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流行性胸痛症

(ボルンホルム病;Bornholm病)

執筆者:

Brenda L. Tesini

, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry

レビュー/改訂 2019年 9月
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流行性胸痛症は,大半がエンテロウイルス属に属するコクサッキーウイルスB群によって引き起こされる熱性疾患である。感染により重度の胸膜性胸痛または腹痛を来す。

流行性胸痛症はあらゆる年齢で起こりうるが,小児で最も多い。

流行性胸痛症の症状

重度で間欠的なことが多く,しばしば胸膜性の胸痛が突然心窩部,腹部,または前胸部下方に始まり,発熱ならびにしばしば頭痛,咽頭痛,および倦怠感を伴う。障害された体幹の筋は腫脹し圧痛を認めることがある。流行性胸痛症の症状は通常,2~4日で治まるが,数日以内に再発して,数週間にわたり持続または再発を繰り返すことがある。

まれに 無菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎 エンテロウイルスは,ライノウイルス( 感冒を参照)およびヒトパレコウイルスとともに,ピコルナウイルス科(小さな[pico]RNAウイルス)に属する。ヒトパレコウイルス1型および2型は,かつてはエコーウイルス22型および23型と呼ばれていたが,現在ではパレコウイルスに再分類されている。全てのエンテロウイルスは不均一な抗原性を有... さらに読む 精巣炎 精巣炎 精巣炎は精巣の感染症で,典型的にはムンプスウイルスに起因する。症状は精巣痛および腫脹である。診断は臨床的に行う。治療は対症療法による。細菌感染が同定された場合に限り,抗菌薬を投与する。 単独の精巣炎(すなわち,精巣に限局した感染症)はほぼ常にウイルスに起因し,ほとんどの症例で原因はムンプスである。まれな原因として,先天梅毒,結核,ハンセン病,エコーウイルス感染症,リンパ球性脈絡髄膜炎,コクサッキーウイルス感染症,伝染性単核球症,水痘,B... さらに読む 精巣炎 ,より頻度は低いが 心筋心膜炎 心筋心膜炎 エンテロウイルスは,ライノウイルス( 感冒を参照)およびヒトパレコウイルスとともに,ピコルナウイルス科(小さな[pico]RNAウイルス)に属する。ヒトパレコウイルス1型および2型は,かつてはエコーウイルス22型および23型と呼ばれていたが,現在ではパレコウイルスに再分類されている。全てのエンテロウイルスは不均一な抗原性を有... さらに読む を合併する。回復後,別のコクサッキーウイルスB群による続発性感染症が起こりうる。

流行性胸痛症の診断

  • 臨床的評価

流行性胸痛症の流行中に原因不明の重度の胸膜痛または腹痛を呈する小児では,本症の診断が明らかなことがある。しかしながら,それ以外の状況では,胸痛または腹痛を呈する他の疾患による症状と鑑別するのが困難な可能性がある。

臨床検査による診断はルーチンには必要ないが,咽頭拭い液または便検体からウイルスを検出するか,頻度は低いが抗体陽転を証明する。

流行性胸痛症の治療

  • 非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)などによる症状の緩和

流行性胸痛症の治療法としては,NSAIDやその他の対症療法などがある。

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