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素行症

執筆者:

Josephine Elia

, MD, Nemours/A.I. duPont Hospital for Children

最終査読/改訂年月 2019年 5月
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素行症は,他者の権利を侵害する行為や年齢相応の主要な社会規範または規則に違反する行動を反復的または持続的に起こそうとする状態である。診断は病歴に基づいて行う。併存症の治療と精神療法が助けになることもあるが,多くの小児でかなりの程度の監督が必要である。

程度を問わない素行症の有病率は約10%である。発症は通常,小児期後期または青年期前期であり,女児よりも男児の方がはるかに多い。

病因としては遺伝因子と環境因子が複雑に絡み合っている可能性が高い。素行症を有する青年の親は,しばしば物質乱用 物質関連障害群の概要 物質関連障害群には,脳内報酬系を直接活性化する薬物が関与する。報酬系が活性化されると,典型的には快感が生じるが,具体的にどのような快感が誘発されるかは,薬物に応じて広い幅がある。このような薬物は,薬理学的機序の差異(全く別とは言えない)に基づき10のクラスに分類される。該当する薬物クラスとしては以下のものがある:... さらに読む や反社会的行動に関与しており,注意欠如・多動症(ADHD) 注意欠如・多動症(ADD,ADHD) 注意欠如・多動症(ADHD)は,不注意,多動性,および衝動性から構成される症候群である。不注意優勢型,多動性・衝動性優勢型,混合型の3つの病型に分類される。診断は臨床的な基準により下される。治療では通常,精神刺激薬による薬物療法,行動療法,教育的介入などが行われる。 注意欠如・多動症(ADHD)は,神経発達障害と考えられている。神経発達障... さらに読む 気分障害 気分障害の概要 気分障害は,長期間にわたる過度の悲しみ,過度の喜び,またはその両方から成る情動の障害である。気分障害は小児や青年にも発生することがある(小児および青年における抑うつ障害を参照)。 気分障害は以下のように分類される: 抑うつ障害群 双極性障害 不安症および関連症群は,気分障害には分類されないが,気分に影響を及ぼす。 さらに読む 統合失調症 小児および青年における統合失調症 統合失調症は,心理社会的機能に相当程度の障害を来す幻覚および妄想が6カ月以上継続してみられる状態である。 (成人における統合失調症も参照のこと。) 統合失調症の発症は,典型的には青年期中期から30歳代中盤にかけてみられ,発症のピークは20代である。青年と若年成人における特徴は類似している。思春期前の小児の統合失調症(小児期発症統合失調症)は,青年/若年成人発症型と同様の症状で12歳未満で発症するものであるが,極めてまれである。... さらに読む ,または反社会性パーソナリティ障害 反社会性パーソナリティ障害(ASPD) 反社会性パーソナリティ障害は,結果や他者の権利を軽視する広汎性のパターンを特徴とする。診断は臨床基準による。治療には,認知行動療法,抗精神病薬,および抗うつ薬がある。 (パーソナリティ障害の概要も参照のこと。) 反社会性パーソナリティ障害患者は,個人的利益や快楽のために違法行為,欺瞞行為,搾取的行為,無謀な行為を行い,良心の呵責を感じない;患者は以下のことを行うことがある: 自分の行動を正当化または合理化する(例,敗者は負けるべくして負... さらに読む の診断を受けている割合が高い。しかしながら,素行症はよく機能した健全な家庭に属する小児にも生じうる。

症状と徴候

素行症を有する小児または青年は,他者の感情や幸福に対する感受性を欠いており,ときに他者の行動を脅迫であると誤解することがある。いじめや脅迫を行ったり,武器を振り回したり使用したり,身体的虐待を行ったり,他者に性行為を強要したりするなどして攻撃的に行動することがあり,これら全てにおいて反省という感情をもつことは,ほとんどまたは全くない。一部の症例では,その攻撃性および虐待が動物に向けられる。このような小児または青年は,器物を損壊し,嘘をつき,窃盗を行うことがある。患児は欲求不満に対する耐性が低く,一般的に無謀で規則や親が課した禁止事項を破ってしまう(例,家出,学校の無断欠席などによる)。

診断

  • 臨床基準

素行症は,小児または青年が直近の12カ月間に以下の行動のうち3つ以上を示し,かつ直近の6カ月間に少なくとも1つを示す場合に診断される:

  • 人および動物に対する虐待

  • 器物損壊

  • 詐欺,嘘をつく,または窃盗

  • 親が課した規則に対する重大な違反

そしてその症状または行動が,対人関係,学校,職場おける機能を障害するのに十分な程度のものでなければならない。

予後

一部の小児と青年は,その後,気分障害または不安症,身体症状症または関連症群,物質関連障害,成人期早期発症型の精神病性障害を発症する。素行症を有する小児または青年は,身体疾患や他の精神障害を高率に発症する傾向にある。

治療

  • 併存症の治療薬

  • 精神療法

  • ときに施設収容

薬物療法および精神療法による併存症の治療により,患者の自尊心と自己統制が改善され最終的に素行症のコントロールの改善が得られることがある。薬剤としては,精神刺激薬,気分安定薬,および非定型抗精神病薬(特にリスペリドンの短期使用)などが使用される。

道徳的な説教や厳しく叱りつけることは無効であり,また避けるべきである。認知療法や行動変容法などの個人精神療法が助けとなることがある。しばしば,重篤な小児と青年には,その行動を適切に管理し,無謀な行為の一因となっている環境から離す施設収容が必要である。

要点

  • 素行症を有する小児は攻撃的な行動を繰り返し,他人の権利および/または社会規範や規則を侵す;反省という感情をもつことはほとんどまたは全くない。

  • 秩序破壊的行動は患児の約3分の1で成人期まで続く;その症例の多くはその後,反社会性パーソナリティ障害の基準を満たす。

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