薬物は,その薬物の特性(例, 効力 薬物の効力と安全性 言うまでもなく,薬剤の投与(または何らかの治療)は,患者の便益になる場合にのみ行うべきである。便益は,望ましい結果(効力)を生む薬物の能力ならびに有害作用(安全性)の種類および可能性の両方が考慮される。費用もまた一般的に便益とのバランスがとられる( 臨床的意思決定における経済的分析を参照)。... さらに読む , 安全性プロファイル 薬物の効力と安全性 言うまでもなく,薬剤の投与(または何らかの治療)は,患者の便益になる場合にのみ行うべきである。便益は,望ましい結果(効力)を生む薬物の能力ならびに有害作用(安全性)の種類および可能性の両方が考慮される。費用もまた一般的に便益とのバランスがとられる( 臨床的意思決定における経済的分析を参照)。... さらに読む , 投与経路 薬物の吸収 薬物の吸収は,薬物の物理化学的性質,剤形,および投与経路によって決まる。薬物とそれに加える他の成分から成る剤形(例,錠剤,カプセル剤,液剤)は,様々な経路(例,経口,頬粘膜,舌下,直腸,注射,塗布,吸入)で投与するために製剤化する。投与経路にかかわらず,薬物が吸収されるには溶解している必要がある。したがって,固形製剤(例,錠剤)は崩壊して... さらに読む , 排泄経路 薬物の排泄 腎臓は,水溶性物質を排泄する主要臓器である。胆道系は,薬物が消化管から再吸収されない限り,排泄に寄与する。一般に,腸管,唾液,汗,乳汁,および肺の排泄への関与は,揮発性麻酔薬の放散を除いて小さい。乳汁を介した排泄は,授乳中の乳児に影響を及ぼす可能性がある( 授乳中の母親に禁忌となる主な薬剤の表を参照)。... さらに読む ,投与回数, 費用 臨床的意思決定における経済的分析 限られた社会的資源および人的資源,ならびに健康保険の下での制約を考えると,費用を考慮することが,臨床的意思決定においてますます重要な問題となってきている。限られた資源を浪費すべきでない;費用の配分は,治療戦略によってもたらされる様々な費用やアウトカムをどれだけ理解しているかに依存する。... さらに読む )および患者の特性(例,年齢,性別,他の医学的問題,妊娠の可能性,民族,他の遺伝的決定因子)に基づいて選択する。薬物のリスクと便益についても評価するが,全ての薬物にはいくらかのリスクがある。
薬物に対する反応は,患者の特性ならびに行動(例,食品またはサプリメントの摂取;投与レジメンへのアドヒアランス(服薬遵守);年齢による代謝の違い[ 高齢者における薬物動態 高齢者における薬物動態 薬物動態は,生体が薬物に及ぼす作用と定義するのが最も的確であり,それは以下で構成される: 吸収 体区画への分布 代謝 排泄 さらに読む を参照],性別,人種, 遺伝子多型 薬理遺伝学 薬理遺伝学は,遺伝子構成による薬物反応の多様性を扱う学問である。 薬物代謝酵素の活性は,健常者でも大きく異なることが多く,それが代謝を極めて多様にする。薬物消失速度は最大で40倍までばらつく。遺伝因子および加齢がこれらのばらつきの原因であると思われる。 薬理遺伝学的な変異(例,アセチル化,加水分解,酸化,または薬物代謝酵素における変異)が... さらに読む ,または肝機能不全もしくは腎機能不全),他の疾患の併存,および他の薬物の使用によってある程度異なる。
さらに 薬剤エラー 薬剤エラー 薬剤エラーは罹病および死亡の一因となる。1年間で最大1770億ドル(定義によって異なる)の費用を米国の医療制度に生じさせていると推定される。薬剤エラーの形態を以下に示す: 薬剤の間違った選択,または間違った用量,投与回数,もしくは投与期間での処方 薬剤師による処方箋の誤読に起因する間違った薬剤または間違った用量での調剤... さらに読む (例,不適切な薬剤の処方,処方箋の誤読,薬剤の誤投与)も反応に影響することがある。