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A型肝炎(急性)

執筆者:

Anna E. Rutherford

, MD, MPH, Harvard Medical School

最終査読/改訂年月 2017年 11月
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A型急性肝炎は、A型肝炎ウイルスを原因とし、持続期間が6カ月未満の肝臓の炎症です。

  • A型肝炎は、通常、感染した人の便で汚染されたものを摂取したときに感染します。

  • A型肝炎は、年長児と成人ではウイルス性肝炎の典型的な症状(食欲不振、全身のだるさ、黄疸など)を引き起こしますが、幼児では症状が起こらないことがあります。

  • A型肝炎の診断は、血液検査の結果に基づいて下されます。

  • すべての小児のほか、感染にさらされたり、重い合併症が発生したりする可能性が高い成人に、A型肝炎に対するワクチン接種が推奨されます。

  • A型肝炎に対する特別な治療法はありませんが、ほとんどの患者が完治します。

A型肝炎は、急性ウイルス性肝炎の最も一般的な原因です。小児と若い成人で特に多くみられます。A型肝炎は慢性化しません。つまり、感染が6カ月を超えて持続しません。

米国では、2014年に約2500例の症例が報告されており、1995年にA型肝炎ワクチンが使用可能になる前の年間約25,000~35,000例から減少しています。一部の国では、75%以上の成人がA型肝炎ウイルスにさらされています。

A型肝炎の感染

A型肝炎は通常、感染した人の便で汚染されたものに触れたり、そのような食べものや飲みものを摂取したりしてウイルスを飲み込んだときに感染します(これを糞口感染 寄生虫と糞口感染 寄生虫感染症は開発が進んだ地域よりも開発途上の地域や農村部で多くみられます。 開発が進んだ地域では、寄生虫感染症は移民や帰国した旅行者、免疫機能が低下している人に起こります。 通常、寄生虫は口か皮膚から人体に侵入します。 医師は感染を診断するときに、血液、便、尿、たんや、その他の感染組織のサンプルを採取し、検査室へ送って調べてもらいます。... さらに読む といいます)。感染は通常、感染した人が手をよく洗わずに食べものを調理するなどの、不良な衛生状態を原因として起こります。未処理の下水が流れ込む水域でとれた貝類や甲殻類は汚染されている場合があり、生で食べると感染する可能性があります。

A型肝炎は託児所や介護施設で、感染者の便が付着したおむつに介護者や子どもが触れて広がることもあります。

症状が現れる前、自分が感染していると気づく前にもウイルスが広がることがあります。

通常は便で汚染された水に起因する流行がよくみられ、発展途上国にとりわけ多いです。

A型肝炎患者はキャリアにはなりません。キャリアとは、ウイルスに感染していて他者にウイルスを感染させる可能性があるものの、その感染症の症状がみられない人のことです。

症状

年長児と成人のA型肝炎患者の大半で、急性肝炎の典型的な症状がみられます。具体的な症状としては以下のものがあります。

6歳未満の小児の約70%では症状がなく、症状があっても黄疸がみられることはまれです。

症状は、通常約2カ月で消えますが、最大で6カ月にわたって持続したり再発したりすることがあります。

通常、A型急性肝炎は完治します。

診断

  • 血液検査

黄疸などの典型的な症状に基づいて肝炎が疑われます。

また、感染症を引き起こしている肝炎ウイルスの種類を特定するための参考にする目的でも、血液検査を行います。血液検査では以下のものを検出することができます。

  • 特定の肝炎ウイルスに反応して患者の免疫系によって作られた抗体

  • 特定の肝炎ウイルスの抗原(抗原とは、体の免疫反応を引き起こすあらゆる物質のことです)

予防

食べものを取り扱う際の衛生状態を改善することが、A型肝炎の感染予防に役立ちます。トイレを使った後、おむつを替えた後、食べものを取り扱う前に、石けんと水で手を洗うべきです。

汚染された水の摂取を避けることも重要です。公衆衛生が不十分な可能性のある地域に旅行するときは、特に注意する必要があります。

A型肝炎 A型肝炎ワクチン A型肝炎ワクチンはA型肝炎の予防に役立ちます。一般的に、A型肝炎はB型肝炎ほど重篤ではありません。A型肝炎は無症状の場合もよくありますが、発熱、吐き気、嘔吐、黄疸がみられることや、まれに重度の肝不全や死亡に至ることもあります。慢性肝炎にはなりません。 ワクチンの使用によって、感染者数が減少しました。 詳細については、CDCによるA型肝炎ワクチン説明書(Hepatitis A vaccine... さらに読む に対するワクチン接種はすべての小児に推奨されます( 乳児と小児のための定期予防接種 乳児と小児のための定期予防接種 米国では、ほとんどの医師は米国疾病予防管理センター(CDC—CDCのウェブサイトを参照)が推奨している予防接種スケジュールに基づいて予防接種を行っており、このスケジュールは病院の新生児室で行われるB型肝炎ワクチンの接種から始まります。(小児期の予防接種も参照のこと。) 親は子どもにスケジュールに従って予防接種を受けさせるよう努めるべきです。予防接種のタイミングがかなり遅れると、小児にワクチンで予防しえた深刻な病気にかかるリスクが生じます... さらに読む )。大人でもA型肝炎への感染リスクが高い以下のような人への接種が推奨されます。

  • A型肝炎がまん延している地域に旅行する人

  • A型肝炎ウイルスを取り扱う検査室や研究室のスタッフ

  • 慢性肝疾患または出血性疾患の患者

  • 男性と性行為を行う男性

  • 違法薬物の使用者(しばしば薬物使用以外の理由で感染する)

慢性肝疾患(C型慢性肝炎など)の患者は、A型肝炎ウイルスに起因する劇症肝炎と肝不全の発生リスクが高くなっている可能性があるため、A型肝炎に対するワクチン接種を受けるべきです。

A型肝炎にさらされた後の予防

A型肝炎患者の家族や患者と濃厚な接触がある人は、感染にさらされているため、予防策が推奨されます(曝露後予防と呼ばれます)。

ワクチン接種を受けたことがない人がA型肝炎ウイルスにさらされた場合、次のいずれかの投与を受けます。

  • 1~40歳の健康な人:A型肝炎ワクチン1回

  • 40歳を超えているか、免疫機能が低下しているか、慢性肝疾患がある人:標準的な免疫グロブリン製剤

標準的な免疫グロブリン製剤は、免疫系が正常な人の血液から抽出された抗体を含有する製剤です。この治療法によって、感染症の重症化を予防したり、感染症の症状を軽減したりすることができます。

治療

  • 一般的な対策

A型肝炎に対する特別な治療法はありません。

飲酒によってさらに肝臓が障害されるため、A型肝炎の患者は禁酒すべきです。特定の食べものを避けたり活動を制限したりする必要はありません。

かゆみが生じた場合、経口投与するコレスチラミンがしばしば効果的です。

ほとんどの場合、黄疸が消えれば安全に仕事に復帰することができます。

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