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薬疹および薬物反応

執筆者:

Wingfield E. Rehmus

, MD, MPH, University of British Columbia

最終査読/改訂年月 2017年 5月
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薬剤は様々な皮疹や皮膚反応を引き起こすことがある。そのうち最も重篤なものとしては,本マニュアルの別の箇所で考察しているように,スティーブンス-ジョンソン症候群 スティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)および中毒性表皮壊死融解症(TEN) スティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死融解症(TEN)は,重度の皮膚過敏反応である。薬剤,特にサルファ剤,抗てんかん薬,および抗菌薬が最も頻度の高い原因である。斑が急速に拡大して融合し,表皮の水疱,壊死,および剥離へとつながる。診断は通常,当初の病変の外観と臨床的な症状群から明らかである。治療は支持療法であり,シクロスポリン,血漿交換または免疫グロブリン静注療法(IVIG),および早期のステロイドパルス療法が用いられ... さらに読む スティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)および中毒性表皮壊死融解症(TEN) 中毒性表皮壊死融解症 スティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)および中毒性表皮壊死融解症(TEN) スティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死融解症(TEN)は,重度の皮膚過敏反応である。薬剤,特にサルファ剤,抗てんかん薬,および抗菌薬が最も頻度の高い原因である。斑が急速に拡大して融合し,表皮の水疱,壊死,および剥離へとつながる。診断は通常,当初の病変の外観と臨床的な症状群から明らかである。治療は支持療法であり,シクロスポリン,血漿交換または免疫グロブリン静注療法(IVIG),および早期のステロイドパルス療法が用いられ... さらに読む スティーブンス-ジョンソン症候群(SJS)および中毒性表皮壊死融解症(TEN) 過敏症症候群 薬物過敏症 薬物過敏症は薬物に対する免疫介在性の反応である。症状は軽度から重度まで様々で,発疹,アナフィラキシー,および血清病などがある。診断は臨床的に行う;ときに皮膚テストが有用である。治療は,薬物投与の中止,支持療法(例,抗ヒスタミン薬による),およびときに脱感作である。 (アレルギー疾患およびアトピー性疾患の概要も参照のこと。) 薬物過敏症は,当該薬物および薬物相互作用による問題から想定されうる毒性や有害作用とは異なる。... さらに読む 血清病 薬物過敏症は薬物に対する免疫介在性の反応である。症状は軽度から重度まで様々で,発疹,アナフィラキシー,および血清病などがある。診断は臨床的に行う;ときに皮膚テストが有用である。治療は,薬物投与の中止,支持療法(例,抗ヒスタミン薬による),およびときに脱感作である。 (アレルギー疾患およびアトピー性疾患の概要も参照のこと。) 薬物過敏症は,当該薬物および薬物相互作用による問題から想定されうる毒性や有害作用とは異なる。... さらに読む 剥脱性皮膚炎 剥脱性皮膚炎 剥脱性皮膚炎は,先行する皮膚疾患,薬剤,悪性腫瘍,または未知の原因によって広範囲の皮膚に紅斑と落屑が生じる病態である。症状と徴候は,そう痒,びまん性の紅斑,および表皮の脱落である。診断は臨床的に行う。治療としては,コルチコステロイドの投与と原因の是正を行う。 (皮膚炎の定義も参照のこと。) 剥脱性皮膚炎は,表皮細胞の代謝回転が急速であることの現れである。原因は不明であるが,以下を背景として発生することが多い:... さらに読む 剥脱性皮膚炎 血管性浮腫 血管性浮腫 血管性浮腫は真皮深層および皮下組織の浮腫である。通常は,薬物,毒液,食物,花粉,または動物のフケなどのアレルゲンへの曝露によって引き起こされる急性の肥満細胞介在性反応である。さらに血管性浮腫は,アンジオテンシン変換酵素阻害薬に対する急性反応,慢性反応,または異常な補体反応を特徴とする遺伝性もしくは後天性疾患のこともある。主な症状は腫脹であり,重度のことがある。診断は診察による。治療は,必要に応じて気道管理,アレルゲンの除去または回避,お... さらに読む 血管性浮腫 アナフィラキシー アナフィラキシー アナフィラキシーは,急性で生命を脅かす可能性のあるIgE介在性のアレルギー反応で,すでに感作されている人が感作抗原に再び曝露した場合に発生する。症状としては,吸気性喘鳴,呼吸困難,呼気性喘鳴,低血圧などがある。診断は臨床的に行う。治療はアドレナリンによる。気管支攣縮および上気道浮腫では,β作動薬の吸入または注射,ときに気管挿管が必要になることがある。低血圧が持続する場合は,輸液およびときに昇圧薬が必要となる。... さらに読む 薬剤性血管炎 皮膚血管炎 皮膚血管炎は,内臓ではなく皮膚および皮下組織の小型または中型の血管を侵す血管炎のことを指す。皮膚血管炎は,皮膚に限局する場合もあれば,原発性または二次性の全身性血管炎疾患の一要素である場合もある。紫斑,点状出血,または潰瘍が生じることがある。診断には生検が必要である。治療法は病因および疾患の範囲によって異なる。 (血管炎の概要も参照のこと。) 血管炎は皮膚の小型または中型の血管を侵すことがある。皮膚の小型の血管(例,細動脈,毛細血管,後... さらに読む 皮膚血管炎 などがある。

