インピーダンス検査

(インピーダンスプラニメトリー)

執筆者:Jonathan Gotfried, MD, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
レビュー/改訂 2021年 4月
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    インピーダンス試験は新しいタイプの検査で、プローブを用いて食道内でバルーンを膨らませ、バルーンを一定量膨らませるのに必要な圧力の大きさを測定します。食道が正常より硬かったり軟らかかったりする場合、それは病気の存在を意味している可能性があります。

    検査前の4時間は一切の飲食が禁止されます。

    この検査では、細いチューブ(カテーテル)を鼻から食道(のどと胃をつないでいる管状の臓器)まで通します。そのチューブは塩水(生理食塩水)で満たされたバルーンで覆われています。そのバルーンを使って、食道の内側の断面積とその部分の圧力を測定します。バルーンを膨らませると、バルーンに沿って配置されたセンサーによって、食道の内圧と内径が測定されます。センサーにつながったワイヤーから患者が装着しているデータ記録装置に、測定結果が送信されます。内圧測定の結果とデータは、嚥下困難など、消化管に問題がある場合のさらなる評価に役立ちます。インピーダンス検査では、酸性度にかかわらず胃から排出される液体を検出できるため、食道への胃酸逆流(pHモニタリングを使用)と酸以外の逆流の両方を測定することができます。

    ときにインピーダンス検査は、内圧を測定する別の検査である内圧検査(マノメトリー)と組み合わさせて行われます。

    インピーダンス検査は、消化管(特に食道)の様々な病気の診断に用いられます。例えば、食道の律動的な収縮を制御する神経の異常(アカラシア)、食道の壁に大量の白血球が集まる炎症性疾患(好酸球性食道炎)、さらに場合によっては胃内容の食道への逆流(胃食道逆流症[GERD])を、この検査法で評価することができます。内圧検査を行っても診断がつかない場合や、患者が内圧検査に耐えられない場合に、診断につながる有用な情報を得ることができます。

    また、消化器系の病気の治療中や治療後にもインピーダンス検査を行うことがあります。例えば、アカラシアの治療(手術など)を受けている人では、治療が効いているかどうかを判断でき、またどのような治療が必要かを医師が判断するのに役立つため、この検査を再度行います。この検査は、肥満外科手術または逆流に対する手術(噴門形成術)を受けた患者にも行われることがあります。

    インピーダンス検査の合併症はまれですが、具体的には鼻、のど、食道の損傷などがあります。

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