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B型肝炎(急性)

執筆者:

Anna E. Rutherford

, MD, MPH, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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B型急性肝炎は、B型肝炎ウイルスを原因とし、持続期間が数週間から最大で6カ月の肝臓の炎症です。

  • B型肝炎は、違法薬物の注射を目的として滅菌していない針を共用した場合にみられるように、感染した人の血液などの体液と接触することで感染します。

  • B型肝炎はウイルス性肝炎の典型的な症状(食欲不振、全身のだるさ、黄疸など)を引き起こし、劇症肝炎と呼ばれる重症の肝炎も生じることがあります。

  • B型肝炎の診断は、血液検査の結果に基づいて下されます。

  • すべての小児のほか、感染にさらされたり、重い合併症が発生したりする可能性が高い成人に、B型肝炎に対するワクチン接種が推奨されます。

  • B型急性肝炎に対する特別な治療法はありませんが、ほとんどの患者が完治します。

  • 重症の(劇症)肝炎が生じた場合、抗ウイルス薬が役に立ちますが、生存の望みが最も大きいのは肝移植です。

B型肝炎ウイルスは、急性ウイルス性肝炎の2番目に一般的な原因です。米国では、約3000症例のB型急性肝炎の感染が毎年報告されており、B型肝炎ワクチンの使用が普及する前に報告されていた毎年25,000症例から減少しています。しかし、認識されていないか報告されてない症例が多くあります。そのため、実際の新規感染数はもっと多い可能性があります。毎年20,000症例に近いと推定されています。

B型肝炎の感染

B型肝炎は、A型肝炎と比べて感染が起こりにくい病気です。感染は主に、滅菌されていない針の再使用で起こり、こうした状況は、複数人で薬物の注射針を共有している場合や、刺青を彫る針が再利用されている場合にみられます。

輸血を通じて感染する可能性もありますが、現在の米国では血液が事前に検査されるため、ほとんどみられません。

B型肝炎は唾液、涙、母乳、尿、腟分泌液、精液などへの接触によっても広がります。

感染はセックスパートナーの間で起こることがあり、異性間と同性間どちらの場合もあります。また、人が密集して住んでいるところ(刑務所や精神科施設など)では、他者の体液に接触する可能性が高いため、リスクが高くなります。

B型肝炎に感染した妊婦から、分娩中にウイルスが新生児に伝染することがあります。

キャリアを含むB型肝炎患者は、ウイルスを他者に感染させる可能性があります。キャリアとは、感染したものの、もはや症状がみられない人のことです。

虫刺されによってこのウイルスが伝染するかどうかは不明です。

多くの場合、B型肝炎の感染源は不明です。

症状

B型肝炎は一般にA型肝炎より重篤で、死に至ることもあります(特に高齢者の場合)。軽症のこともあれば、非常に重症(劇症肝炎と呼ばれます)のこともあります。B型肝炎の患者がD型肝炎を併発すると症状はいっそう重くなります。

ほとんどのB型肝炎患者で、ウイルス性肝炎の典型的な症状がみられます。具体的な症状としては以下のものがあります。

  • 食欲不振

  • 全身のだるさ(けん怠感)

  • 発熱

  • 吐き気と嘔吐

  • 黄疸(皮膚と白眼が黄色に変色すること)

B型肝炎では、他の肝炎ウイルスの場合より、関節痛やかゆみを伴う赤いじんま疹(膨疹)がよくみられます。

症状は数週間から最大で6カ月持続します。

診断

  • 血液検査

黄疸などの典型的な症状に基づいて肝炎が疑われます。

また、感染症を引き起こしている肝炎ウイルスの種類を特定するための参考にする目的でも、血液検査を行います。血液検査では以下のものを検出することができます。

  • 特定の肝炎ウイルスに反応して患者の免疫系によって作られた抗体

  • 特定の肝炎ウイルスの抗原(抗原とは、体の免疫反応を引き起こすあらゆる物質のことです)

B型肝炎ウイルスが確認され、重症(劇症)である場合、B型劇症肝炎患者の最大50%にみられるD型肝炎の検査も行います。

予防

注射針の共用や複数のセックスパートナーをもつことなど、リスクの高い行為は避けるべきです。

すべての供血者は、輸血によるB型肝炎ウイルス感染を予防するためにB型肝炎の検査を受けます。さらに、輸血によって肝炎にかかる可能性は非常に低いものの、医師は他に選択肢がない場合にしか輸血を行いません。このような対策により、輸血によって肝炎にかかる可能性は劇的に減少しています。

世界中のすべての人々にB型肝炎ワクチンを接種するのが望ましいですが、それには多くの費用がかかります。

B型肝炎ワクチンの追加接種は、免疫系が正常な成人と小児には推奨されません。しかし、血液透析による治療を受けている人や免疫系を抑制する薬を飲んでいる人など、特定の状態の人ではワクチンの効果が低いことがあります。そのような状態の人では、医師はB型肝炎に対する抗体の濃度を測定する血液検査を毎年行い、B型肝炎に対する免疫が持続しているかどうかを判定します。防御されていないことが検査で示された場合、ワクチンの追加接種が行われます。

B型慢性肝炎患者の家族や患者と濃厚な接触がある人で、ワクチンを接種したことがない場合、B型肝炎ワクチンの接種を受ける必要があります。

B型肝炎に感染している母親から生まれた乳児など、ワクチン接種を受けておらずB型肝炎ウイルスにさらされた人にはB型肝炎免疫グロブリンの投与(筋肉内への注射)とワクチン接種を行います。両方を行うことにより、90~95%でB型慢性肝炎を予防したり、重症度を抑えたりすることができます。B型肝炎免疫グロブリンには、肝炎に対する抗体の濃度が高い人の血液から抽出した抗体が含まれます。

B型肝炎の患者の血液に触れてしまった場合は、B型肝炎免疫グロブリンを注射します。B型肝炎ウイルスに対するワクチン接種をしていなければ、それも接種します。ワクチン接種をしていた場合、血液検査を行って防御が持続しているかどうか判定します。持続していない場合、ワクチン接種を行います。

治療

  • 一般的な対策

  • 重症(劇症)肝炎の場合、抗ウイルス薬と肝移植

B型肝炎を含め、急性ウイルス性肝炎に対する特別な治療法はありません。

飲酒によってさらに肝臓が障害されるため、B型肝炎の患者は禁酒すべきです。特定の食べものを避けたり活動を制限したりする必要はありません。

ほとんどの場合、黄疸が消えれば安全に仕事に復帰することができます。

かゆみが生じた場合、経口投与するコレスチラミンによってかゆみが緩和することがあります。

劇症肝炎が生じた場合、抗ウイルス薬(通常はエンテカビルまたはテノホビル)を用います。これらはいずれも経口薬です。これらの薬は生存の可能性を高めます。

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