Msd マニュアル

Please confirm that you are not located inside the Russian Federation

honeypot link

高血圧

執筆者:

George L. Bakris

, MD, University of Chicago School of Medicine

最終査読/改訂年月 2019年 10月
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
やさしくわかる病気事典
本ページのリソース

高血圧とは、動脈内の圧力が恒常的に高くなった状態のことです。

  • 高血圧の原因は不明のことも多いですが、腎臓の基礎疾患や内分泌疾患によって起こる場合もあります。

  • 肥満、体を動かさない生活習慣、ストレス、喫煙、過度の飲酒、食事での過剰な塩分摂取などはすべて、遺伝的に高血圧になりやすい人の高血圧の発症に何らかの形で関与しています。

  • 多くの場合、高血圧による症状はみられません。

  • 診断は血圧の測定を2回以上行ってから下されます。

  • 体重の低下、禁煙、食事中のナトリウムや脂肪の量を減らすことが勧められます。

  • 降圧薬が投与されます。

高血圧を意味する英語の「hypertension」(hyper = 高い、tension = テンション)という言葉は、多くの人にとって過度の緊張や神経質、ストレスを連想させますが、医学用語の「hypertension」は、その原因を問わず血圧が常に高い状態、すなわち高血圧を示します。高血圧は、生命の維持に欠かせない臓器が損傷を受けるまで、何年もの間まったく症状が現れないことが多いため、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ばれています。高血圧がコントロールされないままでいると、 脳卒中 脳卒中の概要 脳卒中は、脳に向かう動脈が詰まったり破裂したりして、血流の途絶により脳組織の一部が壊死し(脳梗塞)、突然症状が現れる病気です。 脳卒中のほとんどは虚血性(通常は動脈の閉塞によるもの)ですが、出血性(動脈の破裂によるもの)もあります。 一過性脳虚血発作は虚血性脳卒中と似ていますが、虚血性脳卒中と異なり、恒久的な脳損傷が起こらず、症状は1時間... さらに読む 動脈瘤(どうみゃくりゅう) 大動脈瘤と大動脈解離の概要 大動脈は、直径が約2.5センチメートルある体内で最も太い動脈で、左心室から送られてきた酸素を多く含む血液を、肺を除く全身の組織へと送り出しています(肺への血液は右心室から送り出されます)。心臓から出た大動脈からは、すぐに腕と頭へ向かう動脈が枝分かれします。その後、大動脈は弧を描いて下に向かい、左心室の高さから腰の骨(骨盤)の最上部の高さま... さらに読む 心不全 心不全(HF) 心不全とは、心臓が体の需要を満たせなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。 心不全は心臓の収縮や弛緩が不十分になることで発生しますが、これらの変化は一般的に、心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。... さらに読む 心不全(HF) 心臓発作 冠動脈疾患(CAD)の概要 冠動脈疾患とは、心臓の筋肉(心筋)への血液供給が部分的または完全に遮断されることで起きる病気です。 心筋は酸素を豊富に含んだ血液を絶えず必要とします。その血液を心臓に送る血管は、大動脈が心臓から出たところで枝分かれする 冠動脈です。この血管が狭くなる冠動脈疾患では、血流が遮断されて、... さらに読む 冠動脈疾患(CAD)の概要 慢性腎臓病 慢性腎臓病 慢性腎臓病では、血液をろ過して老廃物を除去する腎臓の能力が、数カ月から数年かけて徐々に低下します。 主な原因は糖尿病と高血圧です。 血液の酸性度が高くなり、貧血が起き、神経が傷つき、骨の組織が劣化し、動脈硬化のリスクが高くなります。 症状としては、夜間の排尿、疲労、吐き気、かゆみ、筋肉のひきつりやけいれん、食欲不振、錯乱、呼吸困難、体のむ... さらに読む などが起こるリスクが高くなります。

米国では約7500万人が高血圧であると推定されています。高血圧はアフリカ系アメリカ人に多く、成人の有病率は白人およびメキシコ系アメリカ人がいずれも28%であるのに対して、アフリカ系アメリカ人では41%です。また、人種的起源が中国、日本、その他の東アジアや太平洋地域にある人々(韓国人、タイ人、ポリネシア人、ミクロネシア人、フィリピン人、マオリ族)でも高い頻度でみられます。また、アフリカ系アメリカ人とアジア系人種の人々では、高血圧によってもたらされる結果もより悪くなっています。高血圧は高齢者に多くみられ、20~74歳で高血圧がある人の割合は約4分の1にすぎないのに対し、65歳以上になると約3分の2の人に高血圧がみられます。55歳の時点で血圧が正常な人が生涯のいずれかの時点で高血圧になるリスクは90%です。肥満の人の有病率は、肥満ではない人の2倍です。

米国では、実際に高血圧がある人の81%のみが高血圧と診断されていると推定されています。高血圧と診断された人のうち約73%が治療を受け、治療を受けている人の約51%で十分な血圧コントロールが得られています。