薬剤はさらに,脱毛 脱毛症 脱毛症は身体からの毛髪の脱落と定義される。脱毛症は,整容的および心理的な理由でしばしば患者の大きな懸念の原因になるが,全身性疾患の重要な徴候であることもある。 (円形脱毛症も参照のこと。) 毛髪の成長には周期がある。個々の毛周期は以下の段階で構成される: 成長期:長い(2~6年)成長段階... さらに読む 脱毛症 扁平苔癬 扁平苔癬 扁平苔癬は,そう痒を伴う再発性の炎症性発疹が生じる疾患で,平坦に隆起した多角形で紫色のはっきりした小丘疹を特徴とし,それらが融合して表面のざらざらした鱗屑を伴う局面を形成することがあり,しばしば口腔病変や性器病変を伴う。診断は通常臨床的に行い,皮膚生検で裏付けが得られる。一般に,治療にはコルチコステロイドの外用または病変内注射が必要となる。重症例では光線療法,またはコルチコステロイド,レチノイド,もしくは免疫抑制薬の全身投与が必要になる... さらに読む 扁平苔癬 結節性紅斑 結節性紅斑 結節性紅斑は脂肪織炎の一病型であり,脛部に圧痛を伴う赤色または紫色の皮下結節を触れるのが特徴であるが,ときに他の部位にも生じる。しばしば全身性の基礎疾患,特にレンサ球菌感染,サルコイドーシス,炎症性腸疾患に伴って発生する。診断は臨床的評価のほか,ときに生検による。治療は原因に応じて異なる。 結節性紅斑は主として20代から30代の人々に生じるが,あらゆる年齢層で発生する可能性があり,女性の方が頻度が高い。... さらに読む 結節性紅斑 色素病変 色素異常症の概要 色素異常症では,色素減少,色素脱失,または色素沈着が生じる。患部は限局性の場合と,びまん性の場合がある。色素減少(hypopigmentation)では色素が減少するのに対し,色素脱失(depigmentation)では色素が完全に失われ,皮膚は白くなる。 限局性の色素減少は,以下が原因であることが最も多い:... さらに読む 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデス(SLE) 全身性エリテマトーデス(SLE)は,自己免疫を原因とする慢性,多臓器性,炎症性の疾患であり,主に若年女性に起こる。一般的な症状としては,関節痛および関節炎,レイノー現象,頬部などの発疹,胸膜炎または心膜炎,腎障害,中枢神経系障害,血球減少などがある。診断には,臨床的および血清学的な基準が必要である。重症で進行中の活動性疾患の治療には,コルチコステロイドおよびときに免疫抑制薬を必要とする。... さらに読む 全身性エリテマトーデス(SLE) 光線過敏反応 光線過敏症 光線過敏症は,皮膚が日光に対して過剰に反応する病態である。特発性に生じることもあれば,毒性またはアレルゲン性を有する特定の薬物または化学物質に曝露した後に生じることもあり,ときに全身性疾患(例,全身性エリテマトーデス,ポルフィリン症,ペラグラ,色素性乾皮症)の特徴の1つである場合もある。診断は臨床的に行う。治療は病型によって異なる。 日光の急性効果および日光の慢性効果に加えて,日光への曝露後には,頻度は低いが様々な反応が生じることがある... さらに読む 光線過敏症 天疱瘡 尋常性天疱瘡 尋常性天疱瘡は,一見正常な皮膚および粘膜に表皮内水疱と広範なびらんを生じることを特徴とし,死に至ることもある,まれな自己免疫疾患である。診断は皮膚生検と直接蛍光抗体法,間接蛍光抗体法,および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)による。治療はコルチコステロイドのほか,ときに他の免疫抑制療法による。 水疱とは,内部を液体で満たされた隆起性の発疹のうち,直径が10mm以上のものである。... さらに読む 尋常性天疱瘡 ,および類天疱瘡 水疱性類天疱瘡 水疱性類天疱瘡は,高齢患者においてそう痒を伴う水疱性病変が全身性に形成される慢性自己免疫性皮膚疾患である。粘膜が侵されることはまれである。診断は皮膚生検と皮膚および血清での蛍光抗体法による。治療では,まずコルチコステロイドを外用および全身投与で使用する。ほとんどの患者に長期の維持療法が必要であり,そこでは様々な免疫抑制薬が使用される可能性がある。 水疱とは,内部を液体で満たされた隆起性の発疹のうち,直径が10mm以上のものである。... さらに読む 水疱性類天疱瘡 に関与することもある。その他の薬物反応は病変の種類で分類される(Professional.see table 薬物反応の種類と典型的な原因薬剤 薬物反応の種類と典型的な原因薬剤 薬剤は様々な皮疹や皮膚反応を引き起こすことがある。そのうち最も重篤なものとしては,本マニュアルの別の箇所で考察しているように,スティーブンス-ジョンソン症候群と中毒性表皮壊死融解症,過敏症症候群,血清病,剥脱性皮膚炎,血管性浮腫,アナフィラキシー,薬剤性血管炎などがある。 薬剤はさらに,脱毛,扁平苔癬,結節性紅斑,色素病変,全身性エリテマトーデス(SLE),光線過敏反応,天疱瘡,および類天疱瘡に関与することもある。その他の薬物反応は病変... さらに読む 薬物反応の種類と典型的な原因薬剤 )。

