擦過傷

執筆者:Adam J. Singer, MD, Stony Brook University, Renaissance School of Medicine
レビュー/改訂 2020年 6月
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擦過傷は,表皮または真皮の一部もしくは全部に生じた皮膚の擦り傷である。

裂創と同様に,擦過傷にも評価,洗浄,およびデブリドマンを行う。しかしながら,擦過傷は麻酔が比較的難しく,大量の土,石,またはガラスが埋まっている場合(実際によくみられる)で,特に深く損傷が及んだ場合に特に問題となる;局所神経ブロックまたは処置中の鎮静が必要となることがある。

治療

  • 洗浄

  • 抗菌薬

全てのデブリスを徹底的に除去した後(激しくこする必要がある場合もある),抗菌薬軟膏(例,バシトラシン,バシトラシン/フラジオマイシン/ポリミキシン)を塗布し,非固着性で細菌を透過しないガーゼドレッシングを当てることができる。

その他の市販の創傷ドレッシング材を使用してもよい;目標は,創傷部を乾燥から守ること(乾燥により再上皮化が阻害されるため),およびドレッシング材の固着を防ぐことである。欠損が大きい場合,膿性分泌物(感染を示す)や創傷治癒が止まっていないかを確認するために,綿密な観察とフォローアップが必要である。

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