加齢に関連する注意点:高血圧

加齢による変化が、原因不明の高血圧に寄与していると考えられます(原発性高血圧)。年齢を重ねるにつれて太い動脈が徐々に硬化し、細い動脈が部分的に閉塞する場合もあります。一部の専門家は、この動脈硬化とそれに伴う細い動脈の狭窄が、加齢に伴い血圧が上昇する一因になっていると考えています。

血圧を測る際には、2つの数値を記録します。高い方の数値は動脈内圧が最も高い状態を反映しており、心臓が収縮している収縮期に生じます。低い方の数値は動脈内圧が最も低い状態を反映しており、心臓が再び収縮し始める直前の拡張期に生じます。血圧は「収縮期血圧/拡張期血圧」という形式で表します。例えば、収縮期血圧が120mmHgで拡張期血圧が80mmHgの場合は、「120/80mmHg」と表します。

高血圧の分類

成人の血圧は、正常、高値血圧、I度(軽症)高血圧、II度高血圧に分類されます。しかし、血圧が高くなると、たとえ正常範囲内であっても合併症のリスクが高まるため、これらの群類はやや恣意的なものといえます。

高血圧切迫症は、拡張期血圧が120mmHgを超えながらも、患者が自覚する臓器障害や医師に分かる臓器障害がない状態です。通常、高血圧切迫症は症状を引き起こしません。

高血圧緊急症は、特に重症の高血圧です。拡張期血圧が120mmHg以上となり、生命の維持に欠かせない臓器(典型的には脳、心臓、腎臓)に進行性の障害を示す証拠がみられ、しばしば様々な症状を伴います。高血圧緊急症はまれですが、白人よりも黒人、女性よりも男性、社会経済的に上位層よりも下位層で数倍も多くみられます。治療しないでいると、高血圧緊急症は死に至ることがあります。

体の血圧調節

体には、血圧を調節する多くの仕組みがあります。身体は以下のものを変えることができます。

  • 心臓が送り出す血液量

  • 動脈径

  • 血流中の血液量

血圧を上昇させるために、心臓は強く速く拍動して、多量の血液を送り出します。細い動脈(細動脈)が収縮して狭くなると、血液は心臓が拍動するたびに通常より狭い空間を通過せざるを得なくなります。動脈の内腔が狭いため、通常と同じ量の血液が通過しても血圧は高くなります。また、静脈が収縮して静脈内の血液量を減らし、動脈内の血液量を増やします。その結果、血圧は上昇します。血流中に体液が入り、血液の全体量が増えることによっても、血圧は上昇します。

これらとは逆に、心臓が弱く遅く拍動したり、細動脈や静脈が拡張したり、血流から体液が失われると、血圧は低下します。

  • 交感神経は副腎を刺激することで、アドレナリン(エピネフリン)とノルアドレナリン(ノルエピネフリン)というホルモンを分泌させます。これらのホルモンの刺激によって、心臓の拍動は速く強くなり、ほとんどの細動脈が収縮し、一部の細動脈は拡張します。拡張する細動脈は、意識的に動きを調節できる骨格筋など、血液の供給量を増やす必要がある部位の血管です。

  • また交感神経は、腎臓を刺激してナトリウムと水分の排泄量を減らすことで、血液量を増やします。体は細胞内のナトリウムが過剰になるのを防ぐため、細胞におけるナトリウムの出入りをコントロールします。細胞内のナトリウム量が過剰になると、体が交感神経の刺激に対して敏感になりすぎる可能性があります。

腎臓も血圧の変化に直接的に反応します。血圧が上昇すると、腎臓でのナトリウムと水分の排泄量が増加することで、血液の量が減少して血圧は正常に戻ります。逆に血圧が低下すると、腎臓でのナトリウムと水分の排泄量が減少することで、血液の量が増加して血圧は正常に戻ります。腎臓はレニンという酵素を分泌し、それがアンジオテンシンIIというホルモンの分泌を引き起こすことによって、血圧を上昇させます。

アンジオテンシンIIは以下によって血圧を上昇させます。

  • 細動脈を収縮させる

  • 自律神経系の交感神経を刺激する

  • アルドステロンバソプレシン(抗利尿ホルモンとも呼ばれる)という2種類のホルモン(腎臓のナトリウムと水分の保持量を増加させるホルモン)の分泌を誘発する

通常、腎臓は腎臓内の細動脈を拡張させる物質をつくります。この物質により、細動脈を収縮させるホルモンの働きが調節されます。

血圧の値は人の生涯を通じて変動するものです。乳児や小児の正常時の血圧は、成人での値よりかなり低い値になります。米国などの先進国に住んでいる人のほとんどは、年齢を重ねるにつれて血圧が高くなります。収縮期血圧は少なくとも80歳まで、拡張期血圧は55~60歳まで上昇し、その後一定になり、下がることもあります。しかし、一部の発展途上国に住んでいる人では、年をとっても収縮期血圧も拡張期血圧も上昇せず、高血圧の人はまずいませんが、これはナトリウムの摂取量が少なく、運動量が多いためと考えられています。

