トイレトレーニング

執筆者:Deborah M. Consolini, MD, Thomas Jefferson University Hospital
レビュー/改訂 2019年 6月
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    トイレトレーニングでは,トイレに関する個々のステップ(トイレに行くかどうかを決め,服を脱ぎ,排泄し,再び服を着て,水を流し,手を洗うこと)について児の準備の整ったことを親が認識し,それらを実行に移す。

    大抵の小児は2~3歳で排便の,3~4歳で排尿の訓練が可能になる。平均的な小児では,5歳までに1人でトイレに行けるようになる。4歳以上の小児については,小児における尿失禁および小児における便失禁を参照のこと。

    トイレトレーニングを成功させる鍵は,訓練に対する準備が整っている徴候を認識することである(通常,生後18~24カ月):

    • 数時間尿を漏らさずにいられる。

    • オマルに座ることに関心を示し,排尿または排便を準備している徴候を目に見える形で表現する。

    • 排尿または排便後,おむつを替えてもらいたがる。

    • 元にあった場所に物を置くことができ,口頭での簡単な指示を理解し実行できる。

    トイレトレーニングのアプローチは養育者全員で一貫していなければならない。

    タイミング法が最も一般的なアプローチである。一旦,児が準備が整ったことを示せば,親はこれから何が起こるかについて,児に容易に理解できる言葉を選びながら児と話す。オマルに徐々に慣らし,まず完全に服を着たまま短時間座らせる;次にパンツを脱ぎ,長くて5~10分程度オマルに座り,再び服を着ることを練習する。訓練の目的を繰返し説明し,オマルの中に濡れた,または汚れたおむつを置くことでそれを強調する。オマルと排泄の関係がわかったら,親は児の排泄の欲求を察知し,排泄がうまくいったら積極的にほめてやるよう心がけるべきである。また,排泄の欲求が感じられたらいつでもオマルを使う練習をするよう児に促す。児にはまた,排泄が終わるたびに水を流し手を洗うことを教えるべきである。排泄の予測がたたない小児では,この種の方法は実行が難しく,訓練は児が自分で排泄を予測できるようになるまで待たなければならない。たまたま失敗したりうまくいかなかったりしたときに,怒るまたは罰するのは逆効果である。

    児がオマルに座るのを嫌がる場合は,食後に再び試みるとよい。何日間も抵抗が続くようなら,トレーニングを少なくとも数週間延期するのが最もよい方法である。トイレに成功したことに対し報酬を与えて行動変容を促すのも1つの選択肢であるが,一旦そのパターンが確立したら,報酬は徐々に減らしていく。

    力ずくでの訓練は,それまでに達成されたあらゆる進歩を退行させる原因となることが多く,親子関係にひずみを生じさせる場合もあるため避けなければならない。トイレトレーニングが済んだ小児もまた,病気になったときや感情的に動揺しているとき,あるいは弟や妹ができた際など親からの注目を集めたいと感じるときに,退行することがある。オマルの使用拒否は,親に言うことを聞いてもらおうとする小細工の表れである場合もある。このような状況では,児にプレッシャーをかけることを避け,報酬を与え,もし可能であればトイレが関係しないときに児により多くの世話と注目を向けるよう親を指導する。

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