(手の病気の概要 手の病気の概要 手や指の病気には、 ガングリオン、 変形、 神経や血管に関連する病気、 変形性関節症、 ばね指、 キーンベック病、感染症などがあります。 手や指に影響する他の病気の例としては、 骨折、その他のけが、 関節リウマチ、 腱炎と腱鞘炎、 ドケルバン症候群、 レイノー症候群、 ばち状指、... さらに読む も参照のこと。)
膿の蓄積(膿瘍)が、手と指の内側に沿う 腱 腱と滑液包 腱は、帯状の丈夫な結合組織で、その大部分がコラーゲンと呼ばれる強固なタンパク質でできています。腱は筋肉の両端をしっかりと 骨につなぎ留める役割を果たしています。腱の多くはさやに包まれていて、そのさやは表面が滑らかで、そのため腱は摩擦を受けずに動くことができます。 滑液包は、一部の腱の下に存在する、液体で満たされた小さな袋で、腱にかかる衝撃を吸収して、腱を損傷から守っています。滑液包は、隣接する構造にかかる衝撃も吸収することで、例えば、骨... さらに読む の周囲にできることがあります。これらの腱は、腱鞘と呼ばれる、組織でできた鞘の中に入っています。鞘は腱が滑らかに動くのを助けています。
腱鞘の膿瘍は、指の手のひら側の曲がるところを突き刺した傷が原因で起こります。また、治療していない ひょう疽 ひょう疽 ひょう疽(ひょうそ)は、指先の軟部組織(指の腹)の感染症で、通常は細菌が原因です。 ひょう疽によって指先の内側に膿がたまることがあり(膿瘍)、これによって周囲の組織が圧迫されて壊死を起こします。指先が非常に熱くなり、腫れ、硬くなり、ズキズキする強い痛みがあります。 この写真には、親指に生じたひょう疽(治療されていないもの)が写っています。指先から膿が出ているのがわかります。 ひょう疽の診断は医師が患部の指を診察することによって下されます... さらに読む の膿が、指先から指の腱鞘の末端に広がる可能性があります。感染と膿が腱の周囲に生じ、急速に組織を破壊します。腱が滑る仕組みが障害されるため、手の指がほとんど動かせなくなります。
腱鞘の感染症の症状には、指の腫れと痛み、腱鞘部の圧痛があります。指を曲げて(屈曲して)いると症状が治まる感じがします。指を動かすと激しい痛みが起こることがあります。発熱がよくみられます。
腱鞘の感染症の診断
医師の診察
X線検査
培養検査
腱鞘の感染症の診断は、診察の結果に基づいて下されます。皮膚の下に隠れていることがある異物(歯の破片や針などの物体)を見つけるために、 X線検査 X線検査 筋骨格系の病気は、病歴と 診察の結果に基づいて診断されることがよくあります。医師が診断を下したり確定したりするのを助けるために、 臨床検査や 画像検査、 その他の診断方法が必要になることがあります。 筋骨格系の病気の診断には、臨床検査がしばしば役立ちます。例えば、赤血球沈降速度(赤沈)は、血液が入った試験管の中で赤血球が底に沈んでいく速さを測定する検査です。炎症が起きていると、通常は赤沈の値が上昇します。しかし、炎症は非常に多くの病態で... さらに読む を行います。
感染症を引き起こしている細菌の種類を特定するために、膿瘍から膿のサンプルを採取して、検査室で細菌の増殖(培養検査 微生物の培養検査 感染症は、 細菌、 ウイルス、 真菌、 寄生虫などの微生物によって引き起こされます。 医師は、患者の症状や身体診察の結果、危険因子に基づいて感染症を疑います。まず、患者がかかっている病気が感染症であり、他の種類の病気ではないことを確認します。例えば、せきが出て、呼吸が苦しいと訴える人は、肺炎(肺の感染症)の可能性があります。また、喘息や心... さらに読む )を試みます。
腱鞘の感染症の治療
膿の排出
抗菌薬
患者は入院します。医師は手術で切開して膿を排出します。抗菌薬を静脈から投与します(静脈内投与)。