血圧の制御:レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系

レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系は、血圧を調整するための一連の反応です。

  • 収縮期血圧が100mmHg以下に低下すると、腎臓からレニンという酵素が血液中に分泌されます。

  • レニンは、血流中を循環している大きなタンパク質、アンジオテンシノーゲンを分解します。分解されたタンパク質の1つはアンジオテンシンIといいます。

  • アンジオテンシンIは比較的活性が低く、アンジオテンシン変換酵素(ACE)によって分解されます。分解されたものの1つが、非常に活性の高いアンジオテンシンIIというホルモンです。

  • アンジオテンシンIIは、筋肉でできた細動脈の壁を収縮させることにより、血圧を上昇させます。またアンジオテンシンIIは、副腎を刺激してアルドステロンというホルモンを分泌させ、また下垂体刺激してバソプレシン(抗利尿ホルモン)を分泌させます。

  • アルドステロンおよびバソプレシンにより腎臓はナトリウム(塩分)を保持します。アルドステロンは、腎臓に作用してカリウムも排出させます。ナトリウムの上昇は水分を貯留させるため、血液量が増加して血圧が上昇します。

血圧の制御:レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系

血圧は運動によって一時的に変動します。運動時には血圧は上がり、安静時には下がります。また、血圧は時間帯によっても変動し、朝が最も高く、夜寝ている間が最も低くなります。このような変動は体の正常な反応です。何らかの変化で血圧が一時的に上昇すると、その変化に拮抗して血圧を正常範囲に維持するための仕組み(代償機構)の1つが起動します。例えば、心臓が送り出す血液量が増加して血圧が上昇すると、血管が拡張し、腎臓でのナトリウムと水分の排出量が増えて血圧が低下します。

原因

高血圧には以下のものがあります。

  • 原発性

  • 二次性

原発性高血圧

原因不明の高血圧は、原発性高血圧(以前は本態性高血圧)と呼ばれています。高血圧の85~95%が原発性高血圧です。心臓と血管に生じたいくつかの変化が組み合わさって、血圧を上昇させると考えられます。例えば、1分間に送り出される血液の量(心拍出量)が増えたり、血管の収縮によって血流にかかる抵抗が増加したりすることによります。全体の血液量が増加することもあります。このような変化が起こる原因はまだよく分かっていませんが、血圧の調節に関わっている細動脈の収縮に遺伝性の異常が影響を及ぼしているためではないかと考えられています。血圧の上昇に関わると考えられているその他の変化として、細胞内へのナトリウムの過剰な蓄積や、細動脈を拡張させる物質の生産量の減少などがあります。

二次性高血圧

原因の明らかな高血圧は、二次性高血圧と呼ばれます。高血圧の5~15%は二次性高血圧です。

このような患者の多くで、高血圧は以下に起因します。

  • 腎臓の病気

腎臓は血圧の調節に重要な臓器であることから、多くの腎疾患で高血圧がみられます。例えば、腎臓が炎症やその他の病気により損傷すると、体からナトリウムや水分を十分除去する能力が損なわれ、血液量と血圧が上昇します。高血圧を引き起こすその他の腎疾患には、腎動脈狭窄症(腎臓に血液を送り込む動脈が狭くなる病気で、 動脈硬化 動脈硬化 アテローム性動脈硬化とは、太い動脈や中型の動脈の壁の中に主に脂肪で構成されるまだら状の沈着物(アテロームあるいはアテローム性プラーク)が形成され、それにより血流が減少ないし遮断される病気です。 アテローム性動脈硬化は、動脈の壁が繰り返し損傷を受けることによって引き起こされます。... さらに読む 動脈硬化 に起因することがある)、 腎臓の感染症 腎臓の感染症 腎盂腎炎とは、片方または両方の腎臓に生じた細菌感染症です。 尿路の感染が腎臓に波及する場合と、まれに血流中の細菌が腎臓に感染する場合があります。 症状としては、悪寒、発熱、背部痛、吐き気、嘔吐などがみられます。 腎盂腎炎が疑われる場合は、尿検査、ときに血液検査および画像検査を行います。... さらに読む (腎盂腎炎)、 糸球体腎炎 糸球体腎炎 糸球体腎炎は、糸球体(小さな穴が多数あいた微細な血管でできた球状の腎組織で、それらの穴を通して血液がろ過されます)が侵される病気です。糸球体腎炎は、むくみ(浮腫)、高血圧および尿中での赤血球の検出を特徴とします。 糸球体腎炎は、感染症、遺伝性疾患、自己免疫疾患など、様々な病気が原因で発生します。... さらに読む 腎臓の腫瘍 腎臓がん 腎臓がんでは、血尿やわき腹(側腹部)の痛み、発熱などがみられます。 最も多いケースとしては、別の理由で行われた画像検査の際にがんが偶然発見されます。 診断はCT検査またはMRI検査の結果によって下されます。 腎臓の摘出により生存率が高まり、がんが転移していなければ根治することもあります。... さらに読む 多発性嚢胞腎 多発性嚢胞腎 (PKD) 多発性嚢胞腎は、両方の腎臓に液体で満たされた袋状の病変(嚢胞)が多数形成される遺伝性の病気です。そのため腎臓が大きくなりますが、機能している腎組織は減少します。 多発性嚢胞腎は遺伝によって受け継がれた遺伝子異常によって引き起こされます。 症状が軽いために病気の存在に気づかない場合もありますが、わき腹(側腹部)の痛み、... さらに読む 、腎臓の損傷、放射線療法による腎臓への影響などがあります。

