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青年期における学校での問題

執筆者:

Sharon Levy

, MD, MPH, Harvard Medical School

レビュー/改訂 2020年 9月
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青年期において学校は大きな部分を占める。人生のほとんどあらゆる領域の問題は,しばしば学校での問題として現れる。

ときに,幼少期には認識されていなかった軽度の 知的障害 知的能力障害 知的能力障害は,平均を著しく下回る知的機能(しばしば知能指数で70~75未満と表現される)に加えて,適応機能(すなわち,コミュニケーション,自己主導,社会的技能,自己管理,社会資源の利用,自身の安全の維持)において制限がみられるとともに,支援の必要性が実証されていることが特徴である。管理は教育,家族カウンセリング,および社会的支援から構成される。 知的能力障害は,神経発達障害の1つと考えられている。神経発達障害とは,小児期早期,典型的に... さらに読む が学校での問題を起こすことがある。 注意欠如・多動症 注意欠如・多動症(ADD,ADHD) 注意欠如・多動症(ADHD)は,不注意,多動性,および衝動性から構成される症候群である。不注意優勢型,多動性・衝動性優勢型,混合型の3つの病型に分類される。診断は臨床的な基準により下される。治療では通常,精神刺激薬による薬物療法,行動療法,教育的介入などが行われる。 注意欠如・多動症(ADHD)は,神経発達障害と考えられている。神経発達障... さらに読む などの小児期早期に発生した行動障害が,青年期にも継続して学校での問題を引き起こす可能性がある。

以下のものが特に問題となる:

  • 登校に対する恐怖

  • 無断欠席

  • 中退

  • 学業成績の低迷(特に成績評価の変化または成績の低下)

青年の1~5%は 登校に恐怖 不登校 不登校は学齢期の小児全体の約5%にみられ,男女差はない。通常は5~11歳の小児で生じる。 不登校の原因ははっきりしない場合が多いが,心理的因子(例,不安, 抑うつ)と社会的因子(例,友人がいない,仲間から拒絶されていると感じる, いじめられている)が関与している。不登校行動が高じて欠席日数が多くなってくると,この行動はより深刻な問題( 小児期の抑うつ障害 や 不安症[特に 社交不安症,... さらに読む を感じる。この恐怖は,学校全般に対する場合と特定の人物(教師または他の生徒― いじめ いじめ 小児および青年は,ときに他者と身体的な衝突を起こすことがあるが,その大半は継続的な暴力行動に発展することもなければ,暴力犯罪につながることもない。思春期前から暴力的になる小児と青年では,犯罪を犯すリスクが高くなる。 小児および青年における暴力行動は現在ますます増加している。最大3分の1の小児が,加害者,被害者,またはその両方として,いじめに関与している可能性がある。社会的ストレス(例,低収入の家庭,教育水準の低い親)はいじめの危険因子で... さらに読む も参照)または学校行事(体育の授業など)に関連する場合がある。腹痛などの身体症状を発症する,または単に登校を拒否することもある。学校関係者および家族は,恐怖の原因がある場合はそれを特定し,登校するよう励ますべきである。

無断欠席または中退を繰り返す青年は,不登校を意識的に決断している。このような青年は一般に学業成績が不良で,学校関連の活動に参加してもうまくいかなかったか,満足感が得られていない。避妊をしない性交,薬物の使用,暴力への関与など,高リスク行動をしばしば行う。中退するリスクのある青年には,職業訓練および代替プログラムなどの他の教育プログラムがあることを知らせるべきである。

青年期の学校での問題は,以下に挙げる項目の結果である可能性がある:

青年がより多くの自由を求めるにつれ,その欲求は子どもの安全を守ろうとする親の欲求と衝突する。青年は,登校拒否または飲酒など,様々な方法で反抗する。不安または抑うつ状態の青年は治療を拒否する,または処方薬を中止することがある。このような対処困難な行動は全て,家庭および学校での問題を引き起こす。

診断

  • 学習および精神状態の評価

一般に,重大な学校問題を起こす青年は,学習および精神状態の十分な評価を受けるべきである。

治療

  • 原因の治療

学校での問題については,特に学習または注意力の問題が関連する場合,医師が学校関係者および親と連携して対処すべきである。学習障害または知的障害がある場合は,個別教育計画(IEP)により適切なサービスを提供すべきである。環境の変化や,ときには薬物療法が,苦悩する生徒の大きな助けとなりうる。

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