歯,マスク,および眼の圧外傷

執筆者:Richard E. Moon, MD, Duke University Medical Center
レビュー/改訂 2019年 7月
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圧外傷は,身体区画内のガス容積が圧力に応じて変化することに起因する組織損傷である。歯の周辺,潜水用フェイスマスク内,またはハードコンタクトレンズ下の空隙で起こりうる。

潜水障害の概要および圧外傷の概要も参照のこと。)

歯の圧外傷潜降中または浮上中に,齲蝕の根元または詰め物に隣接した空隙の中の圧力が急速に変化すると,疼痛または歯の損傷が生じる場合がある。舌圧子で打診すると,そのような歯は痛むことがある。

マスク圧外傷は,フェイスマスクの裏側の空隙にある圧が,潜降中に平衡化されないときに起こる。その結果相対的な真空が生じ,局所痛,結膜出血,およびマスクに覆われた皮膚の斑状出血を来すことがある。眼窩後部の出血もありうるが,まれである。

眼窩後部の出血が疑われる場合,完全な眼科診察(視力検査,外眼筋運動,および眼圧測定を含む)ならびに頭部CTを行う。マスク圧外傷は,鼻からフェイスマスク内に息を吐き出してフェイスマスク内の圧を平衡化することで回避しうる。

眼の圧外傷は,ハードコンタクトレンズの裏側に小さな気泡がトラップされる際に生じる。この気泡は,眼を損傷し,疼痛,視力低下,および光源周囲の光輪(halo)を引き起こす。スクリーニング的に眼科検査を実施し他の原因を除外すべきである。水泳用ゴーグルの裏側の圧は平衡化できないため,潜水に使用すべきでない。

治療

  • 症候性

通常は対症療法で十分である。

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