まれに、以下のような別の病気が原因で二次性高血圧が起きる場合もあります。

  • 内分泌疾患

  • 特定の薬剤の使用

高血圧を引き起こす内分泌疾患としては、 アルドステロン症 アルドステロン症 アルドステロン症は、アルドステロンの過剰産生が原因で、体液貯留による血圧の上昇、脱力感、まれに周期的な麻痺が起きる病気です。 アルドステロン症は、副腎の腫瘍が原因で発生したり、いくつかの病気に対する反応として発生したりします。 アルドステロン値が高いと高血圧とカリウム濃度の低下が起こります。カリウム値が低いと、脱力感、チクチク感、筋肉のけ... さらに読む (アルドステロンが過剰に分泌される状態で、副腎の良性腫瘍が原因のことが多い)、 クッシング症候群 クッシング症候群 クッシング症候群は、コルチコステロイドが過剰な状態であり、通常はコルチコステロイドの使用または副腎による過剰産生によるものです。 通常、クッシング症候群の原因は、ある病気の治療のためのコルチコステロイドの使用、または副腎でのコルチコステロイドの過剰産生を引き起こす下垂体や副腎の腫瘍です。... さらに読む クッシング症候群 コルチゾールの血中濃度の上昇を特徴とする病気)、 甲状腺機能亢進症 甲状腺機能亢進症 甲状腺機能亢進症は甲状腺が働きすぎている状態で、甲状腺ホルモンの値が高く、身体の重要な機能が働く速度が上昇します。 バセドウ病は甲状腺機能亢進症の原因として最もよくみられます。 心拍数と血圧の上昇、不整脈、過剰な発汗、神経質や不安、睡眠障害、意図しない体重減少などの症状がみられます。... さらに読む 甲状腺機能亢進症 (甲状腺の活動が過剰になった状態)などのほか、まれな原因として 褐色細胞腫 褐色細胞腫 褐色細胞腫は副腎のクロム親和性細胞に由来する腫瘍で、高血圧やその他の症状を引き起こす強力なホルモンのカテコールアミンが過剰につくられる病気です。 高血圧が最も重大な症状ですが、激しい動悸、大量発汗、立ちくらみ、速い呼吸、重度の頭痛や、そのほかにも多くの症状がみられることがあります。... さらに読む (副腎に発生してアドレナリンノルアドレナリンを分泌する腫瘍)があります。

高血圧の発生または悪化につながる可能性がある薬剤としては、アルコール(過度の飲酒)、コカイン、コルチコステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、経口避妊薬(ピル)、交感神経刺激薬(プソイドエフェドリンやフェニレフリンなど、鼻づまりに使用される感冒薬)などがあります。

高血圧を引き起こす可能性がある他の病気としては、 大動脈縮窄症 大動脈縮窄症 大動脈縮窄症は、心臓から全身に酸素の豊富な赤い血液を送り出す動脈である大動脈が狭くなった状態です。 大動脈が狭くなると、下半身への血流が減少します。狭くなった大動脈を血液を流すために、心臓はより強い力で血液を送り出す必要があります。 重度の縮窄のある乳児は、生後数日目に突然状態が悪化し、心不全と下半身への血流低下の徴候を示します。縮窄があ... さらに読む 大動脈縮窄症 妊娠高血圧腎症 妊娠高血圧腎症および子癇 妊娠高血圧腎症は、妊娠20週以降に新たに発症する高血圧または既存の高血圧の悪化で、過剰な尿タンパク質を伴うものです。子癇(しかん)は妊娠高血圧腎症の女性に起こるけいれん発作で、ほかに原因がないものをいいます。 妊娠高血圧腎症によって胎盤剥離や早産が起こりやすくなり、出生直後の新生児に問題が生じるリスクが高まります。... さらに読む 急性間欠性ポルフィリン症 急性間欠性ポルフィリン症 腹痛や神経症状を引き起こす急性間欠性ポルフィリン症は、最も一般的な急性ポルフィリン症です。 多くの患者で症状はまったく現れません。 症状があるとすれば、嘔吐、腹痛または背中の痛み、腕や脚の脱力、精神症状などがみられます。 発作中に尿サンプルを採取して検査が行われます。 栄養状態を良好に保ち、発作を引き起こすアルコールや薬を避けることが重要... さらに読む 、急性 鉛中毒 鉛中毒 鉛中毒の原因は、鉛入りの塗料を飲み込むことや、不適切な鉛の釉薬(ゆうやく)をかけた輸入陶磁器で飲食することなどです。 鉛の血中濃度が非常に高いと、人格の変化、頭痛、感覚の消失、脱力、口の中の金属味、歩行の協調障害、胃腸障害、貧血が起こることがあります。 鉛中毒は、症状と血液検査の結果に基づいて診断されます。... さらに読む などがあります。

