(特発性間質性肺炎の概要 特発性間質性肺炎の概要 特発性間質性肺炎は、同じような症状と肺の病変がみられる原因不明の間質性肺疾患の総称です。 この疾患のいくつかのタイプは、ほかのものよりはるかに重篤になります。 診断には、胸部X線検査やCT検査が必要で、通常は肺組織のサンプルの分析(生検)が行われます。 治療法はこの疾患の種類によって異なります。 ( 間質性肺疾患の概要も参照のこと。) さらに読む も参照のこと。)
この病気は、一般に40~60歳で発生し、男女の割合は同程度です。タバコの喫煙により特発性器質化肺炎を発症するリスクが高まることはないと考えられています。
約75%の患者で、次第に悪化する運動時のせきや息切れがみられ、そういった患者は通常2カ月以内に医療機関を受診します。約50%の患者で、せき、発熱、全身のけん怠感、疲労、体重減少といったインフルエンザに似た前触れの症状がみられます。
特発性器質化肺炎の診断
胸部CT検査
ときに肺生検
通常の臨床検査で、特異的な異常が見つかることはありません。診察時に医師が聴診器を胸にあてると、パチパチという音が聞こえ、患者が息を吸うときに時折キーキーという音が聴取されます。 肺機能検査 肺機能検査 肺機能検査では、肺にためることができる空気の量、肺から空気を出し入れする能力、肺に酸素を取り込む能力を測定します。 肺機能検査は、肺疾患の具体的な原因を突き止めるというより、一般的なタイプや重症度を調べるのに適していますが、 喘息や 慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの特定の病気を診断するために使用されることもあります。 ( 肺疾患に関する病歴聴取と身体診察および 呼吸器系も参照のこと。)... さらに読む では通常、肺に吸い込める空気の量が、正常値を下回っていることが明らかになります。血液中の酸素レベルは、安静時でも低いことが多く、運動時はさらに低下します。
胸部X線検査は診断の役に立ちますが、それだけで診断を下せることはあまりありません。CT検査が行われることがあり、ときにそれ以上の検査を行わなくても診断するのに十分な典型的な所見が得られます。
CT検査ではっきりしない場合は、診断を確定するために、 気管支鏡 気管支鏡検査 気管支鏡検査とは、気管支鏡(観察用の管状の機器)を用いて発声器(喉頭)や気道を直接観察することです。 気管支鏡の先端にはカメラが付いていて、これによって太い気道(気管支)から肺の内部を観察できます。医師は、気管支鏡に小さな器具を通し、肺や気道組織のサンプルを採取して、肺疾患の診断や一部の肺疾患の治療に役立てることもできます。気管支鏡には、柔軟なもの(軟性気管支鏡)と硬いもの(硬性気管支鏡)があります。気管支鏡によるほとんどの処置(特に診... さらに読む を用いた肺生検が行われます。しかし、より大きなサンプルが必要になることも多く、その場合は外科的に採取しなければなりません。
特発性器質化肺炎の治療
コルチコステロイド
コルチコステロイドによる治療を行うことで、ほとんどの患者がすぐに回復します。しかし、後で症状が再び現れることもあり、しばしば長期的な治療が必要になります。病気が再発した場合、通常はコルチコステロイドによる再治療が効果的です。