能の障害です。これらの機能障害は、以下を引き起こす可能性があります。 血液の凝固が不十分な場合は、 異常出血(出血)が生じる 血液の凝固が過剰な場合は、血栓(血栓症)が発生する 異常な出血とは、あざや出血が起こりやすい状態を意味します(... さらに読む も参照)。血友病では、特定の凝固因子(血液の凝固を助け、出血を止めるタンパク質)の遺伝的な欠乏が関与しています。血友病Aでは、第VIII因子が欠乏しており、血友病Bでは、第IX因子が欠乏しています。ただし、ほかの凝固因子の遺伝的な欠乏がみられる場合もあります。例えば、第II因子、第V因子、第VII因子、第X因子、第XI因子、第XIII因子の欠乏があります。これらの病気のほとんどは、 常染色体劣性 性染色体を介さない(常染色体)遺伝 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパク質の設計情報が記録された領域のことです。 染色体は非常に長いDNA鎖からできており、そこには多く(数百~数千)の 遺伝子があります。特定の細胞(例えば、精子と卵子)を除き、人間の正常な細胞には23対の染色体があります。22対の常染色体と1対の性染色体があり、合わせて46本の染色体があります。通常、それぞれの対を構成する染色体は、片方を母親から、もう片方... さらに読む で遺伝します。つまり、この病気では、両親からそれぞれ1つ、計2つの異常な遺伝子を受け継ぐ必要があります。

治療は、欠乏している特定の凝固因子によって異なりますが、通常は欠乏している凝固因子の補充が行われます。

第XI因子欠乏症

第XI因子欠乏症は、まれな遺伝性の血液凝固障害の中では最も一般的なものです。第XI因子の欠乏がみられる患者の約半数が東欧系ユダヤ人を祖先とする人です。第XI因子の欠乏は男女ともにみられ、けがや手術(多くの場合、歯科手術)の後に出血を引き起こすことがあります。血友病AまたはBと比べ、突発的な出血がみられることはまれで、程度も軽いのが普通です。

アルファ2-アンチプラスミン欠乏症

アルファ2-アンチプラスミンは、血栓の溶解を助ける血液中の物質であるプラスミンの活性を妨げます。まれな遺伝性疾患では、アルファ2-アンチプラスミンの量が非常に少なく、過剰な出血が起こる可能性があります。過剰な出血がみられ、他の原因が否定されている場合、アルファ2-アンチプラスミンの量が測定されることがあります。アミノカプロン酸やトラネキサム酸を用いて出血を抑えたり予防したりします。

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