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結膜炎の概要

執筆者:

Melvin I. Roat

, MD, FACS, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 4月
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結膜の炎症は典型的には,感染,アレルギー,または刺激により起こる。症状は,結膜充血および眼脂,ならびに病因によっては不快感およびそう痒である。診断は臨床的に行う;ときに培養が適応となる。治療は病因に基づき,抗菌薬,抗ヒスタミン薬,肥満細胞安定化薬,およびコルチコステロイドの局所投与などがありうる。

感染性結膜炎はウイルス性結膜炎 ウイルス性結膜炎 ウイルス性結膜炎は感染力が強い急性の結膜感染症で,通常アデノウイルスにより起こる。症状としては,刺激感,羞明,水様性眼脂などがある。診断は臨床的に行う;ときにウイルス培養または免疫学的診断検査が適応となる。感染症は自然に軽快するが,重症例ではときにコルチコステロイドの局所投与が必要となる。 (結膜炎の概要も参照のこと。) 結膜炎は一般的な感冒およびその他の全身性ウイルス感染症(特に麻疹であるが,水痘,風疹,流行性耳下腺炎の場合もある)に... さらに読む ウイルス性結膜炎 または細菌性結膜炎 急性細菌性結膜炎 急性結膜炎は多数の細菌が原因となりうる。症状は,充血,流涙,刺激症状,および眼脂である。診断は臨床的に行う。治療は抗菌薬の局所投与とし,より重篤例では抗菌薬の全身投与で補強する。 (結膜炎の概要も参照のこと。) ほとんどの細菌性結膜炎は急性である;慢性の細菌性結膜炎はChlamydiaおよびまれにMoraxellaによることもある。クラミジア結膜炎には,トラコーマ および成人または新生児封入体結膜炎などがある。... さらに読む 急性細菌性結膜炎 が最も多く,伝染性である。まれに,病原体が混合性または同定不能な場合がある。多数のアレルゲンがアレルギー性結膜炎 アレルギー性結膜炎 アレルギー性結膜炎は,急性,間欠性,または慢性の結膜の炎症であり,通常,空中アレルゲンによって生じる。症状としては,そう痒,流涙,眼脂,結膜充血などがある。診断は臨床的に行う。治療は抗ヒスタミン薬および肥満細胞安定化薬の局所投与による。 (結膜炎の概要も参照のこと。) アレルギー性結膜炎は,特異抗原に対するI型過敏反応 による。 季節性アレルギー性結膜炎(花粉症結膜炎)は空中のカビの胞子,または樹木,イネ科の草,もしくは雑草の花粉によっ... さらに読む アレルギー性結膜炎 を引き起こしうる。非アレルギー性の結膜刺激症状は,異物;風,塵,煙,煙霧,化学物質の蒸気,およびその他の種類の大気汚染;ならびに電気アーク,太陽灯,および雪の反射光からの強烈な紫外線により起こりうる。

結膜炎は典型的には急性であるが,感染性およびアレルギー疾患ともに慢性の場合もある。慢性結膜炎を起こす疾患にはさらに,眼瞼外反 眼瞼外反 眼瞼内反とは片方の眼瞼が内反することである。眼瞼外反とは下眼瞼が外反することである。 この写真には,眼瞼内反が写っており,これは高齢者の下眼瞼を侵すことが最も多い。下眼瞼縁が捲り込まれ,睫毛は隠れている。 眼瞼内反は加齢に伴う組織の弛緩,感染後の変化(特に トラコーマ),外傷後の変化,または眼瞼痙攣により起こる。睫毛が眼球に触れ,角膜潰瘍および角膜瘢痕を生じることがある。症状としては,異物感,流涙,充血などが生じうる。診断は臨床的に行う... さらに読む 眼瞼外反 眼瞼内反 眼瞼内反 眼瞼内反とは片方の眼瞼が内反することである。眼瞼外反とは下眼瞼が外反することである。 この写真には,眼瞼内反が写っており,これは高齢者の下眼瞼を侵すことが最も多い。下眼瞼縁が捲り込まれ,睫毛は隠れている。 眼瞼内反は加齢に伴う組織の弛緩,感染後の変化(特に トラコーマ),外傷後の変化,または眼瞼痙攣により起こる。睫毛が眼球に触れ,角膜潰瘍および角膜瘢痕を生じることがある。症状としては,異物感,流涙,充血などが生じうる。診断は臨床的に行う... さらに読む 眼瞼内反 眼瞼炎 眼瞼炎 眼瞼炎は眼瞼縁の炎症で,急性のこともあれば慢性のこともある。症状と徴候には,発赤および浮腫を伴う眼瞼縁のそう痒および熱感などがある。診断は病歴および診察による。急性の潰瘍性眼瞼炎は通常抗菌薬の局所投与または抗ウイルス薬の全身投与により治療する。急性の非潰瘍性眼瞼炎はときにコルチコステロイド局所投与により治療する。慢性疾患の場合,マイボーム... さらに読む 眼瞼炎 ,および慢性涙嚢炎 涙嚢炎 涙嚢炎は,涙嚢の感染症であり,ときに膿瘍形成に至る。起因菌は通常ブドウ球菌属またはレンサ球菌属であり,典型的には鼻涙管閉塞に由来する。 急性涙嚢炎では,涙嚢が発赤,腫脹し,痛みがある。この写真には,形成されて皮膚を貫通する形で破綻し,瘻孔の形成に至った膿瘍が写っている。 慢性涙嚢炎は通常,鼻涙管閉塞によって生じる。涙嚢炎はしばしば涙嚢上の皮膚の突出を伴って慢性化する。圧迫を加えると,突出部に痛みがないこともあるが,膿様またはチーズ様物質... さらに読む 涙嚢炎 などがある。

