(皮膚悪性腫瘍の概要 皮膚悪性腫瘍の概要 皮膚悪性腫瘍は最も頻度の高い悪性腫瘍であり,一般的には露光部の皮膚に生じる。その発生率は戸外労働者,スポーツ愛好者,および日光浴愛好者で高く,皮膚のメラニン色素量と反比例し,皮膚の色の薄い人々が最も罹患しやすい。皮膚悪性腫瘍はまた,治療目的のX線照射または発がん物質への曝露(例,ヒ素の摂取)から何年も経過して発生することもある。... さらに読む も参照のこと。)
ボーエン病は露光部に好発するが,あらゆる部位で発生する可能性がある。
ボーエン病の症状と徴候
病変は単発性の場合も多発性の場合もある。病変は赤褐色で鱗屑または痂皮を伴い,硬結はほとんどなく,乾癬または皮膚炎や皮膚糸状菌感染症による限局性の薄い局面に類似することが多い。
ボーエン病の診断
生検
ボーエン病の診断は生検によるが,生検では全層の表皮異形成を認めるものの,真皮は侵されていない。
ボーエン病の治療
局所的な方法による切除またはアブレーション
ボーエン病の治療法は病変の特徴に応じて異なり,具体的には外用化学療法,掻爬・電気乾固術,外科的切除,電気焼灼術,凍結療法などを行う。
ボーエン病の予防
多くの皮膚悪性腫瘍に紫外線曝露が関連しているとみられるため,曝露を抑えるためのいくつかの対策が推奨される。
日光の回避:普段から日陰にいるようにし,午前10時から午後4時まで(日光が最も強い時間帯)の戸外活動を最小限とし,日光浴や日焼けマシーンの使用を控える
防護用の衣服の着用:長袖シャツ,ズボン,つばの広い帽子
サンスクリーン剤の使用:UVA/UVBに対する広域の防御効果がある紫外線防御指数(SPF)30以上のものを指示通りに使用する(すなわち,2時間毎および水泳後または発汗後に塗布し直す);日光曝露の時間を延長させるために使用すべきではない