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食道けいれん

(数珠様食道、びまん性食道けいれん)

執筆者:

Kristle Lee Lynch

, MD, Perelman School of Medicine at The University of Pennsylvania

最終査読/改訂年月 2018年 5月
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食道けいれんは、ぜん動(波のように進む筋肉のリズミカルな収縮)が障害される病気です。

  • この病気の原因は分かっていません。

  • 症状としては、胸痛や嚥下困難などがあります。

  • 診断は食道造影検査と内圧検査の結果に基づいて下されます。

  • 治療法としては、カルシウム拮抗薬のほか、ときにボツリヌス毒素の注射などを行います。

この病気では、食道内で食べものを前進させる正常な収縮に代わって、食べものの前進を伴わない収縮や過剰な筋肉収縮(筋力過多)がたびたび起こるようになります。

食道けいれん患者の最大30%では、下部食道括約筋の開閉にも異常がみられます。下部食道括約筋は輪状の筋肉で、食べものや胃酸が食道を逆流して上がって行かないように、食道の下部を閉じた状態に保っています。何かを飲み込むと、正常であればこの括約筋が弛緩(しかん)して、食べものが胃に入れるようになります。

食道の働き

飲み込んだ食べものは、口からのど(咽頭)へと移動します(1)。食べものが食道に入るように上部食道括約筋が開き(2)、食道ではぜん動という波のような筋肉の収縮によって食べものが先へと送られます(3)。続いて食べものは下部食道括約筋を通り(4)、胃に入ります(5)。

食道けいれんの正確な原因は不明ですが、神経の異常が疑われています。

症状

食道全体に筋れん縮が起こり、一般的は胸骨の下の胸痛 胸痛 胸痛は非常によくみられる症状です。鋭い痛みと鈍い痛みがありますが、胸に病気がある人が使う表現は、不快感、締めつけられる感じ、圧迫感、ガスがたまった感じ、焼けつくような痛み、うずくような痛みなどです。ときに、背部、首、顎、上腹部、腕などにも痛みが生じることがあります。胸痛の原因によっては、吐き気、せき、呼吸困難などの他の症状が現れることもあります。 胸痛が場合によっては生命を脅かす病気の徴候であることは多くの人がよく理解しており、わずかな... さらに読む として感じられ、液体(特にとても熱いものや冷たいもの)と固形物の嚥下困難 嚥下困難 飲み込みに障害が生じること(嚥下[えんげ]困難)があります。嚥下困難では、食べものや飲みものがのど(咽頭)から胃へと正常に移動しません。のどと胃をつなぐ管(食道)の途中で食べものや飲みものが動かなくなったように感じます。嚥下困難をのどのしこり(球感覚)と混同してはならず、球感覚ではのどにしこりがある感じがしますが、飲み込みに支障はありません。 嚥下困難によって、口腔分泌物や飲食物を肺に吸い込む誤嚥(ごえん)が生じる可能性があります。誤嚥... さらに読む を併発します。胸痛は夜間にも起こり、目が覚めるほど痛みが強いことがあります。

アカラシア アカラシア アカラシアとは、食道のリズミカルな収縮(ぜん動)がみられないか弱くなり、下部食道括約筋が正常に弛緩(しかん)しなくなり、下部食道括約筋の静止圧が上昇する病気です。 この病気の原因は通常は不明ですが、ウイルスにさらされた後に発生することがあります。 アカラシアの主な症状は嚥下困難です。 診断は内圧検査と食道造影検査の結果に基づいて下されます。 治療の目標は症状の緩和であり、具体的には、下部食道括約筋をバルーンで拡張する、括約筋の筋線維を切... さらに読む (食道のリズミカルな収縮が著しく減少する病気)と食道けいれんでは、どちらも下部食道括約筋が適切に開かないため、両者の症状が同時にみられることがあります。そうした組合せの1つは活動性アカラシアと呼ばれています。食道内の食べものの滞留(少量の食べものを肺に吸い込む誤嚥[ごえん]を起こすことがある)と、食道けいれんによる激しい胸痛の併発が特徴的です。

診断

  • 食道造影検査

  • 内圧検査(マノメトリー)

治療

  • カルシウム拮抗薬

  • ときにボツリヌス毒素注射

  • まれに手術

食道けいれんは治療が困難な場合がよくあります。ニフェジピンなどのカルシウム拮抗薬により、食道の筋肉が弛緩(しかん)して症状が和らぐことがあります。三環系抗うつ薬も筋肉を弛緩させるために使用されることがあります。

薬剤で効果が得られない場合は、ボツリヌス毒素を下部食道括約筋に注射することがあります。

患者によっては、治療が非常に難しい症状がみられることがあります。まれに、外科医または消化器専門医が食道の全長にわたって筋層を切開する手術(筋層切開術)を行います。

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