症状と徴候

炎症の原因となる全ての病態は流涙または眼脂,およびびまん性結膜血管拡張を引き起こす可能性がある。眼脂のために一晩中眼が固着することがある。厚い眼脂は視野を曇らせることがあるが,眼脂が除去されれば,視力に障害はないはずである。

アレルギー性結膜炎では,そう痒および水様の眼脂が顕著である。結膜浮腫および乳頭増殖もアレルギー性結膜炎 アレルギー性結膜炎 アレルギー性結膜炎は,急性,間欠性,または慢性の結膜の炎症であり,通常,空中アレルゲンによって生じる。症状としては,そう痒,流涙,眼脂,結膜充血などがある。診断は臨床的に行う。治療は抗ヒスタミン薬および肥満細胞安定化薬の局所投与による。 (結膜炎の概要も参照のこと。) アレルギー性結膜炎は,特異抗原に対するI型過敏反応 による。 季節性アレルギー性結膜炎(花粉症結膜炎)は空中のカビの胞子,または樹木,イネ科の草,もしくは雑草の花粉によっ... さらに読む アレルギー性結膜炎 を示唆する。刺激感または異物感,羞明,および眼脂はウイルス性結膜炎 ウイルス性結膜炎 ウイルス性結膜炎は感染力が強い急性の結膜感染症で,通常アデノウイルスにより起こる。症状としては,刺激感,羞明,水様性眼脂などがある。診断は臨床的に行う;ときにウイルス培養または免疫学的診断検査が適応となる。感染症は自然に軽快するが,重症例ではときにコルチコステロイドの局所投与が必要となる。 (結膜炎の概要も参照のこと。) 結膜炎は一般的な感冒およびその他の全身性ウイルス感染症(特に麻疹であるが,水痘,風疹,流行性耳下腺炎の場合もある)に... さらに読む ウイルス性結膜炎 を示唆する;膿性眼脂は細菌性結膜炎 急性細菌性結膜炎 急性結膜炎は多数の細菌が原因となりうる。症状は,充血,流涙,刺激症状,および眼脂である。診断は臨床的に行う。治療は抗菌薬の局所投与とし,より重篤例では抗菌薬の全身投与で補強する。 (結膜炎の概要も参照のこと。) ほとんどの細菌性結膜炎は急性である;慢性の細菌性結膜炎はChlamydiaおよびまれにMoraxellaによることもある。クラミジア結膜炎には,トラコーマ および成人または新生児封入体結膜炎などがある。... さらに読む 急性細菌性結膜炎 を示唆する。重度の眼痛は強膜炎 強膜炎 強膜炎は重度かつ破壊的な視力を脅かす炎症で,上強膜深層および強膜を侵す。症状は,中等度から著明な痛み,眼球の充血,流涙,および羞明である。診断は臨床的に行う。治療はコルチコステロイドおよび場合によっては免疫抑制薬の全身投与による。 (結膜および強膜疾患の概要も参照のこと。) 強膜炎は,30~50歳の女性に最もよくみられ,多くは,関節リウマチ,SLE,結節性多発動脈炎,多発血管炎性肉芽腫症(以前はウェゲナー肉芽腫症と呼ばれていた),または... さらに読む 強膜炎 を示唆する。