増悪因子

ストレスは血圧を一時的に上昇させますが、ストレスがなくなると血圧はたいてい正常に戻ります。例えば「白衣高血圧」では、普段は正常な血圧の人が、医療機関を受診するというストレスによって、高血圧と診断されるほど血圧が上昇します。「白衣高血圧」の人は恒久的な高血圧を発症するリスクがわずかに高いようですが、診察室での血圧が非常に高いのでなければ、治療は必要ないと考えられています。

症状

高血圧ではほとんどの人に何も症状がみられません。頭痛、鼻出血、めまい、顔面の紅潮、疲労などの症状が同時に生じると高血圧が原因とみなされることがよくありますが、それは間違いです。これらの症状は高血圧の人にもみられますが、正常な血圧の人にも同じくらいの頻度でみられます。

重症または長期間続いている高血圧を治療しないでいると、脳、眼、心臓、腎臓が障害され、症状が現れます。症状は、頭痛、疲労、吐き気、嘔吐、息切れ、不穏(落ち着かなくなる)などです。ときに、重度の高血圧では脳浮腫が生じ、吐き気、嘔吐、ひどい頭痛、傾眠、錯乱、けいれん、眠気がみられ、昏睡に至ることもあります。この状態を高血圧性脳症といいます。

重度の高血圧により心臓の負荷が増加し、胸痛や息切れが起こることがあります。ときに、血圧が非常に高くなることで大動脈(心臓から血液を送り出す太い動脈)が破裂し、それにより胸痛や腹痛が引き起こされることもあります。このような症状がある人は高血圧緊急症のため、その場合には緊急の治療が必要です。

褐色細胞腫による高血圧では、重度の頭痛、不安感、頻脈や動悸(不規則な心拍を自覚すること)、異常な発汗、ふるえ、蒼白などがみられます。これらの症状は、褐色細胞腫からの分泌によってアドレナリンノルアドレナリンの血中濃度が高くなることで現れます。

知っていますか?

  • 頭痛、鼻出血、めまい、顔面の紅潮、疲労などの特定の症状は高血圧によるものと判断されることが多くありますが、実際には高血圧のない人にも同じくらいよくみられます。

高血圧の合併症

長期間続いている高血圧は心臓や血管に損傷を与え、以下のリスクを上昇させる可能性があります。

高血圧を長く患っていると、心臓が血液を送り出すのにより多くの労力を必要とするため、心臓が拡大し、心臓の壁が厚くなっていきます。厚くなった心臓の壁は正常なときより硬くなります。その結果、心房や心室が正常に拡張できなくなり、血液を十分に取り込むことが困難になるため、心臓にかかる負担はさらに重くなります。このような心臓の変化により、 不整脈 不整脈の概要 不整脈とは、一連の心拍が不規則、速すぎる(頻脈)、遅すぎる(徐脈)、あるいは心臓内で電気刺激が異常な経路で伝わるなど、心拍リズムの異常のことをいいます。 不整脈の最も一般的な原因は心臓の病気(心疾患)です。 自分で心拍リズムの異常に気づくこともありますが、ほとんどの人は、脱力感や失神などの症状が起きるまで不整脈を自覚しません。... さらに読む 不整脈の概要 心不全 心不全(HF) 心不全とは、心臓が体の需要を満たせなくなった状態のことで、血流量の減少や静脈または肺での血液の滞留(うっ血)、心臓の機能をさらに弱めたり心臓を硬化させたりする他の変化などを引き起こします。 心不全は心臓の収縮や弛緩が不十分になることで発生しますが、これらの変化は一般的に、心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。... さらに読む 心不全(HF) が生じることがあります。

また、高血圧によって血管の壁が厚くなり、動脈の硬化(動脈硬化 動脈硬化 アテローム性動脈硬化とは、太い動脈や中型の動脈の壁の中に主に脂肪で構成されるまだら状の沈着物(アテロームあるいはアテローム性プラーク)が形成され、それにより血流が減少ないし遮断される病気です。 アテローム性動脈硬化は、動脈の壁が繰り返し損傷を受けることによって引き起こされます。... さらに読む 動脈硬化 )が起こる可能性が上昇します。血管の壁が厚くなった動脈硬化のある人では、脳卒中、心臓発作、血管性認知症、腎不全のリスクが高くなります。脳卒中や心臓発作は、動脈硬化性心血管疾患とみなされます。

診断

  • 血圧測定

最も正確な血圧の測定値、つまり通常の簡易な検査で得られるものではなく高血圧を診断するために用いる測定値を得るには、以下の特定の手順に従って血圧を測定する必要があります(血圧の測定 血圧の測定 血圧の測定 を参照)。患者に座ってもらい、5分ほど経ってから血圧を測定します。患者は測定前の少なくとも30分間、運動、カフェイン摂取、喫煙をしてはいけません。結果が130/80mmHg以上の場合は、血圧が高いとみなしますが、高い数値が1回出ただけでは、高血圧と診断することはできません。数値が大きくばらつくことがあるため、数回高い数値が得られても高血圧との診断を下すのに十分とはいえない場合もあります。最初の測定で高い数値が出た場合は、少し時間をおいてもう1回測り、さらに少なくとも別の2日に、それぞれ2回ずつ測定し、血圧の高い状態が続いているかどうか確認します。

