A型肝炎(HepA)ワクチン

執筆者:Margot L. Savoy, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
Reviewed ByEva M. Vivian, PharmD, MS, PhD, University of Wisconsin School of Pharmacy
レビュー/改訂 修正済み 2025年 7月
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米国では,2つのA型肝炎(HepA)ワクチンと1つのA型肝炎・B型肝炎(HepB)混合ワクチンが使用可能であり,いずれもA型肝炎に対して長期の予防効果をもたらす。

ワクチン接種後の被験者で構成される2つのコホートでは,A型肝炎ワクチンの2回接種から20年後の時点で97%以上の被験者において抗HAV抗体が認められた (1)。

予防接種の概要も参照のこと。)

参考文献

  1. 1.Theeten H, Van Herck K, Van Der Meeren O, Crasta P, Van Damme P, Hens N.Long-term antibody persistence after vaccination with a 2-dose Havrix (inactivated hepatitis A vaccine): 20 years of observed data, and long-term model-based predictions. Vaccine.2015;33(42):5723-5727.doi:10.1016/j.vaccine.2015.07.008

A型肝炎ワクチンの製剤

A型肝炎ワクチンは,ホルマリンで不活化した細胞培養由来のA型肝炎ウイルスから調製される。どちらのA型肝炎ワクチンにも小児用と成人用の製剤がある。

A型肝炎・B型肝炎混合ワクチンが多くの国で使用可能となっている。

A型肝炎ワクチンの適応

A型肝炎ワクチンは,ルーチンの小児予防接種に組み込まれている(1)。

A型肝炎ワクチンは,接種を完了していない人が接種を希望すれば適応となる(危険因子の同定は必要ない)。

A型肝炎ワクチンは,以下の危険因子のいずれかがある場合も適応とする(2):

  • 流行地域への旅行または就労

  • 職業曝露(例,研究施設でA型肝炎ウイルス[HAV]に感染した霊長類やHAV自体を取り扱う業務に従事している)

  • 男性と性行為をする男性

  • メタンフェタミンなどの薬物使用(注射か否かは問わない)

  • ホームレス状態

  • HIV感染症

  • 慢性肝疾患(例,B型肝炎,C型肝炎,肝硬変,脂肪性肝疾患,アルコール性肝疾患,または自己免疫性肝炎を有するか,アラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT]値またはアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]値が正常上限の2倍を超える患者)

  • 流行地域から国際養子として米国に迎えられた小児と入国後60日以内に濃厚接触(例,家族または定期のベビーシッターとしての接種)が予想される

  • 妊娠中のHAV感染のリスク(例,妊娠中に国際旅行をする,注射か否かを問わず薬物を使用する,職業曝露のリスクがある,国際養子との濃厚接触が予想される,ホームレス生活を送っている)またはHAV感染症の重症化リスク(例,慢性肝疾患またはHIV感染症を有する妊婦)

A型肝炎のアウトブレイク時には,A型肝炎ウイルスの感染リスクがある1歳以上の個人にワクチンを接種すべきである。

A型肝炎・B型肝炎混合ワクチンは,18歳以上でA型肝炎またはB型肝炎ワクチンいずれかの適応があり,かつ以前にこれらの成分を含有するワクチンの接種を受けたことがない個人に使用することができる。

適応に関する参考文献

  1. 1.CDC.Child and Adolescent Immunization Schedule by Age.May 2025.

  2. 2.CDC.Adult Immunization Schedule by Age.May 2025.

A型肝炎ワクチンの禁忌および注意事項

A型肝炎ワクチンの主な禁忌は以下の通りである:

  • 過去の接種後またはワクチン成分に対する重度のアレルギー反応(例,アナフィラキシー)の既往

A型肝炎ワクチンの主な注意事項は以下の通りである:

  • 発熱の有無を問わず,中等症または重症の疾患(軽快するまで接種を延期する)

A型肝炎ワクチンの用量および用法

A型肝炎ワクチンの用量は18歳以下では0.5mLの筋肉内接種,成人(19歳以上)では1mLの筋肉内接種である。

小児には典型的には計2回の接種を行い,1回目は生後12~23カ月に,2回目は1回目の6~18カ月後に接種する。

使用する製品に応じて,成人には0カ月時点と6~12または6~18カ月時点で計2回の接種する。

あるいは,成人にはA型肝炎・B型肝炎混合ワクチンを計3回のスケジュール(0カ月,1カ月,6カ月)で接種してもよい。1回目と2回目の間は4週間以上の間隔を空けるべきであり,2回目と3回目の間は5カ月以上の間隔を空けるべきである。もしくは,4回の加速接種スケジュール(0日目,7日目,21日目,30日目)も選択可能であり,その場合は1回目の12カ月後に追加接種を行う。

流行地域の小児を養子に迎える計画を立てた際には,濃厚接触者となる個人は速やかに(理想的には小児が到着する2週間前までに)A型肝炎ワクチンの2回接種の1回目を受けるべきである。

A型肝炎ワクチンの有害作用

よくみられる有害反応としては注射部位の疼痛,紅斑,腫脹などがあり,ときに硬結もみられる。その他のよくみられる有害反応としては,生後12~23カ月の小児における発熱や成人における頭痛などがある。

これらのワクチンの有害作用に関する詳細については,処方情報を参照のこと。

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこれらの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP): ACIP Recommendations: Hepatitis A Vaccine

  2. Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Hepatitis A Vaccination

  3. European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC): Hepatitis A: Recommended vaccinations

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