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陽電子放出断層撮影(PET)

執筆者:

Mehmet Kocak

, MD, Rush University Medical Center

レビュー/改訂 2019年 5月
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PET(陽電子放出断層撮影)は核医学検査の一種であり,陽電子(正の電荷をもつ,電子の反粒子)の放出により崩壊する放射性核種を含む化合物を使用する。放出された陽電子は電子と結合して,軌道が180°異なる2つの光子を生じる。陽電子放出源を取り囲むリング状の検出器システムが,2個の光子を同時に検出して放出源の位置を同定し,その領域のカラー断層画像を作成する。PETは陽電子放出核種を代謝活性のある化合物に組み込むため,組織機能に関する情報が得られる。Standard uptake value(SUV)は,病変の代謝活性を示す;典型的にはSUVが高いと,色の強度が増す。

臨床PETで最もよく使用される化合物は次のものである:

  • フッ素18(18F)標識デオキシグルコース(FDG)

FDGはグルコースのアナログであり,その取り込みはグルコース代謝率に比例する。患者の相対的なグルコース代謝率(SUV)が計算される:注射によって取り込まれたFDGの量を患者の体重で除する。

PETの使用

PETには以下のようないくつかの臨床適応がある:

  • がん(例,特定の種類のがんの病期分類および評価ならびに治療への反応の評価),PETの使用の80%を占める

  • 心機能(例,心筋バイアビリティの評価,冬眠心筋の検出)

  • 神経機能(例,認知症および痙攣の評価)

PETの適用は研究され続けている。米国では,全ての適用が償還されるわけではない。

バリエーション

PETの短所

PETにおける典型的な実効線量は約7mSvである。PET-CTの実効線量は5~18mSvである。

FDGの製造にはサイクロトロンが必要である。FDGは半減期が短いため(110分),製造業者からの輸送と撮影の完了を非常に迅速に行う必要がある。結果として高額で,不便で,非実用的であることから,PETの利用可能性は大きく制限されている。

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