血圧の測定

血圧を素早く、不快感をほとんど与えずに測定することのできる器具がいくつかあります。一般的には通常の血圧計が使用されます。この器具は柔らかいゴムでできたカフと、そのカフを膨らませるためのゴムのバルブ、カフに加わる圧力を表示する計測器から構成されます。計測器は、目盛り板もしくは水銀で満たされたガラスの筒でできています。最初に血圧の測定に用いられたのが水銀柱であったことから、血圧は水銀柱の高さに基づく「mmHg」という単位で表示されます。

血圧計を使う場合、検査を受ける人は脚を組まずに椅子(診察台でなく)に座り、足を床に着けて背もたれにもたれます。腕をむき出しにして座り(衣服の袖をまくり上げる場合、袖が腕を圧迫しないようにします)、軽く肘を曲げて机の上に載せ、腕が心臓と同じくらいの高さになるようにします。カフを腕にぐるりと巻きつけます。腕のサイズに合ったカフを使用することが重要です。カフが小さすぎると、血圧の値が高くなります。反対にカフが大きすぎると、血圧の値が低くなります。

カフの下の動脈に聴診器をあてて拍動音を聞きながら、その血流音が一時的に止まるまでバルブを押してカフを膨らませ、カフによる動脈への圧迫を増していきます。その圧力は通常、検査を受ける人の普段の収縮期血圧(心拍動時の血圧)よりも30mmHgほど高くします。その後、カフから徐々に空気を抜いていきます。このとき、最初に動脈から拍動音が聞こえたときの圧力が収縮期血圧です。カフをさらに緩めると、ある点で拍動音が聞こえなくなります。この時点の血圧が拡張期血圧(拍動の間に心臓が拡張したときの血圧)です。

聴診器やゴムのバルブを使わずに血圧を測定できる自動血圧計もあります。これらの装置には、上腕、指、手首で測定するタイプがあります。50歳以上の人は、上腕で血圧を測定するのが最も正確です。集中治療室に入院中の患者などでは、ときに厳密な血圧の測定が必要になります。このような場合は、動脈内にカテーテルを挿入して、血圧を直接測定します。

高血圧の人向けに、自宅で血圧を測定できる家庭用血圧計もあります。

血圧の測定

それでもまだ診断できない場合は、24時間血圧計を使用します。この血圧計は腰に装着する小型の電池式の装置で、腕に巻いたカフとつながっています。この装置は、24時間または48時間にわたって昼夜を問わず繰り返し血圧を測定し、結果を記録します。この記録から、高血圧の有無とその重症度を判断することができます。

偽性高血圧は、実際は血圧が高くないにもかかわらず測定値が高くなることで、動脈が非常に硬くなった人(ほとんどは高齢者)で起こります。これは腕の動脈が硬すぎてカフで圧迫できないために起こり、正確な血圧は測定できません。

仮面高血圧は、実際は血圧が高いのに測定値が正常な場合をいいます。仮面高血圧は、高血圧にかかっている人の最大10%でみられます。このタイプの高血圧は、血圧を自宅で測定するか、合併症(心不全など)の原因として高血圧が疑われない限り、認識することは不可能です。

高血圧の診断がついたら、通常は重要な臓器、特に血管、心臓、脳、眼、腎臓などに対する高血圧の影響を評価します。高血圧の原因も調べます。臓器損傷の検出や高血圧の原因の特定のために行われる検査の数や種類は、患者毎に異なります。一般に、すべての高血圧患者に対する通常の評価では、 病歴 心臓と血管の病気に関する病歴聴取と身体診察 病歴聴取と身体診察の結果から、心臓や血管の病気が疑われ、その正確な診断を下すために追加の検査が必要になることがあります。 医師が「病歴を聴取」をするというのは、医師が患者に質問して、何が問題であるか「話」をしてもらうことです。医師はまず、症状について質問します。 胸痛、 息切れ、... さらに読む 心臓と血管の病気に関する病歴聴取と身体診察 の聴取、 身体診察 心臓と血管の病気に関する病歴聴取と身体診察 病歴聴取と身体診察の結果から、心臓や血管の病気が疑われ、その正確な診断を下すために追加の検査が必要になることがあります。 医師が「病歴を聴取」をするというのは、医師が患者に質問して、何が問題であるか「話」をしてもらうことです。医師はまず、症状について質問します。 胸痛、 息切れ、... さらに読む 心臓と血管の病気に関する病歴聴取と身体診察 心電図検査 心電図検査 心電図検査は心臓の電気刺激を増幅して記録する検査法で、手早く簡単に行える痛みのない方法です。この記録は心電図と呼ばれ、以下に関する情報が得られます。 心臓の1回1回の拍動を引き起こしている、ペースメーカーとしての部分(洞房結節、洞結節) 心臓の神経伝導経路 心拍数や心拍リズム 心電図では、心臓が拡大していること(通常の原因は... さらに読む 心電図検査 、血液検査(ヘマトクリット値[血液全体の体積のうち赤血球が占める体積の割合]、カリウムおよびナトリウム濃度、 腎機能検査 腎機能検査 腎臓の機能は、血液サンプルと尿サンプルを用いた検査によって評価することができます。 腎機能が大幅に低下すると、老廃物の一種であるクレアチニンの濃度が血液中で上昇します。 単に血液中のクレアチニン濃度を測定するよりも正確な検査項目であるクレアチニンクリアランスは、血液検体から測定したクレアチニン濃度を年齢、体重、性別で補正して概算することが... さらに読む を含む)、尿検査などが行われます。