症状と徴候

診断

  • 臨床的評価と薬物曝露歴の聴取

  • ときに皮膚生検

診断には,しばしば詳細な病歴聴取が必要となり,最近使用したOTC薬も対象に含める。反応は薬剤に対する初回曝露から数日ないし数週間経過するまで生じないことがあるため,直近で開始した薬剤のみならず,あらゆる新規薬剤について検討することが重要である。

感受性は薬剤の再投与でしか明確に知ることはできないが,重度の反応を来した患者では再投与は危険であり,倫理的に問題となる場合がある。

治療

  • 原因薬剤の中止

  • ときに抗ヒスタミン薬およびコルチコステロイド

大半の薬物反応は投与を中止すれば消退し,それ以上の治療を必要としない。可能であれば,被疑薬を化学的に類縁でない化合物に変更すべきである。代用薬が利用できない場合と反応が軽度の場合は,反応があるとしても注意深い観察下で治療を継続しなければならないこともある。

アナフィラキシー アナフィラキシー アナフィラキシーは,急性で生命を脅かす可能性のあるIgE介在性のアレルギー反応で,すでに感作されている人が感作抗原に再び曝露した場合に発生する。症状としては,吸気性喘鳴,呼吸困難,呼気性喘鳴,低血圧などがある。診断は臨床的に行う。治療はアドレナリンによる。気管支攣縮および上気道浮腫では,β作動薬の吸入または注射,ときに気管挿管が必要になることがある。低血圧が持続する場合は,輸液およびときに昇圧薬が必要となる。... さらに読む が発生した場合は,治療として,アドレナリン(1:1000)水溶液0.2mLの皮下または筋肉内投与,抗ヒスタミン薬の注射 治療 アナフィラキシーは,急性で生命を脅かす可能性のあるIgE介在性のアレルギー反応で,すでに感作されている人が感作抗原に再び曝露した場合に発生する。症状としては,吸気性喘鳴,呼吸困難,呼気性喘鳴,低血圧などがある。診断は臨床的に行う。治療はアドレナリンによる。気管支攣縮および上気道浮腫では,β作動薬の吸入または注射,ときに気管挿管が必要になることがある。低血圧が持続する場合は,輸液およびときに昇圧薬が必要となる。... さらに読む ,ならびに作用の発現は緩徐ながら持続時間が長い水溶性ヒドロコルチゾン製剤100mgの静注を行うほか,その後はコルチコステロイドの経口投与を短期間行ってもよい。

要点

  • 薬剤は多様な反応を引き起こすことがあるため,原因不明の皮膚反応では,ほぼ全例で原因として薬剤を考慮すべきである。

  • 診断は,処方薬およびOTC薬の詳細な薬歴を含めて,主に臨床基準に基づく。

  • 被疑薬の投与を中止し,必要に応じて症状を治療する。

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