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ウィルソン病

(ウィルソン病;先天性銅中毒)

執筆者:

Larry E. Johnson

, MD, PhD, University of Arkansas for Medical Sciences

最終査読/改訂年月 2018年 11月
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ウィルソン病はまれな遺伝性疾患で、肝臓が正常時のように余分な銅を胆汁中に排泄せず、結果として肝臓に銅が蓄積して肝臓が損傷します。

  • 銅は肝臓、脳、眼やその他の臓器に蓄積します。

  • ウィルソン病の患者では、振戦(ふるえ)、発語困難、嚥下(えんげ)困難、協調運動障害、人格変化、肝炎がみられることがあります。

  • 血液検査と眼の診察が診断の確定に役立ちます。

  • 患者は、銅を除去するために薬を服用する必要があり、その後生涯にわたって銅の含有量が高い食品を避けなければなりません。

症状

症状は、通常は5~35歳で出始めますが、2~72歳のどの年齢でも始まることがあります。

患者のほぼ半数では、最初の症状は脳の損傷によって生じます。そうした症状には、振戦、発語困難、嚥下困難、よだれ、協調運動障害、けいれん性不随意運動(舞踏運動)、人格変化などがあり、統合失調症や躁うつ病などの精神病症状がみられることもあります。

それ以外の患者の大半では最初の症状は肝臓の損傷によって生じ、肝炎と、最終的には肝硬変が起こります。

虹彩(眼の色が付いた部分)の縁に金色または緑がかった金色の輪(カイザー-フライシャー輪)が現れることがあります。この輪は銅が蓄積すると生じます。少数の患者では、この輪がウィルソン病の最初の徴候となります。

赤血球が破裂するため貧血になる場合もあります(溶血性貧血)。女性では、月経が来なかったり流産を繰り返したりすることもあります。

知っていますか?

  • 眼の角膜の辺縁にみられる緑色がかった金色の輪は、ウィルソン病の徴候です。

診断

  • 眼の細隙灯顕微鏡検査

  • 血液と尿の検査

  • ときに肝生検

医師は、肝炎、振戦、人格の変化など、明らかに原因のない症状に基づいてウィルソン病を疑います。以下の検査が診断の確定に役立ちます。

  • カイザー-フライシャー輪を調べる眼の細隙灯顕微鏡検査

  • 血液検査で、セルロプラスミン(銅を運ぶタンパク質)の濃度を測定する

  • 尿中に排泄される銅の測定

  • それでも診断がはっきりしない場合、肝生検

ウィルソン病の病歴をもつ家族がいる小児には、1歳になった後に検査を行います。それより早い時期に検査を行うと、ウィルソン病を見逃す可能性が高くなります。

治療

  • 食事の変更

  • 薬と亜鉛のサプリメント

  • 肝臓の移植を行う可能性あり

この病気の患者は、食事を銅の少ないものにする必要があります。避けるべき食品としては、牛レバー、カシューナッツ、ササゲ、野菜ジュース、甲殻類、キノコ類、ココアなどがあります。ウィルソン病の患者は、ビタミンやミネラルのサプリメントで銅が含有されるものを一切摂取すべきではありません。

蓄積した銅を除去するため、ペニシラミンやトリエンチンなどの銅と結合する薬を服用します。亜鉛のサプリメントは、銅が体に吸収されるのを防ぐことができ、ペニシラミンかトリエンチンが効果的でなかったり副作用が多すぎる場合に用いられます。亜鉛は、ペニシラミンやトリエンチンと結合でき、これらの薬が効果的でなくなるため、これらを服用する前後2時間以内には亜鉛を飲まないようにします。ウィルソン病の人は、ペニシラミン、トリエンチン、または亜鉛サプリメントを生涯にわたって服用する必要があります。

ウィルソン病は、生涯にわたって治療をしないと、一般的には30歳までに死に至ります。治療を受ければ通常、診断された時点でウィルソン病が進行していない限り、患者は問題なく暮らせます。

指示通りに薬を服用しない場合、特に若い人では、肝不全が生じることがあります。

この病気の患者は肝疾患の専門医を定期的に受診することが推奨されています。

肝移植を行えば、肝不全を完治させることができ、ウィルソン病と重度の肝不全または薬物治療で効果が得られない重い肝臓の異常がある患者の救命につながることがあります。

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