身体診察では、腹部の腎臓の辺りに圧痛がないか確認し、聴診器を腹部にあてて、腎臓に血液を送り込む動脈内に、狭くなった動脈を通って血液が勢いよく流れる際に生じる雑音(血管雑音といいます)が聞こえるかどうかを調べます。

両眼の網膜を 検眼鏡 で検査します。網膜は、高血圧が細動脈に与える影響を医師が直接観察できる唯一の部位です。網膜の細動脈でみられる変化は、腎臓など、体のあらゆる部位の細動脈や他の血管の変化と似ていると考えられています。網膜の損傷(高血圧網膜症 高血圧網膜症 )の程度を特定することで、高血圧の重症度を分類できます。

心音を聞くために聴診器を使用します。IV音と呼ばれる異常な心音は、高血圧によって心臓に生じる早期症状の1つです。この音は、肺を除く全身に血液を送り出す左心室が拡大して硬くなり、そこに血液を満たすために左心房が激しく収縮するために生じます。

腎障害は尿検査と血液検査から検出できます。尿検査から腎障害の初期の徴候を検出できます。尿から血球とアルブミン(血液中に最も多く含まれるタンパク質)が見つかった場合、腎障害の可能性があります。意識障害(嗜眠)、食欲不振、疲労といった腎障害の症状は、通常は腎機能の70~80%が失われるまで現れません。

原因の診断

血圧が高い人ほど、また年齢が低い人ほど、原因を探るために様々な検査が行われることがありますが、高血圧の原因を特定できるのは全体の10%未満にすぎません。その検査とは、腎臓および腎臓への血液供給に対するX線検査、超音波検査、核医学検査、ならびに胸部X線検査などです。アドレナリン、アルドステロン、コルチゾールなど特定のホルモンを検出するための血液および尿検査も行います。

身体診察での異常な所見や症状によって、原因を推定できる場合があります。例えば、腎臓に血液を送り込む動脈に生じる血管雑音は、腎動脈狭窄症を示唆している可能性があります。様々な症状が同時にみられる場合は、 褐色細胞腫 褐色細胞腫 褐色細胞腫は副腎のクロム親和性細胞に由来する腫瘍で、高血圧やその他の症状を引き起こす強力なホルモンのカテコールアミンが過剰につくられる病気です。 高血圧が最も重大な症状ですが、激しい動悸、大量発汗、立ちくらみ、速い呼吸、重度の頭痛や、そのほかにも多くの症状がみられることがあります。... さらに読む によって分泌されるアドレナリンノルアドレナリンというホルモンの血中濃度が高くなっている可能性が考えられます。褐色細胞腫の存在は、これらのホルモンの分解産物が尿中で検出されることで確認されます。特定の検査を定期的に実施することで、高血圧の他のまれな原因が検出できることがあります。例えば、血液中のカリウム濃度の測定は、 アルドステロン症 アルドステロン症 アルドステロン症は、アルドステロンの過剰産生が原因で、体液貯留による血圧の上昇、脱力感、まれに周期的な麻痺が起きる病気です。 アルドステロン症は、副腎の腫瘍が原因で発生したり、いくつかの病気に対する反応として発生したりします。 アルドステロン値が高いと高血圧とカリウム濃度の低下が起こります。カリウム値が低いと、脱力感、チクチク感、筋肉のけ... さらに読む の検出に役立ちます。

治療

  • 食事と運動

  • 血圧を下げる薬剤

原発性高血圧を治癒させることはできませんが、コントールして合併症を予防することが可能です。高値血圧や程度を問わず高血圧の状態にある人は、生活習慣を改善するべきです。医師が薬を処方するかどうかの決定は、実際の血圧測定値と、動脈硬化性心血管疾患があるかどうか、なくても今後10年間に発症するリスクが10%以上あるかどうかに基づいて行われます。

高血圧の人は、しばしば自宅での血圧測定を医師から勧められます。自分で血圧を測ることが、治療に関する医師の指示に積極的に従う動機づけとなるからです。

治療の目標

ほとんどの場合、高血圧治療の目標は血圧を130/80mmHg未満に下げることです。ただし、血圧が130/80mmHg未満になると失神、ふらつき、記憶障害、めまいなどの問題が発生する患者には、医師はより高めの目標値(140/90未満)を推奨することがあります。また、一部の患者(心疾患のリスクが高い人など)では、収縮期血圧の目標値をさらに低い値に設定するのが適切な場合もあります。

生活習慣の改善

過体重の高血圧患者は、体重を減らすように指示されます。4.5キログラムほど体重を落とせば、血圧は下がります。肥満の人や糖尿病の人、コレステロール値が高い人では、心血管系の病気のリスクを低下させるために、食事を変えること(果物、野菜、低脂肪乳製品が多く、飽和脂肪や総脂肪含有量が少ない食事)が重要です。

