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ビタミンE

(トコフェロール)

執筆者:

Larry E. Johnson

, MD, PhD, University of Arkansas for Medical Sciences

最終査読/改訂年月 2018年 9月
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ビタミンE(トコフェロール)には抗酸化作用があり、フリーラジカル(正常な細胞活動の副産物で、細胞内の化学反応に関与する)による損傷から細胞を守ります。フリーラジカルが関与する反応の中には、有害なものもあります。(ビタミンの概要 ビタミンの概要 ビタミンは健康的な食事に不可欠です。ほとんどのビタミンについて、健康な人の大半が健康を維持するのに必要な1日当たりの量を表した推奨量(RDA)が設定されています。一部のビタミンには、安全な上限量(耐容上限量)が決められています。この上限を超えて摂取すると、有害な影響(毒性)が出るリスクが高まります。... さらに読む も参照のこと。)

特定の病気の予防に役立てるために、多くの人がビタミンEのサプリメントを摂取しています。ビタミンEのサプリメントで、心臓や血管の病気が予防されることはありません。ビタミンEが、たとえ高用量でもアルツハイマー病の進行を遅らせるという説得力のある証拠はありません。ビタミンEのサプリメントが、遅発性ジスキネジア(抗精神病薬の副作用である、口、舌、腕、または脚の反復性の不随意運動)を予防するかどうか、喫煙者の前立腺がんのリスクを上下させるかどうかについては、議論があります。

ビタミンEは、ビタミンA、D、Kと同じく脂溶性ビタミンで、脂肪に溶け、多少の脂肪と一緒に食べた場合に最もよく吸収されます。植物油、ナッツ類、種子、緑色の葉野菜、小麦胚芽などには、ビタミンEが豊富に含まれています。

ビタミンE欠乏症

  • ビタミンE欠乏症は、反射と協調運動の障害、歩行困難、筋力低下を引き起こします。

  • ビタミンE欠乏症の未熟児は、深刻な種類の貧血を発症することがあります。

  • 診断は、症状と身体診察の結果に基づいて下されます。

  • ビタミンEのサプリメントを摂取することで欠乏症は改善します。

ビタミンEはわずかな量しか胎盤を通過しないため、新生児が体内に蓄えているビタミンEの量は比較的少量です。そのため、新生児(特に未熟児)ではビタミンE欠乏症のリスクが高くなります。しかし、乳児は通常母乳や市販の人工乳から十分な量のビタミンEが得られるため、年齢が増えるにつれてリスクは低下します。成人は脂肪組織に多量のビタミンEを蓄えることができ、欠乏症が起こりにくくなっています。

原因

ビタミンEの主要な摂取源は植物油であり、ビタミンEは多少の脂肪と一緒に食べた場合に最もよく吸収されるため、極端な低脂肪食ではビタミンEが不足します。脂肪の吸収を妨げる病気(特定の肝疾患 肝疾患の概要 肝疾患は、様々な形で現れます。特徴的な症状や徴候には、以下のものがあります。 黄疸(皮膚や白眼の部分が黄色くなる症状) 胆汁うっ滞(胆汁の流れの減少または停止) 肝腫大(肝臓が大きくなる) 門脈圧亢進症(腸から肝臓に向かう静脈の血圧が異常に高くなること) さらに読む 胆嚢疾患 胆嚢と胆管の病気の概要 胆汁は、緑がかった黄色の粘り気のある液体で、肝臓で作られます。胆汁はコレステロール、脂肪、脂溶性ビタミンを腸から吸収しやすい形に変えることで、消化を補助します。また、特定の老廃物(主にビリルビンと過剰なコレステロール)や薬の副産物を体外に排出する働きもあります。 胆道は複数の細い管で構成され、胆汁はそれらの管を通って肝臓から胆嚢へ、さらに... さらに読む 胆嚢と胆管の病気の概要 膵炎 膵炎の概要 膵炎とは、膵臓の炎症です。 膵臓は木の葉の形をした臓器で、長さは約13センチメートルあります。周囲を胃の下側と小腸の最初の部分(十二指腸)に囲まれています。 膵臓には主に以下の3つの機能があります。 消化酵素を含む膵液を十二指腸に分泌する 血糖値の調節を助けるインスリンとグルカゴンというホルモンを分泌する さらに読む 嚢胞性線維症 嚢胞性線維症(CF) 嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)は、特定の分泌腺が異常な分泌物を産生し、それによって組織や器官、特に肺や消化管が損傷を受ける遺伝性疾患です。 嚢胞性線維症は、遺伝子の突然変異を親から引き継ぐことで発生し、粘り気の強い濃厚な分泌物が肺やその他の臓器の働きを妨げます。 典型的な症状としては、新生児にみられる嘔吐や腹部膨満、軟便、体重増... さらに読む など)によっても、ビタミンEの吸収量が減少し、ビタミンE欠乏症のリスクが高くなることがあります。

米国やその他の先進国では、年長児や成人ではビタミンE欠乏症はまれであり、ビタミンE欠乏症の原因には通常次のようなものが挙げられます。

発展途上国では、ビタミンE欠乏症の最も一般的な原因は以下のものです。

  • ビタミンEの摂取不足

知っていますか?

  • ビタミンE、A、D、Kを吸収するには多少の脂肪と一緒に食べる必要があるため、非常に脂肪の少ない食事によってこれらのビタミンの欠乏症が生じることがあります。

症状

小児では、症状には、反射の遅延、歩行困難、協調運動障害、位置覚(腕や脚の位置を見なくても分かる感覚)の喪失、筋力低下などがあります。

成人は脂肪組織に多量のビタミンEを蓄えているため、吸収不良を引き起こす病気によるビタミンE欠乏症を有する成人では、これらの症状が現れることはまれです。

診断

  • 身体診察

  • ときに血液検査

ビタミンE欠乏症の診断は、症状、リスクを増加させる条件があることに加え、身体診察の結果に基づいて下されます。

診断を確定するために、ビタミンEの値を測定する血液検査が行われることがあります。

治療

  • ビタミンEのサプリメント

ビタミンE欠乏症の治療としては、ビタミンEのサプリメントを服用します。

未熟児には、病気が発生するのを予防するためにサプリメントが投与されることもあります。正期産の新生児のほとんどでは、母乳や市販の人工乳で十分な量のビタミンEが得られるため、サプリメントは必要ありません。

ビタミンEの大量摂取

多くの成人では、比較的多量のビタミンEを数カ月から数年摂取しても明らかな害はみられません。しかし、高用量のビタミンEによって出血のリスクが高まる可能性があり、特に抗凝固薬(特にワルファリン)など、血栓をできにくくする薬を服用している成人でよくみられます。ときに、非常に高用量のビタミンEを摂取している成人で、筋力低下、疲労、吐き気、下痢がみられることがあります。

ビタミンE中毒の診断は、ビタミンEのサプリメントの使用歴と症状に基づいて下されます。

ビタミンE中毒の治療としては、ビタミンEのサプリメントの使用を中止します。必要であれば、出血を止めるために血液の凝固を助けるビタミンKが投与されます。

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