診断

  • 臨床的評価

  • ときに培養

その他の疾患が眼の充血 充血 充血とは,眼表面の血管拡張を反映して,開眼時に眼が赤く見えることである。 眼表面の血管拡張の原因としては以下のものがある: 感染 アレルギー 炎症(非感染性) さらに読む を引き起こすことがある。健側眼に光が照射された際に患側眼で深い痛みが生じる現象(真性羞明)は,合併症のない結膜炎では起こらず,角膜または前部ぶどう膜疾患を示唆する。角膜周囲結膜充血(ときに毛様充血と報告される)は,角膜輪部から1~3mmまで放射状に伸びる細く真っ直ぐな深部血管の拡張により生じ,眼球結膜および眼瞼結膜の著明な充血を伴わない。毛様充血はぶどう膜炎 ぶどう膜炎の概要 ぶどう膜炎はぶどう膜(虹彩,毛様体,および脈絡膜)の炎症と定義される。しかしながら,網膜と前房内の房水,硝子体液もしばしば障害を受ける。約半数は特発性である;同定可能な原因には,外傷,感染症,および全身性疾患などがあり,そのうち多くは自己免疫性である。症状としては,視力低下,眼痛,充血,羞明,飛蚊症などがある。ぶどう膜炎は臨床的に同定可能... さらに読む ぶどう膜炎の概要 急性緑内障 緑内障の概要 緑内障は進行性の視神経の障害を特徴とする一群の眼疾患であり,重要な要因として眼圧(IOP)の相対的上昇が関わっている。緑内障は世界で,また米国で2番目に頻度が高い失明の原因であり,米国ではアフリカ系の人々およびヒスパニックの失明の原因として最多である。約300万人の米国人および世界で約6400万人が緑内障に罹患しているが,緑内障に気づいて... さらに読む ,および一部の角膜炎(Professional.see chapter 角膜疾患 角膜疾患 さらに読む )で生じるが,合併症のない結膜炎ではみられない。

パール&ピットフォール

  • 患者に真性羞明,視力障害,または毛様充血があり,著明な眼脂または流涙がなければ,眼の充血を生じる別の原因(例,ぶどう膜炎,緑内障,角膜炎)を疑う。

結膜炎の原因は臨床所見によって示唆される。しかしながら,重度の症状,易感染状態,眼の脆弱性(例,角膜移植後,バセドウ病による眼球突出),または初期治療への反応不良を認める患者では,培養が適応となる。

ウイルス性結膜炎と細菌性結膜炎の臨床的鑑別は,正確性が高いとは言えない。しかしながら,病歴および検査結果がウイルス性結膜炎を強く示唆すれば,初期の抗菌薬を控えるのが適切である。臨床像が変化した場合または症状が持続する場合は,後に抗菌薬を処方してもよい。

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治療

  • 感染拡大の予防

  • 対症療法

ほとんどの感染性結膜炎は伝染性が強く,飛沫,媒介物,および手から眼への接種により広がる。感染伝播を避けるため,医師は以下のことを行うべきである:

  • 手の消毒薬を用いるか適切に手を洗う(手全体に石鹸の泡をたて,少なくとも20秒間手をもみ洗いし,十分に石鹸をすすぎ,ペーパータオルで水をふき取る)

  • 患者の診察に使った器具は消毒する

患者は以下のことを行うべきである:

  • 自身の眼または鼻からの分泌物を触った後は,手の消毒薬を用いるか手を徹底的に洗う

  • 感染した方の眼を触った後に健側の眼を触らない

  • タオルや枕を共有しない

  • プールで泳がない

眼脂はふき取り,眼帯はすべきでない。結膜炎に罹患した年少の小児は,感染拡大防止のために学校を休ませるべきである。冷たい手ぬぐいを目にあてると,局所の熱感およびそう痒の緩和に役立つことがある。特定の感染症には抗菌薬が使用される。

要点

  • 結膜炎は典型的に感染,アレルギー,または刺激により起こる。

  • 感染性結膜炎は通常伝染性が強い。

  • 典型的な所見は,充血(毛様充血を伴わない)および眼脂であり,著明な疼痛または視力障害を伴わない。

  • 診断は通常臨床的に行う。

  • 治療には,感染拡大予防策および原因の治療などがある(ときに抗菌薬)。

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