カルシウム、マグネシウム、カリウムの摂取量を十分に維持しながら、アルコールと塩(ナトリウム)の摂取量を減らすことによって、高血圧の薬物療法が不要になることもあります。毎日の飲酒量は、男性は2ドリンク以内(1日分の合計がビールの場合は約1リットル、ワインでは約240ミリリットル、アルコール度数50%のウイスキーなどでは約60ミリリットル)、女性は1ドリンク以内にすべきです。毎日のナトリウム摂取量は2.5グラム未満に、塩化ナトリウムでいえば6グラム未満にする必要があります。

薬物療法

高血圧の治療に使用される薬剤は降圧薬と呼ばれています。降圧薬にはいろいろな種類があり、高血圧のほとんどを制御することができますが、治療は患者一人ひとりに適した方法で行う必要があります。患者と医師が十分なコミュニケーションをとり、協力して治療プログラムを実行できれば、治療効果も高まります。

降圧薬の血圧を下げるメカニズムは薬剤の種類によって異なるため、様々な治療戦略があります。患者によっては段階的な薬物療法を行う場合があります。これは、まず1種類の降圧薬で治療を始め、必要に応じて他の降圧薬を加えていく方法です。また、別の患者には逐次的な薬物療法が望ましいと判断することがあります。これは、まず1種類の降圧薬を処方し、効果がなければ中止し、別の種類の降圧薬を処方する方法です。血圧が140/90mmHg以上の患者の場合、通常は2種類の降圧薬を同時に処方します。降圧薬を選ぶ際、医師は以下のような要因を考慮します。

  • 患者の年齢、性別、人種

  • 高血圧の重症度

  • 糖尿病や高コレステロール血症など他の病気の有無

  • 薬剤毎に異なる副作用の可能性

  • 薬剤の価格や特定の副作用を調べるための検査にかかる費用

大部分の患者(74%以上)は、目標値まで血圧を下げるために最終的に2種類以上の降圧薬を必要とします。

大半の患者は処方された降圧薬を問題なく服用することができます。しかし、どの降圧薬にも副作用が生じる可能性はあります。もし副作用が起こったら、患者はすぐに主治医に報告すべきで、そうすれば医師は、薬剤の投与量を調節したり、別の薬剤に変えたりするなどの対策を講じます。通常、降圧薬は血圧を調節するために無期限に服用し続ける必要があります。

二次性高血圧の治療

可能であれば、高血圧の原因疾患を治療します。腎臓の病気を治療すれば、ときに血圧が正常に戻るか、少なくとも低下させることができるため、降圧薬による治療効果が高まります。腎臓につながる動脈の狭窄は、先端にバルーンの付いたカテーテルを挿入してバルーンを膨らませる方法(血管形成術 )によって広げることができます。あるいは、腎臓につながる動脈の狭窄部位に迂回路(バイパス)を作る治療も可能です。このような手術で高血圧が治癒することも多くあります。 褐色細胞腫 褐色細胞腫 褐色細胞腫は副腎のクロム親和性細胞に由来する腫瘍で、高血圧やその他の症状を引き起こす強力なホルモンのカテコールアミンが過剰につくられる病気です。 高血圧が最も重大な症状ですが、激しい動悸、大量発汗、立ちくらみ、速い呼吸、重度の頭痛や、そのほかにも多くの症状がみられることがあります。... さらに読む など高血圧を引き起こす腫瘍は、通常は手術で摘出できます。

3種類の異なる薬を服用しても高血圧が持続する場合は、欧州では、左右それぞれの腎臓につながる動脈にカテーテルを挿入することがあります。そしてカテーテルから高周波を発生させて、腎動脈に沿って交感神経を破壊します。この手技を検討した初期の研究では、血圧を低下させる効果がみられたと考えられました。しかし、より大規模で、より完全な研究では、この手技の有効性は示されませんでした。この治療法は米国では承認されていません。

高血圧に対する他の治療法として、ペースメーカー療法があります。頸部に電極を植えこみ、特定の神経の末端部を刺激することで血圧のコントロールを補助します。この治療法は有効で、欧州とカナダでは行うことができますが、米国ではまだ承認されていません。

高血圧急迫症と高血圧緊急症の治療

高血圧緊急症では、速やかに血圧を下げる必要があります。高血圧緊急症は病院の集中治療室で治療されます。フェノルドパム(fenoldopam)、ニトロプルシド、ニカルジピン、ラベタロールなど、急速に血圧を低下させる薬はほとんどが静脈内に投与されます。

予後(経過の見通し)

高血圧を治療しないでおくと、心不全、心臓発作、心臓突然死などの心疾患や、腎不全、脳卒中を若いうちに起こすリスクが高くなります。高血圧は脳卒中の最大の危険因子です。また、心臓発作の是正可能な三大危険因子のうちの1つでもあります(他の2つは喫煙と血中コレステロール高値です)。

高血圧の治療は、脳卒中や心不全のリスクを大幅に低下させます。さらに、劇的ではないものの、心臓発作のリスクも減少させます。

プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
プロフェッショナル版で 同じトピックをみる
quiz link

Test your knowledge

Take a Quiz! 
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS
TOP