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三叉神経痛

(疼痛性チック)

執筆者:

Michael Rubin

, MDCM, New York Presbyterian Hospital-Cornell Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 1月
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三叉神経痛とは、第5脳神経(三叉神経)の機能不全を原因とする、顔面の激しい痛みのことです。三叉神経は、顔面の感覚情報を脳に伝えるほか、ものをかむときに使う筋肉も制御しています。

  • 原因は通常、異常な位置にある動脈が三叉神経を圧迫することです。

  • 顔の下部に、ナイフで刺されたかのような耐えがたい痛みが、稲妻のように短く発作的に繰り返されます。

  • 診断は特徴的な痛みに基づいて下されます。

  • 特定の抗てんかん薬、特定の抗うつ薬、またはバクロフェンにより痛みが軽減されることがありますが、ときに手術が必要なこともあります。

三叉神経痛は、どの年齢層の成人にも起こりえますが、通常は中高年の人に発生します。女性により多くみられます。

三叉神経痛の一般的な原因は以下のものです。

  • 三叉神経が脳から出る部位の近くで、異常な位置にある動脈によって三叉神経が圧迫される

若い人では、ときに多発性硬化症による神経の損傷が原因で三叉神経痛が起こることがあります。まれに、腫瘍、動静脈奇形(動脈と静脈の異常な接続)、または脳付近の神経に血液を供給する動脈の膨らみ(動脈瘤)により、三叉神経が圧迫されて三叉神経痛が起こることがあります。

症状

三叉神経痛による痛みは、特に理由なく起こることもありますが、多くは顔・唇・舌の特定の場所(トリガーポイント)に触れたときや、歯磨きや物をかむなどの動作が引き金となって起こります。ナイフで刺すような耐えがたい痛みが、稲妻のように短く発作的に繰り返されます。顔の下半分のどこにでも起こりえますが、最も多いのは鼻の横の頬とあごです。

通常は、顔の片側だけに症状が出ます。痛みは通常、数秒間ですが、最大で2分間続くこともあります。1日に100回も発作が起こり、痛みのために生活に支障をきたすこともあります。痛みが強いことから、患者は顔をしかめる傾向があるため、疼痛性チックと呼ばれることもあります。一般にこの病気は自然に治まりますが、長期間痛みが起こらない休止期間の後に、しばしば再発します。

診断

  • 症状

三叉神経痛を特定できる特別な検査法はありませんが、痛みが特徴的なため、通常は容易に診断がつきます。しかし、三叉神経痛と診断するには、顔面に痛みを引き起こす他の病態(あご、歯、副鼻腔の病気や三叉神経障害[腫瘍、脳卒中、動脈瘤、または多発性硬化症によって三叉神経が圧迫されて起こることが多い病気])との鑑別が必要です。三叉神経のその他の病気では、顔面の各部で感覚の消失と筋力の低下が起こりますが、三叉神経痛ではそのような症状は起こらないという点で、両者を鑑別できます。

治療

  • 抗てんかん薬またはその他の薬

  • ときに手術

痛みの持続時間が短く、かつ再発するため、通常、典型的な鎮痛薬は役に立ちませんが、他の薬、特に特定の抗てんかん薬 抗てんかん薬 けいれん性疾患では、脳の電気的活動に周期的な異常が生じることで、一時的に脳の機能障害が引き起こされます。 多くの人では、けいれん発作が始まる直前に感覚の異常がみられます。 コントロールできないふるえや意識消失が起こる場合もありますが、多くの場合は、単に動きが止まったり、何が起こっているか分からなくなったりするだけにとどまります。... さらに読む (神経膜を安定させる作用がある)は役立つことがあります。通常は、抗てんかん薬のカルバマゼピンを最初に試します。カルバマゼピンが効果的でない場合や、副作用に耐えられない場合は、同じく抗てんかん薬のオクスカルバゼピン、ガバペンチン、またはフェニトインが処方されることがあります。

重度の痛みが続く場合は、手術が行われることがあります。動脈の位置の異常が原因である場合は、神経と動脈を分離し両者の間に小さなスポンジを置く手術が行われます。通常はこの手術(血管減圧術)により何年間にもわたって痛みを抑えることができます。原因が腫瘍であれば、腫瘍を切除する手術が行われることがあります。

薬で痛みが緩和せず、手術のリスクが高すぎると考えられる場合は、他の治療法が役立つかどうかを判定するための検査を行うことがあります。この検査では、神経に麻酔薬を注入して、一時的にその機能を遮断します。麻酔薬の注入で痛みが緩和する場合は、その神経を破壊することで痛みを軽減できる可能性があり、ときに永久的な効果が得られる場合もあります。神経を破壊するには以下のような方法が用いられます。

  • 神経を外科的に切断する

  • 高周波電流(熱を利用する方法)またはガンマナイフ(放射線を利用する方法)によって神経を切断する

  • バルーンで神経を圧迫する

  • グリセロールなどの薬を神経に注入して破壊する

しかし、痛みを緩和する治療を行うと、しばしば顔面のしびれをきたします。また、痛みが再発することもよくあり、その結果、何度も処置を行わなければならないことがあります。処置を繰り返すことによって、治療困難なひどい痛みが生じるリスクが高まる可能性があります。

神経の圧迫を取り除く

異常な位置にある動脈が脳神経を圧迫して痛みが起こっている場合は、血管減圧術と呼ばれる手術によって痛みを軽減することができます。この方法は、三叉神経痛、片側顔面けいれん、舌咽神経痛の治療に用いられます。

三叉神経が圧迫されている場合は、後頭部の髪を剃り、その部分を切開します。次に頭蓋骨に小さな穴を開け、脳の端を持ち上げて神経を露出させます。続いて、神経を圧迫している動脈を神経から離して、間に小さなスポンジを挟みます。

全身麻酔が必要ですが、この手術による副作用のリスクはわずかです。副作用としては、顔面のしびれ、顔面の筋力低下、複視、感染、出血、聴覚や平衡感覚の変化、麻痺などがあります。

通常はこの手術で痛みが軽減されますが、約15%の人では再発します。

神経の圧迫を取り除く
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