ショイエルマン病

(Scheuermann病)

執筆者:Frank Pessler, MD, PhD, Helmholtz Centre for Infection Research
レビュー/改訂 2020年 10月
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ショイエルマン病(Scheuermann disease)は,椎体に限局性変化を引き起こして背部痛および後弯を来す骨軟骨症である。診断は脊椎X線による。治療としては通常,荷重負荷の軽減および激しい運動を減らすことのみである。

ショイエルマン病は青年期に発症し,男子にやや多くみられる。これはおそらく同様の症状を呈する疾患群を反映しているものであるが,病因および発生機序は不明である。椎体上下の軟骨の終板における骨軟骨炎または外傷に起因することがある。一部の症例は家族性である。

ほとんどの患者は猫背の姿勢であり,持続する軽度の背部痛を有することがある。一部の患者はマルファン症候群の患者と類似する外見(体幹と四肢の長さが不均衡)を呈する。正常な胸椎後弯が広範にまたは局所的に増強する。

診断

  • X線

一部の症例は,脊柱変形に関する学校でのルーチンのスクリーニングで判明する。脊椎のX線側面像で,連続した3個以上の椎体(通常は下位胸椎および上位腰椎)に5°以上の前方の楔状化が示されることによって,ショイエルマン病の診断が確定する。後に終板は不整となり硬化を示すようになる。脊柱のアライメント異常は主として後弯であるが,ときに部分的に側弯のことがある。

非典型例では,全身性の骨異形成症を全身骨X線検査によって除外する必要があり,もし臨床的背景から脊椎結核が疑われる場合は,CTまたはMRIによってそれを除外する必要がある。

治療

  • 荷重負荷の軽減,激しい運動の軽減,またはその両方

  • まれに脊椎装具または手術

経過は軽度であるが長く,しばしば数年間続く(ただし期間は非常に多様である)。本症が鎮静化した後に,脊椎の軽微なアライメント異常が残存することが多い。

軽度で非進行性の症例は,荷重負荷のストレスの軽減および激しい運動の回避によって治療できる。ときに脊柱後弯症がより重度の場合,脊椎装具または固いベッドの上での横臥位での安静が適応となる。

まれに,進行性の症例には外科的な固定およびアライメント異常の矯正が必要である。

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